飯守泰次郎指揮の読響 ピアノ:ネルソン・フレイレ @東京芸術劇場 ― 2017/07/08 13:32
昨日(7月7日)は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。ふと思い立って出かけた理由は、ネルソン・フレイレの名前を見かけたため。なんとブラームスの2番を弾くという話じゃありませんか。懐かしいお名前ですねぇ。CD不況の時代にあってまだまだ新譜を入れているらしい。気がつかなかったな。
頭はすっかり白くなっていましたが、堂々たる風貌。ホルンの雄大な調べに導かれてしっとりとした分散和音が響き渡ります。最初ちょっと色彩感に乏しいかななんて思ってたら、次第に調子を上げて第1楽章の中盤からは飛びきりの美音を響かせていました。長大なスケルツォ好きだなぁ。途中のヘミオラ風のテンポの変化に思わず体が揺れてしまいます。第3楽章のチェロもいい音色だったね。ロンドも煌めくような繊細な色彩感をもった音の奔流。16型の大オーケストラに相対しても、肩肘張ることなく、リラックスした様子でサラッと弾いているんですが、音色、リズム、テンポを完璧にコントロールして、極めつけの音楽を聴かせてくれました。巨匠風の演奏とは違う。オケとも常に対話して、「交響曲のような」というよりも、室内楽のような協奏曲でした。
後半は飯守お得意のワーグナー。この秋、『神々の黄昏』で読響が二国のピットに入ることになっているため、まあ、その名刺交換って意味合いもあるんじゃないかなと、勝手に邪推しております。
まず『パルジファル』第1幕への前奏曲と第3幕から聖金曜日の音楽。槍を奪われ傷を負ったアンフォルタスの絶えることない苦しみと、槍だ杯だっていう宗教的な権威への疑問をそこはかとなくにおわせる静かな前奏曲に続いて、パルジファル、クンドリ−、グルネマンツによる洗礼ごっこ。劇的な場面ではないけど、リチュアルな場面。内に秘めた宗教的な高揚感・法悦感が控えめな響きで描かれていました。
次に『ワルキューレ』から第三幕の冒頭。通常ワルキューレの騎行と呼ばれる音楽。パルジファルからホルン、金管、打楽器が大幅に増員されてまあ、デーハーな響きを作り上げました。オケのピットみたいに対向配置にしたら、音響的にも視覚的にももっと面白かったんじゃないかと思いますが、ピアノコンチェルトの後で、チェロ・バスまで移動する余裕はなかったかな。最後は『タンホイザー』序曲。荘重な巡礼の合唱、情念が燃え上がるウェヌスベルクの音楽、これを演奏会の最後に持ってくれば盛り上がらないはずがない。特に中間部のウェヌスベルクの部分で、ヴァイオリン・デュオがきれいだった。飯守の指揮も読響から大きなダイナミックレンジを引き出して、雄大な音楽を聴かせてくれたと思います。
パトリス・シェローの有名な演出で『ワルキューレ』の第3幕冒頭。指揮はブーレーズ。二人とも鬼籍に入ってしまいました。
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今日は酷暑日です。1時で35.2℃。いやはや。言うこと無し。
手前のレディ・ヒリンドンは、暑さで花が丸まっています。
暑いの大好きなのはサルスベリ。
バラは咲いてるけど、なんとなく水気が足りない感じがします。
フレグラント・アプリコット
ドゥフトゴルト
シャルル・ド・ゴール
クロティルド・スーペール(粉粧楼)
アンジェラ
インカ
オールド・ブラッシュ(夏の名残のバラ)
マツムシソウ
ムーン・シャドウ
ニコル
パレード
楽園
ラ・フランスとフレグラント・アプリコット(奥)
ストロベリー・アイス
サルスベリ
ホワイト・クリスマス
イエロー・シンプリシティ
ヴィオリーナ
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