新国立劇場:ストラヴィンスキーの『火の鳥』、『アポロ』、『結婚』2013/11/14 22:30

最低気温2.9℃、最高気温12.8℃。昼間百姓をやってると汗が出てくるんですが、11月に最低気温2.9℃って凄くないか? と思って気象庁のサイトを眺めてみたら、記録としては11月に−3℃とか−2℃台が結構あるんですねぇ。

話は変わって、昨日(10月13日)は二国でバレエを見てきました。バレエ・リュスが結成されてほぼ100年というようなこともあり、世界中あっちこっちでこのバレエ団の作品が復活上演されています。この二国のプロジェクトもそんな風潮の一環でしょうか。今回の公演の特設サイト。スタッフ&キャストや写真・映像などもこのサイトにあります。

二国では『火の鳥』を3年前にも上演していますが、この時もかなり話題になりました。今回もその時にタイトルロールを踊った小野絢子が登場。ピョンピョンよく跳ねる火の鳥でした。王子、王女も良かったけど、トレウバエフが不気味な音楽に乗って魔王カスチェイを好演。

『火の鳥』のように人間の本源的なエネルギーを表現する芸術を、ニーチェの言葉を使ってディオニュソス的と表現するなら、次の『アポロ』はまさにアポロン的な作品。音楽も人間の本能的・始原的な衝動や欲求を大胆に投げつけてくるような響きとは対照的に、古典的な均整美を保った形式と響き。振り付けたバランシンという人、ニューヨークで活躍した振付師というイメージが強くて、バレエ・リュスとコミットメントはさして深くないような気がするんですが、『アポロ』はまさにこの振付師の真骨頂なんだろうと思います。それを一言で表現すると均整のとれた抽象美。『ハ調の交響曲』などもそんな感じですが、『アポロ』はコール・ド・バレエすら3人のムーサで表現してしまいます。ちょっと徒手体操の床運動に似ているかな。あるいは4人で組み体操をやっている感じ。きれいな形が決まると、「はい、ポーズ」って感じで2秒間静止。きれいだったけど、面白かったかと聞かれると、「う〜む」。

3幕目は『結婚』これは、バレエを見ているのがちょっと辛かった。ピットの中でもごもご歌っていたけど、二国の合唱団も借りてきた猫状態。ステージ上で4台ピアノが丁々発止と切り結ぶスタイルの方が面白いなぁ。こんな感じで↓

マリインスキー劇場のバレエ