読響マチネシリーズ ラーンキ ブラームス2013/11/24 22:02

今日(11月24日)は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。まあ歩いて行けるところだから真っ昼間の演奏会でもなんとか辿り着いて・・・・要するに、昼間の音楽会って人間の生理的なリズムに合わないんだよねぇ。最近週末昼間の音楽会がやたら増えているのはなぜだろう。

え〜と前半はピアノがデジュ・ラーンキでブラームスのコンチェルト第2番。上岡敏之の指揮。ラーンキはこのところすっかりご無沙汰って感じのピアノ弾き。ハンガリーの三羽ガラスなんて言われていたのは30年とか40年ぐらい前の話? 久々にその名前を聞いて、とりあえず聞きに行きました。多分チケットは完売で、キャンセル待ちの整理券なんかが出ていたみたい。指揮はすっかりベテランの域に達した上岡敏之。

第一楽章、ホルンが朗々と歌い出します。え、これが読響??? ホルンがうますぎるよぉ。アルペンホルンのたおやかな音色がホールに響き渡ります。それに促されるようにピアノのアルペッジョが・・・

第1楽章、第2楽章ははっきり言ってちょっと残念。ラーンキが音楽に乗りきれない感じ。ストバイが14編成の読響の中にピアノが埋没して、3階席まで音が届いてこない瞬間も。ところが第3楽章、チェロの甘美なメロディーに触発されたかのように、ピアノが突然歌い始めます。うん、いいねぇ。続く第4楽章ではすっかり調子が出てきて、壮大なクライマックスを描き出していました。たぶん実演では片手の指の数くらいしか聞いたことがない曲だと思うんですが、実に良くまとまった演奏だったと思います。ブラームスの中では秋を感じさせない、春の若々しさが前面に出た演奏だったかな。と言ったら、連れが「そりゃ甘い」って・・・

後半はブラームスの交響曲第3番。これもどちらかというと春を感じさせる、田園的な明るさを湛えたシンフォニー。上岡はやっぱり劇場の指揮者なのかな、メロディーラインをしっかりと押さえて、わかりやすい音楽を描き出します。もちろんポリフォニックな部分も明確に交通整理して、その指揮の姿を見ているだけでも音楽が明確な形になって聞こえてきます。ブラームス特有の小節線を越えた感情がたゆたうようなメロディーを、とても甘美に、生理的にピタッとはまるような表現で演奏してみせます。かといって息が長すぎるわけではなく、フレーズの歌わせ方もみごと。この曲はさほど盛り上がる曲ではないんでしょうが、しっとりと、しみじみと、音楽の喜びを感じさせてくれる演奏でした。


そろそろ秋のバラも峠を越えたでしょうか。


ナデシコ


クロチルド・スーペール(粉粧楼)




インカ

アンナプルナ



楽園




コルデス・ペルフェクタ


今年の新人パレード。秋になって色が深くなってきたような気もします。