サルテリオ&カヌーン2013/02/11 18:45

風が強くて肌寒い一日。


クリムゾン・グローリーがゆっくりと開き始めました。




クロチルド・スーペール

寒い日は芝生も寒々しく見えます。




ザ・マッカートニー・ローズはよく開きます。




イエロー・シンプリシティは花が数少なくなってきました。




今日はオラビデのディープなライブ。気分はすっかりアラブ。

オラビデの歌はいいですねぇ。この日もサルテリオを弾き語りしていますが、オラビデの向かって右隣のアラブ人が弾いている楽器がカヌーンというアラブの楽器。
写真は2 

原理的には箏やサルテリオと全く同じで、指で爪弾く楽器。カヌーンのつけ爪の写真。しかし、何というフォルムでしょう。まるでティンパノンというかチェンバロというか、ヨーロッパの楽器みたいですね。

オラビデのライブをもう一つ。アルジェリアでの演奏みたいです。

このグループではヴァイオリンを膝に乗せて弾いている人がいたりして、いかにもアラビアって雰囲気。オラビデの右隣ではさっきと同じ人がカヌーンを引いています。下の方にSephardic Tradition & Gharnati from Moroccoとありますが、セファルディというのはもちろんイベリア半島に渡ったユダヤ人の末裔。1492年という年は、コロンブスが新大陸を発見した(あるいは、「辿り着いた」、「到着した」)年として有名ですが、それに先だってイベリア半島におけるイスラムの最後の拠点グラナダが陥落した年でもあります。イスラム勢力を一掃したことにより、西回り航路の開拓に費用をかけられるようになったという因果関係があります。

そんなことはどうでもいいんですが、イスラム教徒とともに、イベリア半島からユダヤ人も追放され、北アフリカ、南欧、そしてオランダなどに散っていきました。これがセファルディと呼ばれるユダヤ人の起源。ユダヤにはもう一派、東欧に渡ったアシュケナジというグループがあって、この2つが今でもユダヤの2大勢力と呼ばれているようです。人種とか民族っていう話になると、あまりにも曖昧なことが多すぎて、実り多い議論にはならないもんですから、背景説明はこのくらいにします。この曲はモロッコに渡ったセファルディの伝統音楽といったところでしょうか。北朝鮮と並んでユダヤ人は、国連でならず者とされています。確かにシオニストのイスラエルは世界の嫌われ者かもしれませんが、ディアスポラのユダヤ人は案外アラブ世界の中で違和感なく生きていたりするみたいですねぇ。