大野和士指揮の都響でメシアンの『トゥーランガリラ交響曲』 ― 2018/01/20 21:59
今日は今年初の音楽会。池袋の芸術劇場で都響を聴いてきました。出し物はメシアンのトゥーランガリラ、ホントに久々です。前に聴いたのはいつ頃だったか、このホールで指揮はラトルだったかな。渾身の名演だったとは思うんだけど、さほど印象に残っているわけじゃない。だから今回は特段の先入観無しに、かなり新鮮な気持ちで聴けました。
ピアノはヤン・ミヒールズという人。ベルギーの人らしい。オンドは毎度お馴染みの原田節。全部で10の楽章から成る超大作ですが、全体を統一するものはいくつかのテーマ(たとえばトロンボーンに出てくる「彫像」とか、すすり泣く弦による「愛」など)、いくつかのリズムパターン(ガムラン風だったり、「ナンタラ」リトミックだったり)などで、長大な曲に求心力をもたらす要素はあまりなくて、ちょっと散漫な印象を受けます。むしろ1つ1つの楽章は短いけど、その中での音響的な工夫の数々を追っていくほうが面白い。
最初ピアノはちょっと切れ味がイマイチだなあなんて思っていたんですが、次第に曲にのめり込んできて第4楽章「愛の歌」冒頭のカデンツァあたりから高音がスコーンと伸びるようになってきました。第5楽章あたりからは音楽自体がかなり変容して、四七抜き(いわゆる田舎節)音階で木魚に乗ってちょっと西部劇っぽいメロディーが疾走したり、調性が明確に現れてきます。原田のオンドの目まぐるしいグリッサンドも効果的。この楽章あたりからオケも気持ちが乗ってきたのか、実によく鳴ります。第8楽章「愛の展開」では巨大なクライマックスを築き上げました。この曲で言うメシアンの「愛」は、キリスト教的なアガペーじゃなくて、性愛・肉体の愛、エロースですね。性的な喜びの爆発・絶頂を巨大オーケストラで表現するとこうなるってことなんでしょう。第9楽章はとりわけ13人の打楽器が活躍し、複雑なリズムパターンの複合体から何かしら意味ありげなものが浮かび上がってくる。そして第10楽章、正真正銘のフィナーレ。ここでもう一度壮大な音の洪水がホールを満たし、凄まじい音量で聞く者を圧倒しました。
感動したとかいう音楽じゃないんですが、まあ高揚感を味わったとか、音量に圧倒されたとか、言ってみればそんなような音楽。もう最後は、ハリウッド映画の感動巨編のフィナーレって感じかな。うねるオーケストラ、10秒ごとに連打されるバス・ドラム、高らかな金管のファンファーレ、悲鳴を上げる弦楽器。そんなような雰囲気の音楽であり、演奏でした。結構気持ちよかったですよ。
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今日は最低気温4.8℃、最高気温10.2℃。気温は少し下がってきたんですが、明日までは天気が持ちそうです。明後日の月曜は雪が降るかもしれないとかなんとか、天気予報士がほざいております。
今日も薄曇りの空模様。
風がないんでまあ、ポカポカしていました。
真冬の花壇。ちょっと暖かいのでスミレの類いがよく咲いています。
ノースポールが中央のサルスベリの周りにたくさん芽を出しています。もうちょっと大きくなったら、花壇のあっちこっちに植え込んでやります。ノースポールとマリーゴールドは毎年芽を出してくれて重宝します。
ミニバラも残り少なくなってきました。
レディ・ヒリンドン
まだ蕾がたくさん
芳純
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