10/14 文楽@所沢ミューズ2023/10/15 16:10

昨日は文楽を見に所沢へ。出し物は昼の部が『義経千本桜』から「椎の木の段」と「すしやの段」。歌舞伎でもおなじみ、悪人いがみの権太の因果応報物語。心を入れ替え善をなそうとしたときには、すでに親に刺されて息も絶え絶えというお話。すしやの段の奥語りを務めた豊竹希太夫がホール一杯に響き渡る豊かな声で圧倒していました。権太の人形遣い桐竹勘十郎も相変わらず、人情の機微に秀でた人形操作でした。

夜の部は『桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)』。今で言えば十四の女子中学生が二回り年上の四十絡みのおっさんと一夜を共にして妊娠し、挙句の果てに心中するという、いかにもありそうな、いやなさそうなお話。男同士に置き換えればジャニタレ事務所で日常的に行われていたことかもしれませんが。舞台はほぼ京都の中心部。六角堂、三条通り、柳の馬場なんて地名が登場します。主人公の長右衛門もかなりの遊び人のようで、かつて心中事件を起こし、芸子だけを死なせた過去があります。相手のお半は長右衛門を兄と慕い、一途に思いを寄せております。長右衛門の妻お絹は、不思議なことに長右衛門を必死に庇おうとします。嫁は一家を守っていくもの、揉め事が大事に到らないように納めるのが嫁の務め。旦那がよそで浮気をしても悋気しないというのが、上方の商家の嫁に特有のメンタリティーだそうですねぇ。大旦那の繁斎、繁斎の後妻おとせ、その連れ子儀兵衛。店の中の複雑な人間関係も相まって、身動きがままならなくなった長右衛門に、桂川に身を投げるというお半の決意。こりゃもう「おいらも一緒に死ぬっきゃない」と追い込まれていきます。そして三条愛宕道。要するに嵐山の桂川のほとり。「ワオ〜ン」と野犬の遠吠え。今でも野良犬の集団がいるらしいですね。最後の「道行朧の桂川」では、川に飛び込んだり、切った張ったのシーンはないんですが、十分予想できる舞台でした。この部分だけ太夫が三人、三味線も三人という豪華な布陣。なかなか聞かせてくれました。


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今日は昼過ぎまで雨が降っていました。夜半から降り始めて雨量は36.5ミリ。かなりまとまった雨でした。写真は昨日の午前中に撮ったものです。

ヴィオリーナ


パレード


昨日の午前中は雲が多かったんですが、午後からは晴れ上がって暑いほどの日差しでした。


レディ・ヒリンドン




スペクトラ


サハラ


クリムゾン・グローリー






最後の桔梗の花です。


赤いパレードと白のマダム・アルフレッド・キャリエール。


芝生はまあまあ順調です。