新国立劇場 バレエ『眠れる森の美女』 ― 2014/11/12 16:06
今日は完全に天気の予想が外れて、雨が降りそうで降らない肌寒い一日。バラに薬を撒いてきました。バラの消毒はたぶん今年最後になるんじゃないかと思います。
香りのバラ、芳純
クロチルド・スーペール(粉粧楼)もいい香りがします。
コロコロした花がたくさん咲きます。
マリーゴールドとクロチルド・スーペール
北側の花壇
クラシックなバラ、クリムゾン・グローリー。これも香りのバラ。
左はレディ・ヒリンドンのスタンダード。
紅茶の香りがするティー・ローズという種類で、うちのはアール・グレイのミルク・ティーの香りです。
何となくオーロラ姫のイメージがします。モダン・ローズ第1号と言われている、ラ・フランス。明治の初期には日本に伝わってきて、西郷ドンが大枚をはたいて買おうとしたけど、果たせなかったという逸話があります。日本名「天地開」。これもエレガントで強い芳香をもつバラです。
フレグラント・アプリコット。その名の通り甘酸っぱい杏の香り。
秋の名残のナデシコ
ザ・マッカートニー・ローズ
ポール・マッカートニーの名前にちなんだバラ。これも強香です。
今年初めて咲かせてみました。マルコ・ポーロ。爽快でスパイシーな香りです。
紅白の花はストロベリー・アイス
オレンジ・マザーズデイ
パパメイアン。バラの王様です。香り、色、質感、どれをとっても一級品。
オールド・ブラッシュ
多分18世紀にカルカッタの東インド会社の商館を経由してイギリスに渡った、中国のバラです。
ホワイト・クリスマス。これも強香。
イエロー・シンプリシティ
昨日(11月11日)は二国で『眠れる森の美女』を見てきました。スタッフ&キャストはこちら。 新制作なんですが、今のところ舞台写真は上がっていません。
バレエファンなら上のキャスト一覧を見て、きっと興味が湧くんだと思いますが、門外漢にとっては何じゃこれっていう感じがします。華がないんですよね。ちなみに2005年は、オーロラ姫をザハロワが2日、王子はウヴァーロフとマトヴィエンコが2日ずつ。
1997年の公演では、
<配役>
[オーロラ姫] [デジレ王子]
24日(金) 森下洋子 清水哲太郎
25日(土) 吉田 都 熊川哲也
26日(日) 酒井はな 小嶋直也
28日(火) ディアナ・ヴィシニョーワ ファルフ・ルジマートフ
29日(水) 吉田 都 熊川哲也
こうなっていました。今年の配役のショボいことといったらありませんねぇ。ストーリーもかなりいい加減だし、音楽も『白鳥の湖』と比べると同じチャイコフスキーでも雲泥の差。『眠れる森の美女』って出し物は結局豪華なスターの踊りを見て楽しむものなんだけど、肝心の踊り子がこれじゃ面白いわけがない。でもなんかあるんじゃないかという淡い期待を抱いて出かけたんですが、そんな調子のいい話があるわけない。
演出、特に衣装がよくできていて、ソリストがコールの中に埋もれないように、色分けがされていました。いつだったか『白鳥の湖』でソリストが行方不明になった舞台がありましたけど、あれは周りもみんな白鳥だから衣装の色を変えるわけにも行かないんでしょうねぇ。
プロローグの命名式の場面が延々と35分。ここで25分の休憩。何の盛り上がりもなく休憩になっちまうってのは、いかがなものか。もうちょっと刈り込んで第1幕に続けてもらいたかった。『火の鳥』の衣装を緑に染めたようなカラボス。悪くはないけど、いや悪者なんだけど、イマイチ迫力がないねぇ。というか、カラボスはリラの精の前では無能だというパワー・バランスから、わざとああいった振りになっていたのかな。リラの精の瀬島五月という踊り子、なかなか威厳があってよかった。
1幕と2幕が続きになっていて、1幕のオーロラ姫、ローズ・アダージョは優雅に踊っていました。片足バランスをしながら、4人の婚約者に次々と手を取られるところは、手を離してから頭の上で両手で丸を描くようなポーズをしてから次の人に手を差し出すんじゃなかったっけ? ちょっと期待外れ。2幕で王子登場。ムンタギロフという踊り手、実際はどうか知らないけど、舞台上では小柄に見えて、迫力は感じないけど、一つ一つ丁寧に踊ってるなっていうのはわかりました。このあたりから睡魔が襲ってきて、パノラマのあたりでは『眠れる森のヲジサン』になっちまったよ。なんか舞台にパンチがないんだよねぇ。華がないんだわ。オーロラ姫にオーラがない。
3幕は婚礼のシーンだけ。この構成を見ても物語としては破綻しているのは明らかなんだけど、それを凌駕する美しさとか、華やかさとか、豪華さとか、見所を期待して来たんですが、私が悪かったよ、このメンバーに期待しちゃダメだねぇ。一番よかったのはパ・ド・シャ。
ピットに所狭しと並んだ16編成の巨大オーケストラは、なかなか豪勢に鳴らしていました。チェロのソロは一場をかっさらっていきましたが、あのヴィオロンは一体何だ。聞かせどころなんだから、もうちょっとさらってきたらいいのに。アントラクトを丸々カットしたのも頷けます。あの人じゃ弾けない。
そこでヴェルレーヌですよ
Chanson d'automne Paul Verlaine
Les sanglots longs
Des violons
De l'automne
Blessent mon coeur
D'une langueur
Monotone.
落葉 上田敏 『海潮音』
秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。
秋の歌 ポ-ル・ヴェルレーヌ(堀口大學訳)
秋風の
ヴィオロンの
節(ふし)ながき啜泣(すすりなき)
もの憂き哀しみに
わが魂を
痛ましむ。
秋の唄 ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)
秋のヴィオロンが
いつまでも
すすりあげてる
身のおきどころのない
さびしい僕には、
ひしひしこたえるよ。
(閑話休題)
あ、それから、ちょっとご覧くださいな、この料金。もう一度見たいって人はよほどご奇特なお方と存じます。あたしゃもう今回限り。来年はバレエのシーズン会員はないな。
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