エンリコ・オノフリ & チパンゴ・コンソート 「ヴェネツィア、霧の中の光」〜A. ヴィヴァルディ 四季、絶佳なる協奏曲〜 石橋メモリアルホール2014/11/17 17:08

今日はどんより曇って肌寒い一日でした。写真は2〜3日前のもの。

クリムゾン・グローリー

イエロー・シンプリシティ



芳純

ラ・フランス



ザ・マッカートニー・ローズ


レディ・ヒリンドン



オールド・ブラッシュ


オレンジ・マザーズデイ

柵の外まで張り出して咲いているマリーゴールド。そろそろお終いです。

つるバラ、パレード。


ヒコーキ

ストロベリー・アイス

ホワイト・クリスマス

つるバラ、スペクトラ。





昨日(11月16日)は上野の石橋メモリアルの掲題の演奏会に行ってきました。長いタイトルですが、要するにヴァイオリンのエンリコ・オノフリとチパンゴ・コンソートの競演で、ヴィヴァルディのコンチェルトばっかりたくさんやる演奏会でした。

石橋メモリアルホールのページに演奏者などが載っていますので、いつまで残っているかわかりませんがリンクしておきます

曲目は前半が
協奏曲集《調和の霊感》作品3より
“ L'estro Armonico ” Op.3-1,8,9
★協奏曲第1番ニ長調 RV.549(4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲)

★弦楽のためのシンフォニアロ短調RV.169《聖墓によせて》
“ Al Santo Sepolcro “

協奏曲集《調和の霊感》作品3より
★協奏曲第9番ニ長調 RV.230(ヴァイオリン協奏曲)
★協奏曲第8番イ短調 RV.522(2つのヴァイオリンのための協奏曲)

後半は
協奏曲集《和声と創意への試み》作品8より「四季」全曲
" Il Cimento dell'Armonia e dell'Inventione " Op.8-1,2,3,4 < Le quattro stagioni>
★協奏曲第1番ホ長調 RV.269《春》
★協奏曲第2番ト短調 RV.315《夏》
★協奏曲第3番ヘ長調 RV.293《秋》
★協奏曲第4番ヘ短調 RV.297《冬》


オノフリを聴くのは何度目でしょう。というか今年は6月に室内楽の演奏会を聴きました。今回はヴィヴァルディのコンチェルトばかりという曲目です。オノフリの音楽は奇をてらうことなく、フレージングがキッチリして、アクセントがきちんと打たれて、曖昧なところが少しもなくて、結果的に楷書の響き。名人芸に溺れて、曲の見通しが悪くなるような演奏に出会うこともある昨今、こういう端正な演奏は貴重かもしれません。

最初の4つのヴァイオリンとチェロの協奏曲なんてまさに、楷書の醍醐味。エコーの効果や、アクセントの置き方など、聞き手にビンビン伝わってきます。古楽の演奏家にしては、比較的フレーズを長めにとって、よく歌う演奏です。で、それが決してルーティーンに陥らない新鮮さを持って鳴り響くのはなぜだろう。アンサンブルのメンバー一人一人がオノフリの音楽に共感して、音楽の創造に参加しているからじゃないでしょうか。

2曲目の《聖墓によせて》ってのは初めて聴いた曲。通奏低音がない弦楽合奏だけの曲ですが、ピアニッシモのユニゾンから、次第に不気味な和音が積み上がっていき、柳の下から幽霊が出てくるような情景が描かれています。

それに続いて華やかなニ長調のコンチェルト。前の曲とのコントラストが絶妙ですね。それから有名なドッペルコンツェルト。溌剌として、時に情緒纏綿と歌い上げるオノフリのヴァイオリンに痺れました。セカンド・ヴァイオリンの杉田せつ子もいい味出していました。それと、チェロ3本にベース、テオルボ&ギター、チェンバロ、オルガンという充実した通奏低音に拍手。このくらいのバランスで低音が効いていると、とても充実した響きになります。

後半は「四季」。これも極めてオーソドックスな音楽なんだけど、テンポや強弱を自在に操って、聞き手を飽きさせない。常に新鮮なフレーズ、響き、アクセントを聴かせてくれました。オノフリのソロの部分では、元の音符が思い浮かばないほどデフォルメして弾いたりしていましたが、名人芸として面白いんだけど、音楽として、演奏として、聞き手にアピールする部分が弱くなっているような気がしてなりませんでした。