田舎のネコさん2011/06/01 22:07

山から下りてきて、そろそろ里が近づいてきたところ、あるいは山に向かってそろそろ人家が途絶えるあたりに現れたネコさん。打ち捨てられた古い車の上であたりを悠然と睥睨していました。

なかなかいい車だねぇ。家に帰ってきてから拡大してみたら、ウインドウにこんなパネルが

きみ〜、なかなか意識してるね。

いやあ、それほどでもないけど・・・照れるなぁ。

なんか、目やにが白いですニャー。目薬でもつけてるの?


おや、車から降りて来るみたい。

どっこいしょっ。

遊んでよ〜。

ねぇ。

ねぇ、ねぇ、遊んでおくれよぉ、ニャー (=^^=)


それでまあ、せっかくナット・キング・コールに戻ってきたんで、永遠のヒット曲。


なんか「ドレミの歌」みたいですけど、なんか小粋で、しゃれてますねぇ。彼が歌うと何でもスタンダードになってしまう感じ。

熱海のバラ園2011/06/02 16:07

先週末台風2号がやってきて、天気も大荒れになりましたが、その頃、雨にも負けず、風にも負けず伊豆のバラ園を2カ所見てきました。まず最初は熱海にあるやつ。これは旅館がやっているバラ園ですが、泊まり客じゃなくても入れます。宿屋の方はあまり泊まりたいとは思わない類の奴ですが、このバラ園はすごい! 入園料千円なり。入ると土産物屋がずらっと並んでいて、そこを通り抜けないとバラが見られないような所もありますけど、ここは全くそのような商売っ気はなし。庭は海に面した斜面に作られています。

門を入ったところからマイクロバスに乗って、崖の一番上まで連れていってもらいます。そこからブラブラ歩いて下ってくるという趣向。2台のマイクロバスが随時走っていて、疲れたら下りでも乗せてもらえます。でものんびり歩いて2時間足らずですから、たいした距離じゃありません。

一番上まで行ったら、そこには巨大な盆栽が (=^^=ゞ

気を取り直して、てっぺんから下っていくと、まずアンティーク・ローズとイングリッシュ・ローズがたくさん見られる一帯があります。と言ってもこれはカクテルのアーチですね。


よくわかんないけど、ここらへんからがイングリッシュっぽい?



このあたりはアンティーク(オールド)ローズ?


レンガや石の構築物がちょっとアルカイックな雰囲気を演出。


下草もなかなか凝っています。


とにかく広大な庭ですが、細部までよく手が入っています。


ちょっと廃墟風のレンガ積みの階段。咲き乱れる花の間を縫うようにして、小道が迷路のように枝分かれしたり、また出会ったりして、延々と下っていきます。

コニファーもなかなか充実していました。

つづく

新国立劇場 『コジ・ファン・トゥッテ』2011/06/03 13:55

昨日(6月2日)は二国でモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』の新演出を見てきました。コジは二国で2005年と06年に上演されていて、05年はエッティンガーの指揮でヴェロニク・ジャンスやベルント・ヴァイクルが歌い(%がついたURLってやつはどうも始末が悪い。http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2004%7E2005/cosi/cosi.html 興味がある方はこれをコピーして行ってみてください)、06年はツィトコーワ、中嶋彰子などが登場して大いに喝采を浴びていました。

客席が暗くなって有名な序曲が鳴り出します。重々しい短い序奏のあと軽快な主題が・・・何となく凡庸に聞こえてきます。ゴメス=マルティネスという指揮者、二国では『アンドレア・シェニエ』、『ドン・カルロ』なんかを振った人だそうですが、あまり印象にない。というか、音楽の作りに関しては全然記憶にない。1幕は何となくオケ全体がノリが悪いのかななんて思っていましたが、2幕になるとオケの音もなかなか引き締まってきました。特にこの曲の特徴である、管楽器のアンサンブルが尻上がりに調子を上げてきて、本当に「美しい」と思えるような瞬間さえありました。ただこれが指揮者の音作りによるものではなくて、東フィルの健闘によるものだっていうのがちょっと寂しい。もうちょっとモーツァルトに共感する人が振ったら、もっともっと楽しい舞台になったのにと思うと、かなり残念です。

歌手ではドラベッラのダニエラ・ピーニ、グリエルモのアドリアン・エレートがなかなか頑張っていましたが、フェルランドのグレゴリー・ウォーレンは喉が詰まったような声で、高音がいかにも苦しそう。フィオルディリージのマリア・ルイジア・ボルシという人は新演出の衣装で割を食ってしまって、ちょっとかわいそうでした。

今回の新演出は大胆な読み替えというわけではなく、ロケーションを夏のキャンプ場に設定して、いかにも若い恋人たちの間で起きそうな恋のドタバタで笑いを取ろうという趣向。目に見えるものと、耳から聞こえるものとのギャップも笑いのヨウ素。じゃなかった要素。たとえてみれば、こんな雰囲気。ドン・アルフォンソは本来の脚本では老哲学者として、いわば芝居のプロセニアムを形成する役割を担う人物ですが、今回はキャンプ場の経営者に転身。若い恋人たちと一緒になってドタバタに参加しちゃいます。これはデスピーナも同様。姉妹の女中だったはずが、キャンプ場の従業員という役になって、無理やり若い4人に絡もうとしますが、かなり強引な役作りで演技が平板。ドタバタのなかに埋もれてしまいました。スラップスティックな笑いを優先した演出で、そう割り切ってしまえばそれなりに楽しめるんですが、「女はみんなこうしたもの」というオリジナルの台詞が全然意味をなさなくなってしまい、大詰めでは2人の女性が逃げ出してしまって幕。いろんなエンディングを見ましたけど、これはちょっとねぇ。なんか落とし前をつけてもらいたいもんだ。それとも「哲学なき時代」という結論こそが演出のミキエレットが言いたかったこと?

熱海のバラ園 II2011/06/04 22:30

え〜と、おとといはコニファーの所まででした。
自然にこんな樹形になるんでしょうねぇ。じゃないとこの斜面で剪定は難しいぞ。

斜面の所々に廃墟のようなパーゴラがあって、つるバラが絡まっています。

これから下っていく先にはバラの谷とかいう名前が付いていました。

よく整備された道を下っていきます。普通の道は谷をトラバースする方向につけられているので、だらだらとした下りです。



ちょっと急なところは石段になっています。



写真を撮っているときにも感じたんですが、この斜面は東というよりもやや北向きです。あとでGoogleの地図を見てみたら、一番てっぺんの松の盆栽があったあたりは、やや南東向きの海にも開けていますが、下り始めてアンティーク・ローズが植わっていたあたりからは、ほぼ北東向きの斜面になっています。

下から斜面を見上げて空が写り込むと、曇っているのに景色より空の方が明るいんですよねぇ。何とも写真が撮りづらい場所です。晴れていれば、多分午前中は少し日が当たるのかもしれませんが、基本的には明るい日陰の谷です。

だらだら歩いてバラの谷にやってきました。

これは、アンジェラだったかな。あるいはラウプリッターだったかも。

みごとなアーチです。

アーチの下に水を流して、花筏も楽しめる風流な演出。

ここはウェディングガーデン。結婚式場です。白い花はアイスバーグ(アイスベルク)。
スワッグに絡めようとしているのもつるのアイスベルク。

つづく

熱海のバラ園 III2011/06/05 20:00

ここらへんのアイスバーグはかなり伸びていて、スワッグに絡んでボリュームがあります。

さてさてその先のつるバラの庭。ここはちょっとすごい!

赤と黄色の花って、普通は合わせないですよね。葉っぱも加えて、信号機。ちょっと中国か朝鮮風の色の趣味でしょうか。

趣味が違う、かなり違和感があるといっても、花が悪いわけじゃない。

立派に咲いています。






さて、バラはほぼここまで。ですが、このあとが圧巻。
テクテクテク

ここの庭で一番すごかったのがここから。ハーブガーデンと呼ばれていますが、要するにポタジェ(jardin potager)です。スープの野菜を栽培する庭というのが本義ですが、ここはフランス式というよりも、段差を利用したイタリア式庭園と言ったほうがいいのでしょう。とにかく壮観です。

イギリスにもキッチンガーデンだとか、あるいは19世紀の資本主義的な農業労働者、いわゆる小屋住み農民が家の周りで自家用野菜を作ったコテージガーデンといったちまちましたものがあったようですが、ここまで規模の大きな菜園はやはり大陸のものですねぇ。

ため息が出そうなくらい、壮麗な作りです。

正面から菜園を見下ろすアングルだと、視線の先に熱海の海が見えます。

噴水を囲む4つのボックスを縁取っているのはツゲでしょうか。でも一つおきに色の明るさが異なっているのはなぜ?