アド街ック天国2011/03/02 21:33

久々に雨が上がったので、決していい天気ではなかったんですが、屋上の芝生にALAと薄い液肥を散布。ついでに花壇の草花にも薄い液肥。ALAは西洋芝にはよく効くのがわかったので、芝生にとって条件が良くない真冬と真夏には十日置きぐらいにやっています。特に夏場は効果覿面です。


ところで「アド街ック天国」という番組があります。たまたま先週の土曜にテレビをつけたら、ちょうど次回の予告をやっているところでした。で、そこに行きつけの店のオーナーシェフと二代目が映っているではありませんかっ! こりゃやばい! 山手線の外側、私鉄でちょっと行ったところなんで、ミュシュランの調査員なんかは絶対にやってくるはずがないと高をくくっていたんですが、アド街ってのがあったんだ。今生の別れになっちゃ困ると思い、さっそく今晩食事に行って来ました。


昔、ホットペッパーだったか食べログだったか、その手の口コミのサイトに「ミシュランの星がつかなくてほっと安心。世紀の奇店」とかいう書き込みがあったんですが、まさにその通り。実に不思議な店。オープンキッチンといえば何となく新派に聞こえますが、店の一角がカウンター席になっていて、それに沿って作られた見た目4畳ぐらいの細長いキッチンから、信じられないほどの種類の料理が出てきます。最近はやりのプレフィックスなんてけちくさいことは言わずに、たいていの人はアラカルトで注文します。それもオードブルだけでも一人2種類とか3種類とか。定番のメニューのほかに、本日のオススメが15種類ぐらい別紙に書き出してあったりして、数年前に二代目が修行から帰ってきてからは、ますますレパートリーが増え続けています。


同じ私鉄沿線の別の駅の近く。ここにかつてよく通ったごく普通の居酒屋がありまして、最近久々に入ってみました。平日の夕方6時なのにほぼ満席。ここも1年半ほど前にアド街で取り上げられてから、金土日は予約してないと入れないこともあるんだとか。ホームページに予約のフォームまで用意している。一見ごくありふれた居酒屋でさえそうなっちゃうってことは、こんどあのレストランが取り上げられたら、一体どうなっちゃうんだろう。これでしばらくは行けなくなっちゃうんじゃなかろうか。毎回予約しないと入れないんじゃちょっと嫌だな。ああいう店はそっとしておいてほしいんですよねぇ。


フレンチ・コミック・カンタータ2011/03/04 14:03

昨日(3月3日)は津田ホールでドミニク・ヴィス&カフェ・ツィマーマンの演奏会を聞いてきました。カウンターテナーのヴィスはお馴染みですが、カフェ・ツィマーマンというアンサンブルは初来日でしょうか。“ひとりオペラ”と副題がつけられ、芸達者なヴィスの歌い回しがきらっと光るおフランスのユーモラスなカンタータを3曲と、幕間に器楽曲を配した構成でした。

幕開きに演奏されたミシェル・コレット(1707-1795)のコンチェルト・コミーク第24番「ユロンの行進」は、ロココ真っ盛り。あるいはちょいと古典派にも足を踏み入れたような音楽。その当時の聴衆にしてみれば流行歌の曲名当てクイズのような曲だったんだとか。フランス的な優雅さと古典の様式美とが、ちょっとグロテスクに融合したような音楽と言えるかもしれません。まあ、楽しきゃいいんですよ、この手の曲は。リーダーのパヴロ・ヴァレッティの隣で、ダヴィド・プランティエがさりげなくセカンド・ヴァイオリンを弾いています。チェンバロはセリーヌ・フリッシュ。

フィリップ・クルボワ(1705-1730)の「ドン・キホーテ」はかのセルバンテス物語を元にしたカンタータ。500円もするプログラムでは作曲家の生年が1705年となっていますが、その解説によるとこの曲は1710年に刊行されたんだとか。モーツァルトもびっくりするような早熟の天才! 原作ではロバに乗って登場するドン・キホーテですが、今回は小さな小さな(日本だと子供の三輪車のような大きさの)自転車に乗って颯爽と登場。鎧甲、剣に楯。まるでどこかの国立劇場で見たしょぼいワルキューレだ。ハンドルにはもちろんロシナンテの頭がついています。結構こぐのが大変そう。ドゥルシネア姫に恋い焦がれて、巨人(風車)と戦うラ・マンチャの騎士。最後には狂言回しのサンチョ・パンサが登場して、「旦那様もお姫様も馬鹿馬鹿しい限り、おいらは酒でも飲んでよう」なんてアリアを歌って大団円。ヴィスはステージ中を飛び回り、自転車で走り回って歌い演じます。

前半の最後はマレの「サント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘の音」。何というかこういう曲が演奏会で取り上げられるってことが、最近は滅多にないことです。古楽が日本にも伝わって来た頃には、しょっちゅう演奏されていた曲なんですが。うん、こういうカンタータの合間に演奏されると、なんか新鮮な感じさえ覚えます。この曲ではリーダーのヴァレッティはもちろん、フリーデリケ・ハイマンという女流のガンビストもなかなか小気味よい音楽をやっていました。後半の最初に演奏されたラモーのコンセール第5番も同じような感想です。いやあ、懐かしいですねぇ。フリッシュのチェンバロも優雅でしかも颯爽としていました。

ニコラ・ド・グランヴァル(1676-1753)のカンタータ「エフェソスの貴婦人」は、夫を亡くして後を追おうとする未亡人が、墓場で絞首刑の見張りをしている兵士と恋に落ちて…といった、ややグロテスクなドタバタ。未亡人、メイド、死んだ夫、兵士、そして何と語り手までヴィスが一人でこなします。この人、オペラでも女性の役をやることが多いせいか、さりげない仕草をよく観察しています。で、その研究成果をちょっと大げさに表現して笑いを誘っていました。それにしても、カウンターテナーの音域とバリトンの音域を行ったり来たりして、早変わりでこれだけの人物を演じわけるのは至難の業でしょう。

フルートが活躍するミシェル・コレットのコンチェルト・コミーク第5番「女は大いに面倒の種だ」に続いて、最後はピレール・ド・ラ・ガルド(1717-1792頃)のカンタータ「ラ・ソナート」。チマローザの宮廷楽士長なんかと同じ系統でしょうか。歌の入らない純粋な器楽のソナタを演奏しようとするマエストロ。ところがやっぱりおフランス。「オルフェウスやプシュケーの嘆きのように…幸せな羊飼いたちが…パストラル…私の高貴なサラバンド…出でよ、荒れ狂う嵐ども…」。およそソナタじゃありませんねぇ。ヴィスは体全体で音楽を表現するかのように大奮闘。指揮棒を投げ飛ばしたり、折ってしまったり…そのたびに指揮台の仕掛けから新しい指揮棒を取り出すんですが、それがだんだん太く長くなっていく。最後は麺棒のような巨大指揮棒を振り回します。

このグループは、少なくとも日本では切れ味さわやかなバッハの演奏で知られるようになったと思うんですが、フランスものはさすがに優雅にやりますねぇ。セリーヌ・フリッシュが弾くギタルラの貸し楽器も、こんなに豊かな響きがしたのは初めてです。ちょっと頭を客席に向けるように配置したせいでしょうか。

(追記:リュートとギターを弾いていたエリック・ベロックはアンサンブル・クレマン・ジャヌカンでも弾いていた人ですね。)

バラの新芽2011/03/06 15:34

このところちょっと寒いくらいの日が続いていましたが、今日は久々にポカポカ陽気。屋上で庭いじりをしていると汗ばむほどです。やっと紫のクロッカスが咲き始めました。
紫クロッカス

ヴィオラもだいぶ株が大きくなってきました。
ビオラ

ついこの間剪定したばかりのような気がしますが、バラの新芽がどんどんふくらんできました。


オールド・ブラッシュは去年の葉っぱをつけたまま、新芽を伸ばしています。

クロかあちゃんは縄張りをパトロール。
クロ

何か言いたいことがあるの?
クロ

このネコさんはいつまでもじ〜〜〜〜〜っと人を見つめているんだよねぇ。
クロ

ガレージの屋根の上には例の白猫が・・・
シロ

芝生は多少緑を取り戻してきたように思うんですが、どうでしょう?


本日のネコの額2011/03/09 21:14

ちょっと寒い冬でしたが、徐々に春の気配。クロッカスが見頃を迎えています。
クロッカス

クロッカス

南側の花壇もようやく開き始めました。
クロッカス

クロッカス

ハツユキカズラの黄色っぽくなっていた葉っぱに、心なしかちょっと緑が入ってきたような気がします。
ハツユキカズラ

もうちょっとで花が始まるのに、ツツジの葉が盛大に落葉しています。毎年のことですが、ツツジ、シャクナゲの類は、葉っぱを落としてさっぱりしたところで開花しますね。
ツツジの落ち葉

本日の庭の様子。芝生はまだ黄色っぽい感じですが、よ〜く見ると、新芽が出ています。
庭

いつもそうなんですが、ボーダーのレンガの近くから発芽が始まって、ちょっと暖かくなると、もう手がつけられないほど伸び出します。そろそろスパイク、目土、肥料、芝刈り機の研磨といったこまごまとした作業が始まります。
西洋芝

西洋芝

怖かったですねぇ2011/03/13 17:05

11日の2時46分でしたか、揺れ始めると同時にニャンコラーは「ウニャッ」と言ってどこかに姿を消しちゃいました。とってもシャイな連中なので、普段人目を避ける場合には書庫の中に入って、書棚の間を渡り歩いて気配を消します。今回は本が大量に落下したので、もしや下敷きになっていたら大変。というわけで、まず本を片付けたんですが、猫の姿はなくて、ほっと一息。その後2時間以上経っても姿を現さないので、ちょっと心配になって家中を探し回っちゃいました。クロかあちゃんはそのうち現れたんですが、トムピリさんは屋上に隠れて震えていました。



トムピリ:あまり個人的な感想を述べても仕方ないけど、地震の時は怖かったのよぉ〜

さてさて怖い話ばかりじゃ気も滅入るというもの。



今日東京はポカポカ陽気だったので、半袖で芝生の枯葉(サッチ)取り。金属の熊手でごりごり引っ掻くんですが、久々にたっぷり汗をかきました。


この作業をすると、かえって芝生が黄色っぽく見えて、しかもデコボコになるんですが、芝の根元にまで光が当たって、新芽が出やすくなるようです。