ロト指揮 読響の幻想交響曲2015/06/25 19:56

昨日は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。指揮はイエズス会を思い起こさせる名前のフランソワ=グザヴィエ・ロト。ピリオド楽器を使うオーケストラ「レ・シエクル」でお馴染みの人。まずベルリオーズの『ベンヴェヌート・チェッリーニ』という歌劇の序曲。オペラ自体は初演が大失敗で忘れ去られた作品だと思いますが、序曲はなかなか面白い。のっけからティンパニ奏者が3人登場して叩くこと叩くこと。まあ幻想交響曲の延長上にあるのかなって感じもしますが、多分3部形式でまとまりもある曲。

次に神尾真由子のヴァイオリンでサン=サーンスのコンチェルト第3番。緊張のせいか、出だしの骨太な主題でちょっと音が上ずった感じでしたが、すぐに調子を取り戻して明快な音楽を紡いでくれました。第2楽章の最後、ヴァイオリンのフラジオレットのアルペッジョとクラリネットが絡むあたり、天国的な美しさでした。華麗な第3楽章もみごとに弾ききって喝采を浴びていました。見通しのいい音楽をやる人ですね。そして緊張の持続力が尋常じゃない。神童と呼ばれていた頃の五嶋みどりをちょっと思い出しました。

後半はベルリオーズの幻想交響曲。こけおどしで、誇大妄想で、大言壮語で、スキゾで・・・余り好きな音楽じゃないんですが、ロトの指揮は一つ一つのエピソードを丹念に描き出していくという、明快なコンセプトを持っていたようです。フランスにロマン派は似合いませんけど、強いて言えばこのベルリオーズはロマン派ということなんでしょう。なんかモヤモヤとした煙たいような甘ったるいような、それでいてやけにけたたましい、そんな演奏に接することが多いんですが、ロトの音はすべてがクリアー。若き作曲家の妄想癖の根底にある古典的なものがあからさまに聞こえてきます。精神を病んで、分裂して、アヘンに溺れて、女を殺して、断頭台に引かれてゆき、魔女の饗宴の中に歓喜を見いだす。そして『怒りの日』の諧謔的な響き。こうした物語的要素を明快なサウンドで描き出すってのもなかなか面白いアイディアだと思いました。

レ・シエクルの演奏で『幻想交響曲』からワルツ。ものすごくクリアな響きです。

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今日も28℃ぐらいまで上がったのかな。結構暑い一日でした。最低気温も下がらなくなってきていますねぇ。だんだん嫌な季節になりつつあります。

バラの2番花がほぼ満開になってきました。

6月15日の記事で、ベーサル・シュートがピューッと伸びたパパメイアンです。レディ・ヒリンドンの茂みの中で花が開きました。

サハラ

パレード

白いのはマダム・アルフレッド・カリエール

レディ・ヒリンドン


ピンクはザ・マッカートニー・ローズ





アリスター・ステラ・グレイ

ドゥフトヴォルケ


フレグラント・アプリコット



クロチルド・スーペール(粉粧楼)



赤いクリムゾン・グローリーと奥はダリア。



シャルル・ドゴール

芳純