モンテヴェルディの『アリアンナの嘆き』2014/02/13 22:21

またまた朝は雪になるんだそうです。この前みたいに積もらなければいいんですが。

雪の日から5日目。かなり融けてきましたが、南側の芝生はまだちょこっと雪が残っています。


北西側はほぼ雪がなくなっています。(画面の右から正面奥)

芝生は1年のうちで最悪の時期ですが、少し緑が増えてきたようにも感じます。

南花壇も雪が消えました。中央はスノーフレークの葉っぱ。


レンガ沿いの芝生は、暖められて緑になるみたいです。


頑張ってます。

つるバラの新芽。

春はもうそこまでやって来ているんですが・・・


すみれの花が多くなってきました。








イタリア古典歌曲集に戻って、今日はモンテヴェルディの『アリアンナの嘆き』。失われたオペラ『アリアンナ』のアリア。「アリアドネの糸」を使ってテーセウスのミノタウロス退治を助け、テーセウスと手に手を取ってクレタ島を脱出したアリアドネですが、ナクソス島で一悶着。偽アポロドーロス、ホメーロス等々、さまざまな神話に登場する有名な話ですが、なぜテーセウスと別れたのかはいろんな説があってよくわからない。ともかく二人は別れてアリアドネはディオニューソスの妃になったとも、アルテミスの矢に倒れたとも言われ、諸説紛々。モンテヴェルディの失われた『アリアンナ』がいかなる運命だったのかは知るよしもありませんが、まあともかく別れを歌ったものです。詩はリヌッチーニ。

Lasciatemi morire!
E che volete
che mi conforte
in cosi dura sorte
in cosi gran martire?
Lasciatemi morire!

O Teseo, o Teseo mio, 
Si che ti vo' dir, che mio pur sei,
Benchè t'involi, ahi crudo, a gli occhi miei.
Volgiti, Teseo mio,
Volgiti, Teseo, o Dio.
Volgiti indietro a rimirar colei
Che lasciato ha per te la patria e il regno,
E in questa arena ancora,
Cibo di fere dispietate e crude,
Lascierà l'ossa ignude.
O Teseo, o Teseo mio,
Se tu sapessi, o Dio,
Se tu sapessi, ohimè! come s'affanna
La povera Arianna,
Forse, forse pentinto
Rivolgeresti ancor la prora al lito.
Ma, con l'aure serene
Tu te ne vai felice et io qui piango; 
A te prepara Atene 
Liete pompe superbe, et io rimango 
Cibo di fera in solitarie arene; 
Te l'uno e l'altro 
tuo vecchio parente 
Stringer'a lieto, et io 
Più non vedrovvi, o madre, o padre mio.

Dove, dove è la fede,
Che tanto mi giuravi?
Così ne l'alta sede
Tu mi ripon de gli avi?
Son queste le corone,
Onde m'adorni il crine?
Questi gli scettri sono, 
Queste le gemme e gli ori: 
Lasciarmi in abbandono 
A fera che mi stracci e mi divori? 
Ah Teseo, ah Teseo mio, 
Lascierai tu morire,
In van piangendo, in van gridando aita, 
La miesera Arianna
Che a te fidossi e ti diè gloria e vita?

Ahi, che non pur risponde.
Ahi, che più d'aspe è sordo a' miei lamenti.
O nembi, o turbi, o venti,
Sommergetelo voi dentr'a quell'onde. 
Correte, orchi e balene, 
E de le membra immonde. 
Empiete le voragini profonde. 
Che parlo, ahi, che vaneggio? 
Misera, ohimè, che chieggio? 
O Teseo, o Teseo mio, 
Non son, non son quell'io,
Non son quell'io che i fèri detti sciolse:
Parlò l'affanno mio, parlò il dolore;
Parlò la lingua sì, ma non già il core. 

私を死なせて下さい、
私を死なせて下さい。
どうやって自分を慰めればいいの。
なんというつらいさだめ(運命)でしょう。
こんなに苦しむ者がいるでしょうか?
私を死なせて下さい。

おお、テセオ、おお、私のテセオ、
そう、あなたは私のいとしい方。
でも残酷なあなたは私から逃げましたね。
私の方を向いて、私のテセオ、
私の方を向いて、テセオ、おお、神さま。
もう一度私の方を向いてこの女を見て、
あなたのために国と王位を捨てたのよ。
だのにこの浜辺に置き去りにされたのよ。
このままでは野蛮な獣の餌になって
骸骨となって曝さなければならないのよ。
おお、テセオ、おお、私のテセオ、
わかってらしてるのよ、おお、神さま。 
わかってらしてるのよ、ああ、哀れ! 苦しんでいる
哀れなアリアンナのことを。
もしかしてあなたは後悔しているかも、
船首を再びこの浜に向けてらっしゃるかも。
しかし、海は静かな微風しかないわ。
あなたは幸せいっぱいなのに、私は泣かなければならない。
アテネはあなたを待っているわ、
壮麗な出迎えで。でも私はここに残り、
寂しい浜辺で獣の餌となるのよ。 
お歳をめした両親や親族がにぎにぎしく
出迎えてあなたを喜ばしますわね。
それにひきかえこの私は
これからも決して母にも父にも会えることはないでしょう。

一体どこに信頼というものがあるのでしょうか?
あんなに強く私に誓ったのに。
それは気高い王座だったはずでしょ?
あなたがご先祖にかけて私に約束したのは。
それって王冠だったのでしょ?
私の頭髪に飾るはずの。
それは王しゃくだったはずでしょ?
宝石と金で飾られた。
私を置き去りにして行ってしまった。
あなたの不実が私を疲れさせ、落ち込ませたのでしょ?
ああ、テセオ、ああ、私のテセオ、
あなたは私を死なせたいの。
私は泣き、助けを叫び求めているのに。
哀れなアリアンナは
あなたを信じ、あなたに賛美と命をお捧げしたのに。

ああ、あの人は一度も答えてくれない。
ああ、私の嘆きに全く耳をかさない。
おお、黒雲よ、暴風雨よ、風よ。
波の中に苦しみを隠して下さい。
急いでおいで、人喰い鬼や海獣たちよ。
その汚れた両手足で、
私の空虚な心の穴を塞いでおくれ。
一体私はなんのたわごとを言ってるのだろう?
ああ、哀れな私は何を望んでいるの?
おお、テセオ、おお、私のテセオ、
こんなことを言うとは、私ではないわ。
こんなに荒々しい破滅のことばを吐くなんて、私でないわ。
とるにたらない苦しみ、痛みを愚痴ってるだけですの。
決して心が語っているのではなく、舌が勝手に動いてるのですわ。

まずヴェロニク・ジャンス。

次にフォン・オッター。