新国立劇場:バレエ『マノン』 ― 2012/06/27 23:04
昨日(26日)は二国でケネス・マクミラン振り付けの『マノン』を見てきました。舞台写真はこちら。ビデオクリップというかスライドショーのようなものがここにあります。スタッフ&キャストはここらへん。26日はマノンがサラ・ウェッブ、デ・グリューがコナー・ウォルシュ、ムッシュがマイレン・トレウバエフ。
そもそも原作はアベ・プレヴォーっていう坊主が書いた『マノン・レスコー』。出版は18世紀の前半なんですねぇ。フランス・ロマン主義の先駆けだとか何とか。ん? おフランスにロマン主義なんてものがあったのかいなと小一時間・・・その話は止めておいて・・・まあプログラムにも誰かが書いていたけど、確かに『椿姫』に似ているところがあるのかもしれない。
ストーリーは知らない人は検索してください。原作にある男から男へと渡り歩くマノンの枝葉のストーリーはかなり刈り込まれて、基本的にはムッシュG.M. とデ・グリューの物語が中心になっています。いやあ、見せてくれましたねぇ、マノンとデ・グリュー。特に目立つ容姿というわけじゃないけどデ・グリューのウォルシュってのがよかった。芝居が進むにつれて踊りの切れ味が増してきて、3幕あたりは凄味さえ感じられるほど。
マクミランの振り付けは昨年『ロメオとジュリエット』が上演されましたし、二国では『シンデレラ』もよく踊られています。この『マノン』は悲劇というか、まあ明るくはない物語ですけど、長尺の物語をうまくまとめて見せてくれます。視覚的な娯楽性も満点じゃないでしょうか。音楽はジュール・マスネ。マスネはオペラ『マノン』の作曲者として有名ですが、このマクミラン版のバレエには、オペラの音楽は使われていません。でも、歌心に満ちあふれたマスネの音楽は、バレエにしても美しすぎるくらい。舞台美術もなかなか見応えがありました。
先ほども書きましたが、4つあるマノンとデ・グリューのデュエットが出色の出来栄え。特に大詰めの沼地のパ・ド・ドゥは圧巻。『ロメオとジュリエット』やエイフマンの『アンナ・カレーニナ』を見たあとでは、リフトが凄いとかなんとか取り立てて言うほどのことではないかもしれません。でも極力重力を感じさせないように踊るクラシック・バレエとはちょっと違う、重さを逆手にとって見せつけるような振り付けは確かに面白い。極上のエンターテインメントだったと思います。
パリのオペラ座の古い映像がありました。イザベル・ゲランのマノン、マニュエル・ルグリのデ・グリュー。
* 第1幕 第2場
* 第3幕 第3場
スカラ座のマノン。シルヴィ・ギエムとマッシモ・ムッル。
* 第1幕 第2場
* 第3幕 第3場
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