新国立劇場、バレエ「アラジン」 ― 2011/05/07 16:03
雨が降ったり止んだり。雨の合間にネコサンズ登場。
できれば、足を濡らしたくないんですが・・・
えいやっ
トムピリさんと入れ替わりに、クロかあちゃん登場!
トムピリさん再登場。
ん?
あたい、誰にも見えないんだもんね。
昨日(5月6日)は二国でバレエ、ビントレーの『アラジン』を見てきました。3月のダイナミック・ダンスが中止になったので、バレエは1月のラ・バヤデール以来です。ラ・バヤデールはインドが舞台ですが、このアラジンも何とも言えないエキゾチックな舞台。「むかしむかし、あるところに・・・」っていう設定ですねぇ。実はアラジンの物語は、アリババと40人の盗賊と同じく、日本ではものすごく有名なわりに、『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』のアラビア語原典には入っていない物語なんだそうです。おそらく東洋文庫なんかを探さないと読めない、アラビアン・ナイト外伝というか外典というのかそういう物語らしい。で、今に伝わるフランス語訳、英語訳では舞台は中国。たとえばこんな感じ。
二国のバレエ監督ビントレーはそこらへんの事情を知った上で、あえて舞台に無国籍なオリエンタリズムを持ち込んだように思われます。中国風でもあり、アラビア風でもあり、ペルシャ風でもあり、インド風でもあって、どれか一つには当てはまらない舞台。つまり西洋人から見たエキゾチックな雰囲気がムンムンするような、きらびやかな装置やら衣装で楽しませてくれます。
確か初演は2008年の秋だったと思うんですが、その時は力が入りすぎていたのか、あらゆるものを詰め込みすぎて、第1幕を見ただけでお腹いっぱい。つまりちょっと冗長な印象を持ったんですが、今回はかなり大胆に刈り込んで、親しみやすい舞台になっていたと思います。特に第1幕の洞窟の場面で宝石たちが次々とダンスを披露する場面など、前回は「なんでこんなに長々とやるの」、「もうよい下がれ」って言いたくなるくらい盛りだくさんだったんですが、今回はみごとに引き締まった構成になっていました。
第2幕の入浴シーンから、結婚式の場面まで30分。これも美しい舞台。第3幕のマグリブ人のハーレムに拉致されるシーンなども見応えアリ。そして満天の星の下、砂漠の中の遺跡のようなところで繰り広げられるちょっとコミカルな脱出劇。ここはモロッコなんだそうです。と、ここでプリンセス小野絢子にアクシデント。滑ったのか、つまずいたのか、舞台の中央でたたらを踏んで「バタ〜ン」。これが尾を引いたのか後半の踊りが不安定になっちゃって、ちょっと残念。アラジンの八幡顕光は、全身からやんちゃ坊主って感じが滲み出て楽しそう。でもやっぱり(魔法使いの)マグリブ人を踊ったマイレン・トレウバエフの性格俳優ぶりはお見事。それにランプの精ジーンを踊った吉本泰久もすばらしい切れ味を見せてくれました。
第2幕のライオン・ダンス(獅子舞)の二人もコミカルで楽しかったですねぇ。第3幕のドラゴン・ダンス(蛇踊り)は今回大幅にカットされたのかなぁ。初演の時には盆ダンス風の群舞になって大いに盛り上がったような記憶があるんですが・・・今回はごく普通に横浜や長崎のお祭りでやっているような振りになってました。
ポール・マーフィー指揮の東フィルもゴージャスなサウンドを堪能させてくれました。
オペラと違ってバレエはほとんど舞台写真が更新されないので、こんなページで雰囲気がつかめるでしょうか。
キャストはこのページ。
ダイジェストの映像もありました。
最近のコメント