9・28 ヴァイグレ指揮の読響 ばらの騎士組曲他2024/09/28 21:30

今日は池袋で読響を聞いてきました。この先1年ほど改修工事に入るんだそうで、しばらくは都響も読響も聞けなくなります。

指揮はセバスティアン・ヴァイグレでまずウェーバーの『オベロン』序曲。序曲だけ有名でオペラ全曲はまず演奏されない作品。ウェーバーにありがちなホルン、クラリネットが活躍する軽快な曲ですが、出だしのホルンはやや緊張していたのかな。でも気持ちよく聞けました。次にエドガー・モローとうチェロ弾きが登場して、ブルッフの『コル・ニドライ』。ユダヤの民謡をアレンジしたもので、まずはユダヤ教の「贖罪の日」の聖歌「コル・ニドレ」、そしてバイロンの詩にメロディをつけた「ああ!バベルの流れの傍らで泣いた彼らのために涙せよ」がゆっくりと流れてきます。ブルッフってのは、音楽の展開がないんですよねぇ。ひたすらきれいに歌っておしまい。まあ10分ちょっとの穴埋め。次にコルンゴルトのチェロ協奏曲。ヴァイオリン協奏曲が有名で、その他はオペラ『死の都』がちょこっと有名かな。でもどちらも好感が持てる曲じゃない。チェロ協奏曲もハリウッド映画の音楽を取り入れた楽曲で、大オーケストラを伴奏にかなり地味なメロディーをチェロが奏でていくといった趣。打ち物もたくさん入ってまあ賑やかではあるんですが、取り立てて印象に残る音楽ではない。このチェロ弾き美しいメロディーを歌わせることには長けているけど、それ以上に音楽を突き詰めてはいないようだ

後半はコルンゴルトの「シュトラウシアーナ」。これはコルンゴルトの故郷ウィーンの作曲家、ヨハン・シュトラウス2世へのオマージュ。ピッツィカート・ポルカ、優雅なマズルカ、そして堂々としたワルツからなる6分ほどの小品ですが、ヴァイグレの指揮はウィーン情緒溢れるというよりは、思い入れたっぷりな歌いぶり。オケも思わずノリノリになっておりました。

そして最後にR.シュトラウスの「ばらの騎士」組曲。御存知「ばらの騎士」は4時間近くかかるオペラですが、至る所にワルツが使われていて、全編ワルツのオペラといってもいいほど。しかも20世紀の作品で、ステージ上に演奏者が溢れかえるほど。当然オケが大音響を響かせます。しかもヨハン・シュトラウスとは違って、ねちっこく、ねちっこく、ネバネバの音楽をやらかすわけです。オペラのピットではそこまで大編成にはできませんが、ステージの組曲なら思いっきりやれる。というわけで、実に爽快感あふれるゴージャスな響きでございました。