新国立劇場 バレエ『ホフマン物語』2015/11/01 21:18

昨日(10月30日)は二国で『ホフマン物語』のバレエ版を見てきました。スタッフ&キャスト、動画その他諸々はここ

あくまでもこれはバレエ版であって元のオペラの美しい音楽を期待していると、完膚無きまでに裏切られます。それでもプロローグでちょこっと「ブン大将」のアリアが聞こえてきたりして、ちょっとワクワクさせられたんですけど、結局音楽的には劇団四季あたりのミュージカル路線。かなり残念です。プログラムに青島広志が「やさしくわかる、オッフェンバックの作曲法」なる一文を寄せていますが、まるで的外れになってしまいました。幕が上がると学生達でむせかえる酒場じゃなくて、パリの街角、パン屋の前。広場の席でなぜかワインを飲んでいる。(ホフマンはやっぱりビールじゃなくちゃね、なんて無粋なことは言わないでおこう)。有名な「クラインザックの歌」がないなぁ。リンドルフの手紙の件は幕が上がる前の暗黙の了解ってことになっているみたいだ。そしてオペラとの一番の違いはニクラウスが登場しないこと。その存在さえ完全に消されているので、最後にミューズに変身することもなく、救いのないエンディングになります。

ローマではオランピアとスパランザーニは登場しますが、肝心のコッペリウスの存在が消されています。バレエのコッペリアとこのオランピア幕は、どちらもホフマンの『砂男』の翻案。コッペリウスが出てこない砂男ってどうよ。眼球のエピソードは完全に無視。昨日はソワレを見たんですが、オランピアの長田佳世って踊り子が何ともつまらない。オペラだとソプラノ歌手が超絶技巧の「小鳥の歌」を歌いながら人形の踊りをする仕草だけで抱腹絶倒の笑いが起きるシーンなんだけど、昨日は客席がシーンと静まりかえっていました。もうちょっとナントカしろよ。

ミュンヘンではアントーニアが踊り子という設定。それは別に構わないけど、なんでピアノを持ち出す? しかも流れる音楽がバイエルの出来損ないみたいな陳腐な代物。で、それに続いてコール・ド・バレエが始まってしまう。母親の亡霊はどこに行った? オペラでは亡霊の呼ぶ声に惹かれて、一人で歌って歌って歌って歌い死ぬわけですが、バレエだって同じことができるんじゃないの。なんで群舞に頼るんだ? 母親の亡霊が出てこないとドクター・ミラクルとの絡みがまるで意味不明になって、単なる藪医者かって感じになっちまうじゃないか。

ヴェネツィアでは踊りの都合なのか、舟歌がやけにのんびりとしたテンポで演奏され、しかも感動の押し売りのような変奏とコーダがくっついていて、何とも共感しづらい音楽。米沢唯という人がジュリエッタを踊っていましたが、どうも顔つきが幼くて、取って付けたような仕草もぎこちなく、ジュリエッタの妖艶な雰囲気がまるでない。この人、本当はお姫様役が似合っているんじゃないかな。

そして最初に述べたように全く救いがないエピローグ。単に無駄足だったってだけじゃなくて、気が滅入るような暗いバレエでした。その中で唯一、悪の4役をこなしたマイレン・トレウバエフが見所だったかな。オペラでもこれはおいしい役ですねぇ。

オペラからバレエに作り替えた作品ていくつかありますが、あまり成功したものは多くないような気がします。『マノン』はすばらしい。それからプティの『こうもり』もすごい。でも『椿姫』で、死の床にあるヴィオレッタの前でジェルモンが踊っちゃったりすると、思わず吹いてしまう。今回の『ホフマン』は逆にかなり暗い作品に仕上がっています。音楽がもうちょっとまともだったら、音楽の美しさだけで許せるところがあったのかもしれないけど・・・




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だんだん冬に近づいているみたい。今日は多少陽が出ましたが肌寒い一日でした。最高気温が17℃度ぐらい。まあ平年並みなのかもしれません。明日は雨になるという天気の予想なので、今日は芝刈り。1週間ぶりぐらいかな。







本来ならぐんぐん伸びる時期なんですが、今年の芝生はイマイチ伸びが遅い。まあ芝刈りの手間が少なくて済むのはありがたいんですが・・・

芝の密度もなかなか上がってこないので、刈り跡のストライプがきれいに出ませんねぇ。

芝刈り機で刈ってから、今日はバリカンでエッジを処理しました。




今年の夏は青息吐息だった西洋芝ですが、ここにきて色はかなり濃くなってきました。



シャルル・ドゴール

パパ・メイアンがやっと咲き始めました。

9月の長雨のおかげで黒星病にやられて、かなり葉っぱを落としちゃったので、今年は無理かなと思っていたんですが、ここに来て蕾も見られるようになってきました。


楽園


いい香りのバラです



ホワイト・クリスマスも黒星病にやられましたが、やっと咲き始めたところ。


コメント

_ dezire ― 2015/11/20 08:42

こんにちは。
私も新国立劇場のバレエ「ホフマン物語」を見てきましたので、興味を持って読ませていただきました。第2幕のアントニアが、幻影のバレエ場面で華やかに美しく踊演出は最高にすばらしかったですね。
私もバレエ「ホフマン物語」の感想を整理してみましたので、読んでいただけると嬉しいです。私の見方にご意見・ご感想などコメントをいただけると勉強になり、感謝致します。

_ デデ ― 2015/11/20 15:31

dezireさん初めまして。
バレエのホフマン物語きれいでしたね。

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