東京芸術劇場、アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮のフランクフルト放送交響楽団(hr-Sinfonieorchester)、アリス=紗良・オット(ピアノ)2015/11/20 14:35

昨日(11月19日)は池袋の芸術劇場でアンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮のフランクフルト放送交響楽団の演奏を聴いてきました。現在ではhr交響楽団(ハー・エル・ジンフォニーオルヒェスタ)と呼ぶのが一般的だと思うんですが、インバル時代の名残なのか、呼び屋の都合なのか、「フランクフルト放送交響楽団」という「昔の名前で」出ていました。(フランクフルト放送っていうものが今はないんだよね。確か?)

一曲目は『ルスランとリュドミラ』序曲。名曲コンサートの開幕にふさわしい一曲ですが、溌剌として気持ちのいいドライブ感。どんなに速くなっても弦が一糸乱れぬというか、全く透明な響きを失いません。管楽器もうまい。

2曲目はアリス=紗良・オットのピアノでチャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番。ちょうど一週間前にユジャ・ワンのソロで2番を聞いたばかり。図らずも続けて2曲聴く幸運に巡り会いました。アリス=紗良・オットのピアノは去年の秋に読響でベートーヴェンの1番を聞きましたが、骨太の輪郭がくっきりとした音楽をする人です。今回も手垢にまみれたチャイコフスキーを、今生まれたかのように新鮮な響きで聴かせてくれました。音楽の作り方の基本がしっかりしているんで、どこからか拾ってきたような「巨匠風」の演奏ではなくて、自分の意図する音楽がきちっと鳴っている。まるで呼吸をするかのように、自然な音楽が紡ぎ出されます。いろんな動機が現れては消えていく第2楽章のちょいとスキゾでとりとめのない音楽が、なんだかすごく整理されて聞こえてきます。第3楽章は迫力満点。あれだけオケが鳴らしていながら、美しいピアノの音色がオケの響きを突き破って聞こえてきました。アンコールはグリーグの叙情小曲集第10集から小妖精(パック)。サラッと弾いておりました。

アンドレス・オロスコ=エストラーダという指揮者もうまいですね。煽るようなことはしないんだけど、オケから自然な自発性をうまく引き出しています。後半に演奏されたブラームスの交響曲第1番は弦の響きがどこまでも澄んでいながら、重厚な演奏でした。冒頭の弦の重い響きがベタな音じゃなくて、一つ一つの音に表情があります。指揮者もうまいんだけど、やはり音楽に対するオケの自発性というか、受け身にならずに自ら表現しようとする姿勢がよく出ていた瞬間だと思います。第2楽章、第3楽章のオーボエ、クラリネットなど木管の美しさは鳥肌もの。第4楽章冒頭の重々しい響きから、弦の鬼ごっこをするかのようなピッツィカートのストリンジェンドそしてア・テンポ、あそこらへんはゾクゾクしましたねぇ。2度目のア・テンポの後、ベースとユニゾンでコントラファゴットがブルブルブルっとやるあたりの低音の魅力には痺れましたねぇ。あの響きを聞けば、この曲になぜコントラファゴットが入っているのかよくわかります。ゆったりとしたコラールがホルン、フルート、トロンボーンと受け継がれるあたり、よく言われるようにベートーヴェンの10番なんじゃないかって、そんな緻密な響きがしていました。第2楽章のコンマスのソロや4楽章のフルートのソロなど、現在の特にドイツの放送局のオケは本当に透明な響きを出しますねぇ。20世紀半ば頃のビブラートがビラビラにかかった演奏は、あれは一体何だったんだ。アンコールはスラブ舞曲の6番。テンポの揺らし方は思い入れたっぷりなんだけど、響きはとても現代的でした。



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今日はどんよりと曇って、肌寒い天気。午後になっても気温は14℃ぐらいでしょうか。写真は撮りためてあったものです。



レディ・ヒリンドン。紅茶の香り、うつむき加減に咲きます。


クリムゾン・グローリー

アンナプルナ

日当たりのいいところでは、まだバーベナが咲いています。

シャルル・ドゴール

果たしてうちのモミジは紅葉するんでしょうか。

インカ


ザ・マッカートニー・ローズ

マルコ・ポーロ

カワラナデシコは冬の間もポツポツ咲き続けます。

オレンジ・マザーズデイ

ホワイト・クリスマス


ストロベリー・アイス