ベートーヴェンのピアノコンチェルト2,3,4番、レイフ・オヴェ・アンスネス2015/05/16 11:38

昨日(5月15日)はオペラシティでアンスネスのピアノを聴いてきました。マーラー・チェンバー・オーケストラというオケを弾き振りして、ベートーヴェンのコンチェルト2,3,4。何でも3年計画でやってるプロジェクトの最後の年なんだそうだ。このオケ名前は聞いたことがあるような気がしますが、実演に接するのは初めて。おそらくいい奏者を集めているんだと思います。ハーディングが常任らしいけど、そういったうまい指揮者が振れば、きっといい演奏をするんじゃないでしょうか。この規模のオケだと去年来日したドイツ・カンマーフィルを思い出しちゃうんですが、あちらが奏者一人一人の音楽性が全面に出てくるのに対して、こちらはメンバーの表現意欲のようなものは抑えられていて、どちらかというと指揮者の力量次第といった雰囲気の音楽作り。アンスネスが指揮を兼ねているということで、きっとリハーサルの段階では彼が仕切っているんだと思うんですが、それにしちゃかなり平板な音楽。

アンスネスってピアノ弾き、10数年前、あるいは20年近く前かもしれないですが、初来日とその次の時あたりに聴いた覚えがあります。超絶技巧でグリーグのコンチェルトを弾きまくるっていう触れ込みでした。いや、その時はあまり感心しなかった。ピアノの音がやけに紋切り型でぶっきらぼうで、シューマンを弾いても暖かさとか、まろやかさとか・・・そういったものが一切なくて、やけに無機的なピアノを弾いていました。今回久しぶりに聴いてみて、多少変わってきたのかなぁっていう感じはしました。でも彼本来の持ち味である不器用に投げ捨てるような音楽がベートーヴェンには合っていたのかなって気もします。ただ、オケにも同じような音楽をさせているんで、かなり単調な響きがします。少なくともこのコンビに繊細な響きや陰影を求めることはできないみたい。

若々しい2番、最初のうち無機的な音楽がイマイチしっくりこなかったんですが、2楽章後半あたりからやけに美音を鳴らし始めて、オケもそれに釣られて優しい響きを作ろうとしているではありませんか。一瞬でしたが音楽をやってるなって感じがしました。第3楽章の弱拍にアクセントが乗る独特な「ジプシーロンド」風の主題。もっとメリハリがついたら楽しかったのに。そこらへんの愉悦感には到達していなかったかな。

第3番。これはもうデモーニシュな傑作。ロマン派はドイツの専売特許ですが、ベートーヴェンはまさにその世界に踏み込んでいきます。特に夢の世界をさまようかのような第2楽章、そして荒れ狂う第3楽章、アンスネスのピアノが冴え渡っていました。これがこの演奏会の白眉。

4番はロマンというよりはちょいとばかり古典に回帰した趣。この曲も第2楽章の扱いがなかなかよかった。バラードというのかエレジーとでも言ったらよいのか、悲痛な歌を切々と歌い上げるピアノ。オケは弦5部がユニゾンで否定の音型を繰り返す。まるで9番シンフォニーのチェロバスのような口調でピアノを責め立てます。ピアノは「そんなこと言ったってぇ」って感じの応答はせずに、ひたすら悲しみ訴えます。ここの指揮は完全にコンツェルトマイスタリンに任せっきりでしたが、これがなかなか無機的な全否定の響きがしてよろしかったですねぇ。

というわけで、いろいろあった演奏会でした。アンスネス+マーラー・チェンバー・オーケストラでベートーヴェンの3番コンチェルト。

そして語っています。

お得意のグリーグ。

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今日は曇りで時々小雨が降っています。写真は昨日撮影したものです。

蜂さんが花から花へ飛び回っていました。アップにするとピントが合っていないですねぇ、テヘッ





ドゥフトゴルト


シャルル・ドゴール


クリムゾン・グローリー

フレグラント・アプリコットと、真ん中に真っ白なホワイト・クリスマス

ラ・フランス

ラ・フランスとパパ・メイアン


何とか言うカラーリーフの花。

カワラナデシコ

園芸種のナデシコ

満開です。

マルコ・ポーロ

ニコル


インカ

プランセス・ド・モナコ

中央はストロベリー・アイス