残暑復活?2021/09/10 10:07

一昨日の気温23.5℃/16.5℃、昨日の気温23.1℃/18.3℃。昨日は昼間に雨もシトシト降って肌寒いくらいの気温でした。東京には低温注意報も出ているんだとか。一転今日は30℃近くまで気温が上がるんだそうだ。天気もこの先しばらくは落ち着きそう。


日は差していませんが、青空がちょこっと見えています。






百日紅の花がまだ残っています。




ニコル。朝9時で気温は26℃を超えています。


ドリフトローズ。ミニバラです。




カワラナデシコ


レディ・ヒリンドン。秋らしくしっかりした色合いになってきました。


キキョウの色が濃くなってきました。


花の形が四角形のと五角形のがあるみたい。




モミジの新芽




キーシン坊やの弾く、ショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。36歳ぐらいの映像です。

9/10 ヤルヴィ指揮のN響でバルトークの組曲『中国の不思議な役人』、管弦楽のための協奏曲2021/09/10 23:39

今日は池袋の芸術劇場でパーヴォ・ヤルヴィ指揮のN響の定期を聞いてきました。まずはDer wnderbare Mandarin。英語だとThe miraculous Mandarin。これを『不思議な役人』と日本語にしたのは一体誰だろう。なかなかうまい訳だと思います。Mandarinは現在ではmandarin orange=「みかん」の意味か、北京官話(中国語の北京方言=標準語)という意味ですが、歴史的には清朝(満州族)の高級役人、あるいは有り体に言えば「宦官」のこと。

もとはパントマイムのために作られた音楽。その後バレエ音楽に使われたり、オーケストラだけの組曲に編成し直したりしています。3人の悪漢がミミという名の女の子を連れてアジトにいます。金がないのでミミに通行人を誘惑させ、部屋に連れ込んで身ぐるみはいでやろうという魂胆。最初に引っかかったのは「金は重要ではない、愛が全て」という老紳士。しつこくミミを追い回すが、悪漢共に放り出される。次に引っかかったのが一文無しの少年。ミミは不憫に思って一緒にワルツを踊るが、悪党どもはカネがないやつは洋梨、いや用無しとばかりに放り出す。

ミミは最後に立派な身なりのMandarinを釣り上げる。彼は部屋に入ってきてじっと女を見つめる。ミミはためらいがちに踊り始めるが、次第に熱を帯びてきて、役人も性的興奮を覚えて震え始める。ここまでが組曲の部分。

その後悪党共が現れて役人の身につけている宝石や金品を奪い取り、ベッドの押し付けて殺そうとするが、役人はギラギラとした目付きでミミを見ている。ナイフで刺しても、辮髪を首に巻きつけてシャンデリアのフックから吊っても、役人の体は青く輝いている。ミミが「降ろしてやって」と頼むと、悪漢は役人の髪をナイフで切ってやる。役人は床に倒れるがすぐに起き上がって、ミミに抱きつく。少女と抱き合った役人は恍惚としたうめき声を上げ、やがて傷口から血が流れ出し苦しみ悶えながら死んでいく。

かなりエロティックでグロテスク、あるいは猟奇的と言ってもいいようなストーリーで、江戸川乱歩の小説を彷彿とさせるような物語です。役人が宦官だとすれば、男性としての性的機能を有しない男が女に目覚めてしまうという、二重の意味で不条理な話でもあります。

N響の演奏はというと、いまいち弾けないんですねぇ。端正な演奏に終始してそれ以上感情移入は絶対にしないぞって固く決心したような音楽。こういうある意味官能的な部分もある音楽は、ハチャメチャになるくらいの思い入れがあってもいいんだけど、ヤルヴィが仕掛けても頑として必要以上には反応しないオケって、かなりつまらないですねぇ。

2曲目は通称オケコン(管弦楽のための協奏曲)。これはこれでN響の管楽器セクションの名人芸が聞けてそれなりに盛り上がりました。だけど、何か決定的なもの、あるいは本質的なものが欠けてるんだよねぇ。このオケには。