ベルク『抒情組曲』、シェーンベルク『月に憑かれたピエロ』 @東京芸術劇場2018/12/05 13:09

昨日(12月4日)は池袋の芸術劇場で変なものを見てきました。ホントは音楽を聴きに行ったつもりだったんですが…

『月に憑かれたピエロ』の釣り文句にみごとに釣られてしまったようだ。 手渡されたプログラムには、演奏順も休憩の有無も書かれていない。ん、なんか変だ。この時点で何とも言い難い違和感を感じました。演奏はまるで緊張感のかけらもない、凡庸の極みといった『抒情組曲』のようなものが流れてくるんだが、これもなんか変だ。横で勅使河原って人がクネクネ踊ってるのはともかくとして、PAを通したダラ〜んと弛緩しきった音。『ピエロ』の方は楽器のみならず歌手もPAを使い、まるで新鮮味のないダレきった歌唱。いわゆるマニエリスムの極致をいくような演奏が繰り広げられました。おまけに踊り手がアルミ箔のシートをかぶったり脱いだり踏んづけたりする音がマイクに拾われて、ステージ上手側のスピーカーから絶えず「シャカ、シャカ」って音が鳴っていてものすごく不快。舞台監督やら音響やらのスタッフの名前もプログラムに載せてあるのに、奴ら一体何をやってるんだろう。何とも場違いな所に迷い込んじゃったみたいで参ったなぁ。もうちょっと音楽について、演奏について語りたかったんだが、これじゃねぇ。この手のゲテモノにはは気をつけよう。


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昨日は都心では最高気温が25℃まで上がったらしい。池袋で24℃ちょうどでした。今日は最低気温16.3℃。曇り空ながら朝からポカポカしています。

今日の写真は数日前の天気のいい日に撮ったものです。
アンジェラ

アンナプルナ

今年は紅葉はダメみたいです。

クリムゾン・グローリー


カワラナデシコ



ザ・マッカートニー・ローズ


オールド・ブラッシュ


サザンカ


寒椿





テレマンのトランペットとヴァイオリンのためのコンチェルトニ長調。またまたブレーメン・バロックオーケストラの演奏です。

コメント

_ おこちゃん ― 2018/12/05 22:07

デデさん、こんばんは(*^▽^*)
昨日はどこも暑かったようで、花も狂い咲きしそうですね。
でも盛岡は明日の最高気温が3℃の予報。いきなりの3℃。雪が降ってくるみたいです。
なのにデデさんのお庭はまだまだ花が咲いていて、綺麗ですね。
お恥ずかしいのですが、ささんかは大人になるまで知りませんでした。
「さざんか、さざんか咲いた道」と歌いながらも、さざんかって何だ?
と思っていて、咲いたというのだから花なのかなぁ、ぐらいの認識。
箪笥をかついていた演歌歌手が『さざんかの宿』という歌を歌っていましたが、その頃ザ・ベストテンでさざんかを初めてみたような…。
千葉に住んで初めてさざんかの生け垣を見て、ちょっと感動。
デデさんのさざんかを見ると、毎年この話をしているような気がします。
きっとこの季節はずっと続くと思います。
さて、私はクラシック音楽と並行に青春を謳歌したQのつくロックグループに、再び熱を上げていますが、今日のトランペットはまた長いこと。
くるくるにしないとこの長さ、ということなのでしょうか?

_ デデ ― 2018/12/06 15:33

中国でツバキのことを山茶(シャンチャ)、その花を山茶花と言うんだそうですが、その音だけ(サンサカ)を真似て日本で名付けちゃったらしいですね。しかもサンサカ→サザンカと読み間違えている。ちなみにラテン語の学名は camellia sasanqua で、直訳すればツバキサザンカ。英語でもsasanqua(サザンクヮ) と言います。日本で自生しているのは暖かい四国や九州だそうですから、北国の方には馴染みが少ないのかもしれませんね。

クラリネットっていう楽器の名称は、甲高いという意味のイタリア語 clarino(クラリーノ)とか clarion(クラリオン)という言葉から来ています。

clarionet→clarinet

クラリネットという楽器が発明される前は、クラリーノとかクラリオンはトランペットのことを指す場合がありました。特にバロック時代のトランペットの華やかな奏法をクラリーノ奏法なんて言います。この時代のトランペットはもちろんバルブやピストンは付いていない、長い管を1回か2回丸めただけの楽器です。長いままでも音は出るんですが、演奏にも持ち運びにも不便なんで巻いただけです。当時のラッパ吹きは、現代のトランペットとは全く異なる技術を持っていました。

https://youtu.be/RNiKx8yHp1w?t=541

このトランペットのような超高音を吹き鳴らす技術です。右手で穴を押さえて音を変えているように見えますが、実はこれは現代人の耳に合わせて音程を微調整しているだけで、基本的に唇だけで音の高さを決めています。この技術は現代のトランペット吹きには絶対にできない特殊な技術で、いったん廃れた後、20世紀の後半になって復活したものです。原理的には自然倍音列の非常に高い部分だけを使って演奏するという非常に難しい技術。

http://www.kotobukihikaru.com/__projects/onritsu/onritsu-18.pdf

倍音のページの最初に五線譜に自然倍音列を記したものが載っていますが、その10以降の音がほぼ半音階で並んでいるのがわかります。唇の緊張と息のスピードでこれらの音程をコントロールして出すわけです。現代の普通のトランペット奏者はこの技術を持っていないので、この曲を吹く場合にはピッコロ・トランペットという管の短い楽器を使います。

https://youtu.be/aDB5Bi18iW8?t=512

次の映像ではトランペットが10本ぐらい登場しますが、音の微調整を一切しないというポリシーを貫いて右手だけでラッパを支えて吹いています。よく聞くとかなり変な音が出ているのがわかりますが、これがヘンデルの当時の響きだったわけ。ちなみにホルンの響きもかなりすごい。これを初台のオペラシティという1600人ほどのホールでやった時は音が飽和して、翌日まで耳がジンジンしていました。

https://www.youtube.com/watch?v=gO4gjHu1XGA

バッハはトランペットのデーハーな曲をたくさん書いていますが、その中でも代表的な一曲。最初からラッパが活躍しますが、我慢して聴いていると最後は賑やかなアレルヤで締めくくられます(14分あたりから)。

https://www.youtube.com/watch?v=mM9lpVIC_JQ

ヘンデルも『メサイア』トランペットの有名な曲を書いています。「ラッパが鳴りて」死者が蘇り…

https://www.youtube.com/watch?v=CYTQ6gpcuYA

これも現代のオケでやるとピッコロ・トランペットを使います。

https://www.youtube.com/watch?v=LkBEEJi_igo

_ おこちゃん ― 2018/12/06 23:42

今日はちょっと遅いので、あとでゆっくりじっくり、我慢しながら14分とか聴きますが(笑)、それよりドレミファ~のプリントみたいなの、氏名のとなりの干支が気になる(笑) きっと楽しい先生なんだね。

_ デデ ― 2018/12/07 00:54

ホント。音楽学校のプリントみたいに見えるんですけど、干支ってのはなんか変だ。

_ おこちゃん ― 2018/12/11 23:09

デデさん、こんばんは。
ここ4日ほど、ベビーシッターの仕事してました。
自分のブログを更新するのが精いっぱい。
でも、今日はこちらにもどってきましたよ~♪
なんだろ、大学で音楽の講義を聞いているみたいな錯覚に。
面白かったです。
ちなみに、干支は亥。来年、あれです。あれ。
それにしても、楽器を丸めるの、最初に考えた人、すごいです。
私たちも長いホースは丸めてしまいますけどね。でもホースは軟らかい。楽器は硬い。
デデさんが紹介してくれた曲の中に、家のレコードで聞いたことがある曲がありました。動画が見れるっていいですね。
なんか楽しい。

_ デデ ― 2018/12/12 16:22

木製の楽器は何となく作り方がわかりますけど、金属の楽器は普通の人には、作り方がイメージできないですよね。そもそもピアノ線のような細い金属線をどうやって作るんでしょう? ラッパの朝顔はどうやって作るんだろう。

_ おこちゃん ― 2018/12/12 21:28

確かに…。

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