パレストリーナの『教皇マルチェロのミサ』2013/09/12 21:22

猛暑が戻ってきました。32.4℃。9月の12日ですよね。

アンジェラ





パレード









昨日はジャヌカンの『戦争ミサ』を取り上げました。シャンソンのメロディをミサ曲に転用する手法は、中世末からルネサンス期に大流行したようで、正統派の定旋律ミサを凌駕するほど作品の数も多いみたいです。ただしポリフォニーの一声部だけを転用した場合には、定旋律と区別するのが難しいということもあります。

パロディ・ミサの有名な実例としては、「武装した人」という俗謡に基づくミサが、ジョスカンやデュファイを始めとして30曲ぐらいはあるといわれています。



パロディ・ミサは16世紀半ばのトリエント公会議で禁止されるんですが、「無名のミサ」という題名だったり、また別の題名を僭称したりして、公然と作曲が続けられます。作曲家が仕掛けた曲名当てクイズといったところでしょうか。「何の曲かわかるかなぁ?」というわけです。実は保守派の大御所パレストリーナのこの曲も、教皇マルケルスを名乗っていますが「ロム・アルメ」のパロディだとも言われています。

歌っているのはプロ・カンティオーネ・アンティクァ。キングズ・シンガーズがポップスまで幅広く手がけているのに対して、プロカンはその名の通り中世からルネサンス専門のグループです。日本に古楽の声楽曲の美しさ楽しさを最初に伝えてくれたグループです。懐かしいですね。