1/28 樫本大進+エリック・ル・サージュ@所沢ミューズ2024/01/28 23:02

今日(1月28日)は所沢で樫本大進を聞いてきました。ピアノは前回からエリック・ル・サージュになっています。レ・ヴァン・フランセのピアニストをやっている人ですね。曲目はこちら

ブラムスの1番「雨の歌」はヴァイオリンがやや不安定なところも散見されましたが、樫本の美音が冴えておりました。F.A.E.ソナタイ短調はブラームスとシューマン、それにディートリヒという名のシューマンのお弟子さんの合作です。一昨年にもここでやったように思います。ブラームスが二十歳の時に四十三歳のシューマンの家を訪ねて、その際に作曲されたものだそうだ。そしてこの時にブラームスはクララと運命的な出会いがあったわけで、いろいろと意味深い関係が築かれて行くわけであります。このソナタを書いた直後にシューマンはすべての楽章を自作で揃えたソナタを作曲しております(第3番)。このF.A.E.ソナタは最近になってよく演奏されるようになりましたが、まだかなり珍しい演目。ロマンティックというよりは激情的あるいは熱情的な大きな起伏に富んだ曲調で、3人の合作であるにも関わらず、かなり統一の取れたソナタです。

クララの「3つのロマンス」はヴァイオリンの曲というよりは、ピアノのほうが活躍する曲でした。ヴァイオリンがとりとめのない旋律をひねり出している間に、ピアノが大忙しで動き回る、やっぱり当代一の大ピアニストの作品だな。

シューマンのソナタ第2番。叙情と情熱を兼ね備えた真にロマンティックで実に堂々とした曲です。転調の妙が際立つ第1楽章。軽快なスケルツォ。第3楽章のピツィカートの主題がしみじみと響いておりました。そして輝かしい第4楽章。清々しい演奏だったと思います。シューマンが自殺を図る3年前の円熟期の作品でございました。

アンコールはロマンチックが止まらない「幻想小曲集」。これが一番楽しめたかなぁ。

パスカル・モラゲスとエレーヌ・グリモーの演奏でシューマンの幻想小曲集。


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