4/23@所沢ミューズ ジョヴァンニ・ソッリマ無伴奏チェロ・コンサート2023/04/24 12:51

昨日は所沢でジョヴァンニ・ソッリマのチェロを聞いてきました。プログラムや動画はこちら

作曲家でチェロ奏者という肩書。作曲家としてはもちろんチェロのための作品が多いんだろうと思いますが、かなり民俗音楽にはまり込んでいるみたい。第1曲のコンチェルト・ロトンドはアラブ・トルコの音楽の旋法を用いて、哀愁漂う旋律美から狂乱の極致に至るまで、確かな技術に裏打ちされた高度な音楽を奏でていました。コルベッタのカプリス・ド・シャコンヌではエレキギターよろしく、タッピング奏法を駆使してなかなか面白い音楽を作っていました。バッハも一筋縄ではいかない、舞曲のリズム的な側面に新たな光をあててくれました。ラメンタチオはトルコの支配に苦しんだアルメニア人に対する追悼曲。前半の最後は賑やかな聖パウロのピッツィカ。猛烈なスピードのタランテッラ舞曲。呆気にとられるほどのうまさ。超絶技巧の極致。

後半は哀愁を帯びたシチリアのアルバニア系住民に伝わる、「美しきモレアよ」という民族色豊かな一曲。そしてッリマのお父さんも作曲家だったそうで、次に無伴奏チェロのためのソナタが演奏されました。なかなか技術的にも高度な曲ですが、様々な民族的背景を感じさせる音楽でした。デ・ルーヴォはバロック期の南イタリアの作曲家。とは言ってもソッリマにかかるとオリジナルの曲が自在に変化し、楽しい音楽になっていきます。時に聴衆にも手拍子を促したり、チェロを抱えて弾きながらステージ上を歩き回ったり、足で軽快なステップを踏んでみたり、やりたい放題のソッリマ劇場。最後はボッケリーニへのオマージュと題したファンダンゴ。ギター五重奏曲の有名なファンダンゴを自在にアレンジして、チェロの技巧の限界まで、いや限界を超えるかと思われるほど、自由な音楽を聞かせてくれました。なかなか興味深い演奏会でした。


ロルフ・リルヴァンのギターとかルミーナ四重奏団でボッケリーニのファンダンゴ。