ジャン・ロンドー チェンバロ・リサイタル2019/11/04 16:03

昨日〔3日)は上野の文化会館小ホールでジャン・ロンドのチェンバロを聞いてきました。大ホールの方はどっかのオケがF子さんの伴奏をやるコンサートで、年配のおばさま方がわんさか押しかけておりました。クリスチャン・ヤルヴィってのはパーヴォ・ヤルヴィの弟だっけ? 指揮者も大変ですニャー。

さてさて小ホールの方も満員札止め。前半の曲目はプレリュードイ短調、新クラヴサン組曲からの抜粋でアルマンド、クーラント、サラバンド、3つの手、ガヴォットとドゥーブル。ここまでで40分ほど。最初のプレリュードの弾き始めから18世紀フランスにワープ。ラモーの繊細な音のテクスチャーをみごとに解きほぐして聞かせてくれます。前奏曲は時間を自由に操って、聞き手の耳を我が物にしたかのような説得力。舞曲の一つ一つがあたかも目の前で踊られているかのように、鮮やかに蘇ります。3つの手の典雅な響きに続いて演奏されたガヴォットは、大迫力でグイグイ押してくる演奏とは正反対の、あくまでも優しく優雅な響きがしていました。

後半はまずフランソワ=クープランのクラヴサン奏法からプレリュード第1番。クラヴサン曲集第1巻第3オルドルから暗闇(アルマンド)、陰鬱(サラバンド)、お気に入り(2つのシャコンヌ)。どちらかというと憂いを帯びた優雅なメロディーが耳に心地よく響きます。でも後半の最後にロワイエのクラヴサン曲集第1巻から敏感、そしてスキタイ人の行進。スキタイ人は爛熟したフランス音楽の中でとりわけ異彩を放つ1曲だと思っていましたが、ごく自然に響いてすっきり歴史の中に収まってくる、納得の演奏でした。

アンコールにはラモーの『未開人』などが演奏されましたが、最後にそっといたわるように弾き始めたのがバッハの『ゴルトベルク変奏曲』のアリア。だけど、優しく弾くだけじゃない、とんでもなく豊かな発想や響きの工夫がなされていて、心から楽しめる演奏でした。

レオンハルト、コープマン、フランスだとボーモンとかアンタイとか、ああいった人達とはまったく世代が異なる演奏家がどんどん出現していますね。マハン・エスファハニなんて人もそうだ。ひょっとすると生まれたときにはピアノじゃなくてチェンバロが一番身近にあったって人もいそうだ。古楽発見の時代は終わりを告げて、息をするようにチェンバロを演奏する人々の時代になりつつあるのかもしれない。

ロワイエの『スキタイ人の行進』


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今日はピーカンながら気温はあまり上がらず、最高気温は20℃ほど。真夜中に夕立がありました。雨量は15ミリほど。このところよく降ってくれるんで植物はさぞかしお喜びのことと存じます。




何だか夏の雲みたいです。



芳純






パレード


クロティルド・スーペール〔粉粧楼)


パパメイアン







ヴィオリーナ




レディ・ヒリンドン


ザ・マッカートニー・ローズ




ホワイト・クリスマス


イエロー・シンプリシティ