クルレンツィス指揮ムジカエテルナ+コパチンスカヤ @文化村 ― 2019/02/11 11:04
昨日(2月10日)は文化村でムジカエテルナを聞いてきました。録音ではかなり衝撃的な音楽をやっている団体ですが初来日。チケットは確か去年の6月頃売り出しで、ほぼ「瞬殺」で売り切れていました。まあ楽しみにして聞きに来たお客さんも多かったんだと思います。当日は若干立ち見席(8千円!)も出たようです。
前半はコパチンスカヤのソロでチャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルト。オケの前奏から表情豊かな音楽が始まります。クルレンツィスは弱音・強音関係なく、やたらと動き回って音楽を表現しようとします。繊細な弱音も大きな仕草でダイナミックに「見せよう」とします。ヴァイオリンもオケに負けず劣らず表現の限りを尽くそうとします。ほとんど聞こえるか聞こえないかの最弱音をみごとにコントロールして聴衆の耳目を集中させます。音が小さくなればなるほど聞き手の集中が研ぎ澄まされます。最近の言葉で言うとインナー・デュナーミクということでしょうか。弱音の方向にダイナミクスが拡張されることによって、フォルテの音がより効果的に響きます。第2楽章の歌も一筋縄には流れない。テンポを大胆に揺らし、いや揺らすと言うよりも大胆に動かし、一音一音の意味を噛みしめるように弾いていきます。瞬間瞬間に没入する演奏。日本人の感覚とは多分正反対の行き方。日本では「歌うように」という音楽の流れを強調しますが、この日の演奏は「歌う」というよりは、一つ一つの音を噛みしめながら「語る」ようなあるいはオケとヴァイオリンが「対話」するような音楽でした。第3楽章のコーダ。音楽が盛り上がってくると、コパチンスカヤはコンサートマスターの方を向いて挑みかかるように弓を激しく動かし、オケのヴァイオリンもソリストに負けじと押し返す。聞いていて、見ていて、なかなかユニークな演奏でした。
アンコールはオケのメンバーも参加して3曲。
後半はチャイコフスキーの「悲愴」。耳にたこができるような曲ですが、最近CDを出したばかりで初来日のオケの意気込みを感じさせる選曲でもあります。これも一筋縄ではいかない一癖も二癖もある演奏。管楽器の本数は普通ですが、弦楽器を大幅に増員して、1st は20人近くいたかな。印象的だったのはチェロが13人。ベースが9本。これだけいるとさぞかし大迫力な音が聞こえてくるかと思いきや、さほどのことはない。かつてのレニングラード・フィルのようにロシアの大地を揺るがすような凄まじい響きが聞こえてくるわけではない。この曲でもインナー・デュナーミクを駆使してダイナミック・レンジを広げる手法で演奏していました。第1楽章展開部直前、クラリネットが甘い音色で第2主題を一くさり、そこにティンパニの強打一閃。あのシーンのクラリネットの聞こえるか聞こえないかの弱音は面白かったなぁ。ホントは聞こえていないんじゃないかと思うんですが、聴衆はみんなあそこで聞こえる音を知っているから、ほとんど聞こえないように弱音を強調して「聞いた気にさせ」ていましたねぇ。第1楽章は面白さ満載だったんですが、どういうわけか第2楽章、5拍子のワルツあたりからネタが切れたのかなぁ。驚くような響きは影を潜めて、演奏の荒さが目立ってきます。悲愴の第2楽章に抱く優雅な響きは聞かれず。かと言ってそれを補って余りある「何か」があるわけでもなし。第3楽章のマーチ。確かに迫力はあったけど、日本のオケの方がうまいかな。第4楽章冒頭のチェロバスの歌はもっともっと鳴らしてもいいんじゃないかと思ったんですが、人数の割には拍子抜け。でも「歌う」というよりは「語る」音楽を目指している方向性はここでも明らかで、それを徹底するだけのアイディアに欠けていたのかな。いずれにせよ、発展途上のオケだと思う。これからもっとうまくなる余地があるかどうかはよくわかりませんが。今度は古楽器でバロックオペラをやって欲しいな。
久方ぶりの渋谷というわけで、帰りがけにマークシティの中のレストランで食事をしました。田舎者みたいだけど、いやあびっくりしたなぁ。ホテル最上階(25階)のレストランで、通された席が足下までガラス張り。(出かけるときにカメラは持って出ないんで、写真はネット上から拾ってきたものです。実際は夜景でした。)
ほぼ真下にスクランブル交差点が見えました。
ゴチャゴチャしたこの交差点を渡るのは嫌なので、普通はしぶちかに潜って、109のところで地上に出るんですが、こうやって上から見ると、渋谷ってホントにゴミゴミ・チマチマとした町ですねぇ。
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昨日の最低気温-0.1℃。最高気温7℃。快晴でしたがちょっと寒かった。今日はどんよりと曇っていて、最高気温も予報では4℃に届かないそうだ。
一昨日は朝方雪がちょっと降りましたが、そのあと夜にもちょっと降ったらしい。どちらも雨量としては0ミリということです。昨日の朝の写真。
屋上には雪が残っていました。
近所の家も、人が住んでいるところはほぼ溶けています。
空き家はなかなか雪が溶けない。
日が当たり始めると芝生の雪はすぐに溶けました。
何となく「春の兆し」とか題名を付けたくなります。
レディ・ヒリンドンはまだまだ咲いています。
花壇の日当たりがいい所は何となく暖かそう。
クロッカスはもうちょっとで開花なんですが、ここからが長そう。
日当たりが悪いところはこんな様子。
奥の方は日当たりが悪いのかなぁ???
お手軽ズームのtele端でもこのくらいは写るんだ。機体番号は読めませんが、ANAの787でしょうか。
こちらはJALみたい。
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