The Last Rose of Summer ― 2014/09/22 20:45
最高気温27℃。ちょっと暑い。でも湿度が低かったみたいで、ちょっと爽やかさが感じられる一日でした。
奥のコニファーの右にちょっと咲いているのがオールド・ブラッシュ(夏の名残のバラ)です。
オレンジ・マザーズデイ
レディ・ヒリンドン
マツバボタンとマリーゴールド
百日草、白いのはクロチルド・スーペール。
ダリア
アンジェラ
チャイナ・ドール
クロチルド・スーペール(粉粧楼)
スペクトラ
オールド・ブラッシュ(夏の名残のバラ)
“The Last Rose of Summer” はフロトウの作曲ではありません。フロトウは借りてきただけ。オリジナルの詩はアイルランドのトマス・ムーア(1779-1852)という詩人の作。トマス・モアじゃなくてムーアです。トマス・モアのほうはヘンリー8世の側近で、『ユートピア』を書いて首をちょん切られた人ですね。トマス・ムーアは何でもアイルランドの国民的詩人なんだとか。作曲者は蒸気機関車とも、『宝島』とも関係ない、ジョン・スティーヴンソン(1761-1833)という人。
ちなみに日本語の『庭の千草』の歌詞を書いたのは里見義(ただし)という人(1824-1886)。オリジナルの作詞家・作曲家と同時代を生きた人です。この曲は1884年発行の『小学唱歌集 第三編』所収。
庭の千草も 虫の音(ね)も
枯れて さびしく なりにけり
ああ 白菊 ああ 白菊
ひとり 遅れて 咲きにけり
露にたわむや 菊の花
霜に おごるや 菊の花
ああ あわれあわれ ああ 白菊
人の操(みさお)も かくてこそ
まあまあ、わからないことはない歌詞です。もう一つ、有名どころでは『埴生の宿』がこの人の作詞。
埴生(はにふ/はにゅう)の宿も 我が宿 玉の装ひ 羨(うらや)まじ
長閑也(のどかなり)や 春の空 花はあるじ 鳥は友
おゝ 我が宿よ たのしとも たのもしや
書(ふみ)読む窓も 我が窓 瑠璃(るり)の床も 羨まじ
清らなりや 秋の夜半(よは/よわ) 月はあるじ むしは友
おゝ 我が窓よ たのしとも たのもしや
これになると現代の言葉とはかなり違いますねぇ。1889年発行の『中等唱歌集』に入っています。今となってはかなり奇妙な言葉遣い、格調高い作詞技法というのかな。明治と言うよりもほぼ江戸時代を生きた人の品格なんでしょうかねぇ。
長々とつまらないことを書いてしまった。てヘッ。それでは英語の歌。そう、これでも一応英語で歌っているんです。リタ・シュトライヒ。
ルネ・フレミング
The Last Rose of Summerの歌詞を記しておきましょう。友達とか、家族とか、まあそういった人々が次々とこの世を去ってしまい、ただ一人残された老人の寂寥感をたった一輪残った夏の名残のバラに託して表現したんでしょうねぇ。たぶん。すごく寂しい歌詞。でも裏返して考えれば、友情や家族の愛というものがかくも貴重なものであったのかと歌い上げていると解釈できなくもない・・・
'Tis the last rose of Summer,
Left blooming alone;
All her lovely companions
Are faded and gone;
No flower of her kindred,
No rosebud is nigh,
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh!
I'll not leave thee, thou lone one,
To pine on the stem;
Since the lovely are sleeping,
Go sleep thou with them.
Thus kindly I scatter
Thy leaves o'er the bed
Where thy mates of the garden
Lie scentless and dead.
So soon may I follow,
When friendships decay,
And from Love's shining circle
The gems drop away!
When true hearts lie withered,
And fond ones are flown,
Oh! who world inhabit
This bleak world alone?

























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