新国立劇場 『カルメン』 ― 2014/01/30 13:47
今日はまさに春の陽気。お昼頃で15.7℃。どんよりと曇って日差しはないんですが、屋上はポカポカしていました。
フレグラント・アプリコット
紅茶の香りのレディ・ヒリンドン
ぬくぬく
ストロベリー・アイス
うぬっ
マダム・アルフレッド・カリエール、これも香りのバラ。まだ小さなつぼみがいくつかあるんですが、開く前に春の枝が伸び始めそうです。
このプロダクションでの上演は3回目です。今回は歌手がよく揃っていました。いつもカルメンはなかなかいい歌手が登場していたように思うんですが、今回のケモクリーゼも舞台映えのする容姿や所作で、妖艶な色香を振りまいておりました。歌の方は、第1幕では緊張していたのか、ビブラートが強く掛かって音程が上ずっていくのがかなり気に掛かりましたが、第2幕からは落ち着いてきたみたいで、みごとなカルメン。
ドン・ホセはこのところずんぐりむっくりで、コロコロとした体型のどちらかというとドン・スーモのようなホセがよく出演していましたが、今回のリベロは見た目合格。歌は花丸でございます。無関心から熱愛、そして狂気。ミカエラを通して思う故郷の母親。これらの感情の機微を立派な声で表現していました。
いままで二国のエスカミーリョにはホントに残念な歌ばかり聴かせてもらってきましたが、今回は立派。ウリアノフよかったですよ。やや太めながら、ギリギリ合格の体型。まあいいでしょう。声と演技は文句なし。ミカエラの浜田も第3幕のアリアでは満場の喝采を浴びておりました。
東京交響楽団はどうなのかなぁ、最初ものすごくバランスが悪い上に、アインザッツが合わなかったりといった事故が多くて、「今日の東フィル変だぞ」って思ったんですが、東響だったんですねぇ。オケの責任と言うよりは指揮者の問題だったのかなぁ。とにかく第1幕は、合唱の入りが遅れたりして、指揮者が全体を掌握できていないんじゃないかと思わせるようなことが数多く起こっていました。第2幕以降はさほど目立った事故はなかったかな。
今回の上演は主要4役に加えて、スニガやメルセデスなど脇の歌手たちも立派に役をこなしていて、本当に歌を堪能できました。歌がいいと指揮はお飾りでもいいという、典型的な上演だったのかもしれません。
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