読響、ベートーヴェン 交響曲第3番<英雄> R.シュトラウス 交響詩<英雄の生涯>2014/02/28 15:11

昨夜来の雨も朝方には上がって、今日は春の陽気。17℃超えです。屋上にいると汗ばむくらい。午後からはちょっと風が出て、雲も掛かってきました。


芝生はまだ全体に黄色っぽいですが、よく見ると緑の新芽が伸び始めています。

パーゴラのつるバラは新芽がふくらんできました。

名残のクリムゾン・グローリー

ストロベリー・アイス

北側花壇では黄色のクロッカスが満開。





スミレはまだ小さな株でたっぷり間隔を開けて植えてありますが、4月頃になると地面が見えなくなるくらいの大株になります。



午後になってちょっと雲が湧いてきたんですが・・・









昨日(2月27日)は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。指揮は新進気鋭の山田和樹。名前は何となく聞いたことがあるような気がしますが、実演を聞くのは初めて。前半がベートーヴェンの3番。後半が「英雄の生涯」というまあ超重量級のプログラムが並びました。

前半にエロイカっていうのもちょっと珍しいですよね。この指揮者、オリジナル楽器の演奏なんてまるで関心無いって感じで、ちょっと古めかしい巨匠風の演奏をします。エロイカも弦が16編成。ベースが8本ですから、ものすごく重い音がします。葬送行進曲ではこれがなかなか効いていました。「ズルル・ルン」という前打音が非常に重々しくて効果的。一方で管楽器は通常の2管なんで、弦の重さに対して管のソロがちょっと埋もれてしまう感じ。フルートもオーボエもきれいに吹いているんですが、ここら辺のバランスが残念。

第3楽章のホルンはみごとでした。いやあ本物のトリオを聴いた気がします。そしてフィナーレのダイナミックで華麗な変奏もすばらしかった。全体に弦が重くて、ピアノとフォルテのグラデーションというのか、あるいはダイナミックレンジというのか、それがかなり狭くなってしまって、すぐにかーっと頭に血が上るような演奏に聞こえました。もう少し弱音の方向に幅が広くなると、音楽の深みも出てくるんじゃないかな。

後半はシュトラウスの「英雄の生涯」。これはもう巨大オーケストラを目一杯鳴らして、爽快な演奏でした。ちょうど1週間前に二階の前の方でオペラを見たんですが、その時の音と比べて、やはりサイドの方がトータルなバランスは遙かに上です。どうしても中央は音圧が低くなって、直接音が中心に聞こえてきて、バランスがどうも良くない。サイドだと直接音と壁からの跳ね返りの音がうまくブレンドされて、まろやかでしかも大きな響きになります。

まず弦が英雄のテーマを歌い始めるとホントに音が伸びやかで心地よい。「英雄の敵」のユーモラスな木管の響きもいいですね。そしてこの日のヴァイオリンは日下紗矢子。良かったです。本当に。艶があってしなやかで、そしてちょっと小難しい対位法的な部分も説得力のある演奏でした。咆哮するブラス、耳をつんざくパーカッション。カラフルな木管。そして大らかに歌い上げる弦。大オーケストラを堪能した一晩でした。山田の指揮は奇をてらうこと無く、全体をうまくまとめ上げていたんじゃないでしょうか。少なくともベートーヴェンよりはシュトラウスのほうが面白かったかな。