4/6 マチェイ・スクシェチュコフスキ チェンバロ・リサイタル@所沢ミューズ2024/04/07 16:00

昨日(4月6日)はまたまたスクシェチュコフスキを聞きに所沢まで出かけました。この日はバッハばかりのプログラム。まず冒頭からフランス風序曲ロ短調。序曲とは言っても長大なフランス様式の序曲に続いて、7種類のフランス起源のダンスミュージックが連なるり、演奏には30分以上かか超大作。確かにフランス起源のアルマンドは入っていないんだなと再認識。序曲の付点リズムをしっかりと刻みながらも、自在なスケールが心地よく響きます。フーガの部分は実に鮮やか。クーラントのヘミオラがビシッと決まり、ガヴォットの1と2では上下の鍵盤の音色の対比が面白い。この日の楽器はカルスベークのミートケ・モデル。ケネディの楽器とは異なり実によく響く楽器、上下鍵盤の対比も心地よく味わえました。パスピエ、ブーレなども上下の対比が面白い。が、何と言ってもその集大成はエヒョ(エコー)。イタリア協奏曲と並んで、2段鍵盤のエコー効果のために作曲された曲。鮮やかでしたねぇ。

青葉台のときには1時間余り、狂ったように弾き続けていたマチェイ君ですが、この日は流石にフランス風序曲のあと一礼して袖へ。前半は平均律第1巻の4番、14番、19番を演奏。フーガだけではなく、前奏曲もしっかりと対位法的なアプローチを聞かせてくれて、面白い演奏でした。

後半はまずフランス組曲第2番ハ短調。アルマンドの歌い出しから対位法がよく聞こえてきます。クーラント、サラバンドと弾き進んでその後に、エアという賑やかな楽章。短いメヌエットを挟んでフランス風のジーグ。この曲もたった2声部ですが精緻な対位法の綾が鮮やか。スクシェチュコフスキという人は、バッハも決して弾き崩すことがなく、見事にその様式美を音にしてくれます。

後半は更に平均律から2曲。15番は急速な24/16拍子のプレリュードに続いて、6/8拍子のフーガ。最後に3重トリルのような音型が出てくるんですが、鮮烈と言ってもいいほど鮮やかに弾き倒しておりました。16番はぷるティータ第1番のプレリュードを思い起こさせるような穏やかな前奏曲に続いて、半音階的なフーガ。バッハは数学じゃないんだよ、音楽なんだよって強烈に主張する響きがしました。音楽的な愉悦がなければ、いかに厳格に弾いても聞き手には伝わってきませんね。

この日の最後はイギリス組曲第5番ホ短調。長大なプレリュードに始まり、アルマンド、クーラント、サラバンドと定型の舞曲が並び、フランス起源の軽快なパスピエが挿入され、最後にジーグ。バッハの様式感が音楽的表現と結びついて、このままいつまでも聞き続けたい、そんな稀有な一時を体験できて、本当に幸運でした。

平均律第1巻14番

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今日は2時過ぎに23℃まで上がりました。昨日は所沢まで出かけたんですが、ちょっぴり肌寒い感じがしました。デパ地下で弁当を買って、演奏会の前に花見をしようという算段でしたが最高気温は15.7℃。




航空公園という施設になっています。かつて米軍の通信基地があった広大な公園です。現在では東京航空交通管制部というのが置かれていて、東北地方南部から中国地方までの航空管制にあたっています。写真は国産初のターボプロップ機YS-11。


たんぽぽ


ネコヤナギ




土曜日で大勢の花見の客がいました。








いろんな種類の桜が植わっているみたい。






日本で最初にヒコーキが飛んだ滑走路。子供がボールを蹴っています。










倒れた桜から作られたフクロウ(?)


なかなかいいセンス。所沢の駅で見つけた宣伝パンフレット。

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