そうだ京都、行こう 15 宝厳院2019/12/06 14:28

再び天龍寺に戻ってから庫裏の前を左折して宝厳院(ほうごんいん)に向かいます。


豆腐料理の店の前あたりに羅漢さんがたくさん勢揃いしています。何の謂われがあるのかよく知りません。(ちょっと検索したらこんなページがありました。)

宝厳院の小さな門をくぐると、そこはもうこの世のものとは思えない世界。



中央の真っ赤っかの葉っぱはドウダンツツジです。


巨大なドウダンツツジ。




苔の庭の上に散り紅葉が鮮やか。



風情ある枝折り戸の奥には茶店がありました。


何ともゆかしい茶室です。まだ朝の9時をちょと回ったところですが、御抹茶とお菓子を頂くことに。



宝厳院の庭は「獅子吼の庭」と呼ばれています。由来はこちら




モミジもいい色ですが、苔がふっかふかでした。








千早ぶる神代も聞かず竜田川

からくれなゐに水くくるとは

長屋の住人から「先生」と慕われるご隠居。馴染みの八五郎がやって来て在原業平の上の歌の意味を聞かれます。以下ご隠居の解説。人気の大関「竜田川」が吉原に遊びに行ったんだが、千早という芸者に振られてしまう。妹分の神代にも言い寄るが相手にされない。この一件の後、すっかり気落ちして成績が振るわなくなった竜田川は相撲を廃業して実家に帰って家業の豆腐屋を継ぐ。数年後「おからをください」とやって来た女乞食。よくよく見るとすっかり落ちぶれた千早太夫じゃありませんか。竜田川は千早を突き飛ばし足蹴にする。井戸のそばに倒れ込んだ千早は、「こうなったのも自分のせい」と井戸に飛び込んで果ててしまう(からくれないに、みずくぐる)。でハッツァン、最後の「とは」ってぇのはなんだい?と尋ねると、ご隠居曰く「千早は源氏名、本名は とは(とわ)」だったと苦し紛れに答えましたとさ。


まさに唐紅です。


これは古井戸のようですねぇ。











それほど大きな庭ではないんですが、みごとな紅葉でした。


出口の外にもモミジのトンネルが続いています。入り口はこの写真の右側だったんですが、帰りはまっすぐモミジの下を歩いて行くようになっています。



後ろ髪を引かれる思いで宝厳院を後にしました。

この日は嵯峨野の奥の愛宕(おたぎ)念仏寺から鳥居本、化野念仏寺、祇王寺、二尊院、宝筐院、常寂光寺あたりを見て回る予定だったんですが、雨脚がちょっと強くなってきたので、一度嵐山の駅のカフェに避難。1時間ほど天気の様子を見ていたんですが、どうも止みそうにないので、そのままホテルに帰ってきました。朝早く出たんで昼前にはホテルに帰着。午後は昼寝をしていました。

井上道義指揮の読響でマーラーの3番2019/12/06 21:45

今日(12月6日)は池袋の芸術劇場で読響を聞いてきました。指揮は井上ミッキー、曲目は超大曲のマーラー3番。100人を超えるオケと、数十人の合唱団がステージ一杯に陣取っています。井上はこういうデーハーな曲が好きですねぇ。悪いとは言わないけど。

第1楽章の行進曲はイマイチノリが悪いのかななんて思いながら聞いていましたが、いわゆる「バッコスの行列」というあたりからアッケラカンとした、ブラバンの音楽が始まり、そのどこか楽しげな緩い開放感がいかにもマーラーらしい。以下の楽章も同様で、浅草オペラ風のジンタや、O du liber Augustinのメロディーの断片が現れては消えていく。第4楽章になってアルトが登場し、夜の歌を歌い出します。そして「全ての喜びは永遠を求める、深い永遠を」とニーチェのフレーバーを振りまきます。第5楽章は少年合唱団の「ビム・バム」というオノマトペに乗って、女声合唱団が「子供の不思議な角笛」から「3人の天使は歌う」を歌い始め、それに重ねてアルトが十戒を破ったペトロ(いわゆるペトロの否認のことらしい?)がイエスの前で泣く場面を歌い上げます。

そして第6楽章。全体を締めくくる長大なアダージョ。マーラーの田園交響曲なんて言われることもありますが、ベートーヴェンから一歩も二歩も進んで、作曲者の主観的・感情的な自然認識を聞き手にぶつけてきます。でもどんなに粘る部分であっても井上の指揮は重くならない。むしろ軽やかで、透明な響きが美しい。なかなか結構なマーラーでございました。

そうだ京都、行こう 16 青蓮院、祇園白川2019/12/06 23:05

皮肉なことに京都最終日はドピーカン。悪いことはできないもんです。


青蓮院(しょうれんいん)は国宝の青不動を所有する門跡寺院です。現在青不動は、青蓮院の飛び地である将軍塚の青龍殿(せいりゅうでん)で展観されています。こだわるわけじゃありませんが、俗に三大不動なんて数え上げて、青蓮院の青不動、高野山の赤不動、三井寺の黄不動などとも言われます。密教系寺院では大日如来の化身ということなんだそうだ。

青蓮院は有名な知恩院のすぐ隣なんですが、豪壮な知恩院に比べて遙かに小さいけど奥ゆかしい雰囲気のお寺。実は数日前に昼食を食べた粟田山荘に隣接しています。



日差しがあまりにも強くて、ちょっと写真を撮りづらい。









光と影のコントラストが強烈です。

気持ちのいい庭園。





青蓮院の中にも、塀の外にも巨大な楠が何本も植わっています。門前には2本の大楠があったんですが、この木の右側にあった楠が枯れかけていてかなり下の方で切られ、痛々しい姿をさらしていました。ご住職がSOSを出しています


青蓮院の真ん前にちょっとレトロで洒落たカフェがあります。パビリオンコートという建物の中にあるヤマナカカフェ。大正時代から続く外国人向けの古美術商だったそうですが、現在では建物を結婚式場やカフェにしています。なかなか居心地のいい所です。季節のケーキもおいしい。

青蓮院から出てきてヤマナカカフェで一息入れようと思っていたんですが、神宮道を北から小さなバスがやって来て、目の前で停まって入り口を開いて待っているではありませんか。周りを見回しても乗りそうな人はいないので、まさに私を目指して扉を開けているんじゃないかって感じがして、どこに行くバスかも確認せず、そのまま飛び乗ってしまいました。普通よりもかなり小型のバスで、観光客用というよりは地域の人が普段使いに乗るバスらしい。結局知恩院の古門をくぐり抜け、東大路通りを北に向かい、三条通を左折して三条大橋を渡り、河原町通りを南下して四条通を左折、祇園四条の駅前で降りました。全部乗る必要もなかったんですが、図らずも京都の中心部をぐるっと一周した感じです。


東京に帰る前に祇園で降りて、白川沿いをちょっと散歩。


花見小路の方に比べれば観光客もちょっと少なめです。


辰巳大明神。この近辺では毎週のように殺人事件が起こったりします。テレビの中の話ですが・・・

巽橋。祇園町南側はちょっと・・・という方でも、このあたりは気軽に飲んだり食ったりできる割烹や居酒屋が結構あります。


祇園新橋通り。


祇園の桜の葉っぱ



おしまい