11.29ツィメルマン ピアノ・リサイタル@所沢ミューズ ― 2025/11/30 11:01
昨日は所沢でクリスチャン・ツィメルマンを聞いてきました。曲目は前半に
シューベルト:4つの即興曲 Op.90 D899
ドビュッシー:アラベスク第1番
ドビュッシー;月の光
後半はプレリュード&Co(前奏曲とその仲間たち)と題した雑多な曲。
1. スタトコフスキ:前奏曲Op.37-1/J.S.バッハ:前奏曲第1番BWV 846R.
Statkowski: Prelude Op. 37-1 J.S. Bach: Prelude No. 1 BWV 846 (WTK I)
2.スクリャービン:前奏曲 Op.11-2
A. Scriabin: Prelude Op. 11-2
3. ショパン:前奏曲Op.28-15「雨だれ」
F. Chopin: Prelude Op. 28-15 "Raindrop"
4.ショパン:前奏曲 Op.28-16
F. Chopin: Prelude Op. 28-16
5.ラフマニノフ:前奏曲 Op. 23-4
S. Rachmaninov: Prelude Op. 23-4
6. フランク:前奏曲(前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18より)
C. Franck: Prelude (from Prelude, Fugue & Variations Op.18)
7.ドビュッシー:ミンストレル(前奏曲第1集12番)
C. Debussy: Minstrels (Prelude1-12)
8. ショパン:前奏曲 Op.28-4
Chopin: Prelude Op. 28-4
9.ドビュッシー:パックの踊り(前奏曲第1集11番)
C. Debussy: La danse de Puck (Prelude1-11)
10.J.S. バッハ:前奏曲 第2番BWV847(平均律クラヴィーア曲集 第1巻より)
J.S. Bach: Prelude No.2 BWV 847 (WTK I)
11.ショパン:前奏曲 Op. 28-7
F. Chopin: Prelude Op. 28-7
12.スクリャービン:前奏曲 Op. 11-8
A. Scriabin: Prelude Op. 11-8
13. ドビュッシー:亜麻色の髪のおとめ(前奏曲第1集8番)
C. Debussy: La fille aux cheveux de lin (Prelude 1-8)
14.ガーシュウィン:前奏曲 第3番
G. Gershwin: Prelude No. 3
15.J.3.バッハ:プレリューディウム BWV 825(6つのパルティータ第1番より)
J.S. Bach: Preludium BWV 825 (from 6 Partiten No. 1)
16.フォーレ:前奏曲 Op.103-3
G. Faure: Prelude Op. 103-3
17. ショパン:前奏曲 Op.28-11
F. Chopin: Prelude in B major Op.28-11
18.ラフマニノフ:前奏曲 Op.32-12
S. Rachmaninov: Prelude in G-sharp minor Op.32-12
19.カブースチン:前奏曲 Op.53-9
N. Kapustin: Prelude Op. 53-9
20. ラフマニノフ:前奏曲 Op.3-2「鐘」
S. Rachmaninov: Prelude Op. 3-2
(携帯写真のOCR機能で文字起こししたので、ひょっとしたらスペルミスがあるかもしれません)
ツィメルマンというと、ショパンコンクールの優勝から今年で50年経つんですねぇ。コンクール優勝から10年ぐらいして、サントリーで一度リサイタルを聞いたんですが、氷のように冷たい音楽でした。もっともそれには理由があって、つまりポリーニのように正確無比に弾きまくるのがあの当時の風潮だったと思います。とにかく阿修羅のように、一体手が何本あるんだって感じで呆気にとられるほど上手いんだけど、味も素っ気もない音楽をやっていました。それが来年は70の大台になるんだそうで、がらっと変わった様子。所沢ミューズは10回目のコンサートだそうですが、もっと早くから聞いておけばよかった。もうまるで別人のような変貌ぶり。シューベルト最晩年の4曲を一音一音を慈しむように弾き進んでいきます。1番の枯れた単旋律のメロディーでも表情豊かに奏でていきます。かと思うと2番のきらびやかな走句は正確無比。しかもあるべきところにアクセントが付いて、一点一画もおろそかにしない。3番のモヤモヤっとした分散和音の中からリスト風のメロディーが立ち上がってくる雄大な音のテクスチャも見事。4番の短調と長調の間の揺らぎも面白かった。
前半にドビュッシー:アラベスク第1番とドビュッシー;月の光が演奏されたんですが、これも単に美しく弾くわけではなく、よく練られたドビュシーの音の喜びを余す所なく表現していたと思います。で、取ってつけたような2曲は、結果的にはアンコールの先取りだったんでしょう。
後半は上にOCRでテキスト化した曲目がズラッとな。まあ大体長くて10分、短ければショパンのOp.28-7(龍角散のCM)のように1分もかからない曲まで様々。トータルして1時間ちょっとの演奏時間だったでしょうか。おそらくほとんど前後の脈絡なしに並んでいるんでいます。でも例えば「雨だれ」の後のOp.28-16のような並び順の妙とも言える部分もあるし、またバッハのハ短調プレリュードを豪快に弾いた直後に「龍角散」をもってくる動と静の対比の面白さもあります。13番のドビュッシーから14番のガーシュウィンそしてバッハのパルティータ第1番のプレリュードなんて並びもなかなかだ。最近結構演奏されるようになった、カプースチンのちょっとジャジーなプレリュードの後、大トリにラフマニノフの「鐘」の前奏曲をもってきて締めにするあたりも心憎いね。今回のコンサート・ツアーでは63曲を用意していて、会場ごとに弾く曲も変えているらしい。本人曰くというか、ケンプもリヒテルも言っていたそうだが、レコードというメディアが出現して、「全曲演奏」なるものが流行りだしたんだそうだ。ショパンのスケルツォもバラードも生涯に渡って書き綴られたものなのに、なんでまとめて演奏する必要があるのかっていうことだそうだ。全曲演奏ではない一部分演奏の面白さってのが、よく分かる一夜でございました。1時間に渡って多種多様な音楽を弾いた後、アンコールは無理だよな。ってわけで、前半の最後にアンコールをやっちまったと、受け取ったのでございます。
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今日は結構寒い。現在11℃ぐらい。天気はピーカンです。
イエロー・シンプリシティ
オレンジ・マザーズデイ
ナデシコ
ホワイト・クリスマス
ラ・フランス
モミジが汚らしく紅葉しています。






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