2/8 都響@東京芸術劇場2026/02/09 13:20

いわゆる水商売の世界では俗に二八(ニッパチ)なんて言葉があって、売上が落ちる月ということになっています。クラシックの業界がまさにその典型。今月は都響が2回あるだけで、ほんとに暇。おまけに昨日は雪が降って気温が-5.5℃まで下がるという最悪のコンディションで、果たしてお客さんが来るのかちょっと心配でしたが、実際に公演が少ないために、かえってお客さんが集中するって現象が見られました。2000人ほど入るホールがほぼ満員。

指揮者はベン・グラスバーグというイギリス人。まずはメラニー・ボニス(1858-1937)という人の『クレオパトラの夢』という作品。フランス人の女流作曲家だそうで、現代音楽風なところはあまり感じられない、どちらかというと後期ロマン派の爛熟した音楽を志向していた人みたいです。とりとめのないまさに「夢」の世界を描こうとしたんだなって思いますが、正直かなり散漫な響きがしておりました。次にアンナ・ヴィニツカヤをソリストに迎えて、ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」。ヴィニツカヤっていう人はたぶん初めて聞いたと思うんですが、なかなかのテクニシャンで、ロシア出身のピアニスト特有の打鍵の強さ鋭さを備えた、この曲にはうってつけのピアニスト。コントラファゴットの超低音の主題から、力強くピアノが登場して、ひとしきりソロを弾きまくるあたり、彼女の持ち味が遺憾無く発揮されていました。中間部のジャズ風味、レントに戻って今度はしっとりとしたカデンツァ、この動と静の対比もなかなかよろしかったんじゃないでしょうか。アンコールはラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」からモデラート。そしてパヴァーヌ。

後半はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。都響の木管、金管のうまさが際立った見事な演奏でした。特に第2楽章「対の遊び」の管楽器の受け渡し、金管の見事なコラール、トロンボーン良かったねぇ。第4楽章のスキゾ的な音楽が、諧謔味を帯びて音楽に引き込まれます。フィナーレの疾走感も鮮やかに決まって、なかなか良い演奏でした。

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街中の雪は夕方までには解けてなくなりましたが、断熱性能がいいのか、屋上は今日になっても雪が残っています。




いわゆる「カラスの足跡」


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