ベゴーニャ・オラビデとムデハル2013/02/09 18:26

風はそんなに強くなかったけど、今日も寒い一日でした。でも屋上には春がすぐそこまで来ています。

今まで花壇とか寄せ植えっていう奴はやったことなかったんですが、北側の一等地が空いたので、今年初めてかわいらしい植え込みを作ってみました。

クロッカスはもう何年も前から植えっぱなし。今年は寒いせいか、まだ花の気配がありません。いつもだと1月末から咲き始めるんですが。

細長い葉っぱはたぶんアイリスの芽だと思う。球根て植えてしまうと何だったのか忘れちゃうんですよね。

芝生もちょこっと緑色になりかけているような気がします。

プリムラっていうのかな?


なんか菜っ葉みたいですが・・・

花はいろんな色があるみたい。



スミレの花もだんだん数が増えてきました。

真冬でも種ができるんですニャー。当たり前か (=^^=ゞ

もうちょっとで、クロッカスが咲き始めると思うんですが・・・



ムデハルってのはスペインのレコンキスタ終了後もイベリア半島に残ったイスラム教徒。語源は「ムダッジャン」とかいうアラビア語で、残留者ということだそうです(そのまんまじゃないか)。イスラムとキリスト教が融合した、ちょっとエキゾチックな建築なんかが特徴として挙げられますが、言語とか音楽でも特徴的なものが残っているみたいです。オラビデのグループも「ムデハル」を名乗っています。


昨日紹介したのと同じライブかもしれません。「マグレブのロマンス」って題名でしょうか。マグレブってのは今話題のアルジェリアなんかを中心とした、北アフリカ西部の原住民。アラブ人より古いわけですが、アラビアンナイトの「アラジンと魔法のランプ」の悪い魔法使いがマグレブ人。あの話は中国と北アフリカにまたがる、実に壮大な物語です。ベルベル人とかムーア人(モーロ)とか、そこらへんのいろんな民族の総称みたいですニャー。ちなみにベルベル人の語源はもちろん「バルバロイ」。

オラビデ&ムデハル2013/02/10 15:38

久々に風もなくポカポカ暖かい一日。

クロッカス、間もなく咲くはずなんですが、まだつぼみが見えない。

スノーフレーク、咲くのは4月頃かな。

ヒヤシンス

こころもち緑が回復してきたような?


部分的には明らかに新芽が出始めています。

今日のヒコーキ

これはトルコ航空のイスタンブール行き(?)

これはヒコーキじゃないか。ヘリってバタバタうるさいんだよねぇ。





オラビデのサルテリオ弾き語り。「ヘリネルドのロマンセ」という16世紀の曲。

ムデハルの演奏。

サルテリオ&カヌーン2013/02/11 18:45

風が強くて肌寒い一日。


クリムゾン・グローリーがゆっくりと開き始めました。




クロチルド・スーペール

寒い日は芝生も寒々しく見えます。




ザ・マッカートニー・ローズはよく開きます。




イエロー・シンプリシティは花が数少なくなってきました。




今日はオラビデのディープなライブ。気分はすっかりアラブ。

オラビデの歌はいいですねぇ。この日もサルテリオを弾き語りしていますが、オラビデの向かって右隣のアラブ人が弾いている楽器がカヌーンというアラブの楽器。
写真は2 

原理的には箏やサルテリオと全く同じで、指で爪弾く楽器。カヌーンのつけ爪の写真。しかし、何というフォルムでしょう。まるでティンパノンというかチェンバロというか、ヨーロッパの楽器みたいですね。

オラビデのライブをもう一つ。アルジェリアでの演奏みたいです。

このグループではヴァイオリンを膝に乗せて弾いている人がいたりして、いかにもアラビアって雰囲気。オラビデの右隣ではさっきと同じ人がカヌーンを引いています。下の方にSephardic Tradition & Gharnati from Moroccoとありますが、セファルディというのはもちろんイベリア半島に渡ったユダヤ人の末裔。1492年という年は、コロンブスが新大陸を発見した(あるいは、「辿り着いた」、「到着した」)年として有名ですが、それに先だってイベリア半島におけるイスラムの最後の拠点グラナダが陥落した年でもあります。イスラム勢力を一掃したことにより、西回り航路の開拓に費用をかけられるようになったという因果関係があります。

そんなことはどうでもいいんですが、イスラム教徒とともに、イベリア半島からユダヤ人も追放され、北アフリカ、南欧、そしてオランダなどに散っていきました。これがセファルディと呼ばれるユダヤ人の起源。ユダヤにはもう一派、東欧に渡ったアシュケナジというグループがあって、この2つが今でもユダヤの2大勢力と呼ばれているようです。人種とか民族っていう話になると、あまりにも曖昧なことが多すぎて、実り多い議論にはならないもんですから、背景説明はこのくらいにします。この曲はモロッコに渡ったセファルディの伝統音楽といったところでしょうか。北朝鮮と並んでユダヤ人は、国連でならず者とされています。確かにシオニストのイスラエルは世界の嫌われ者かもしれませんが、ディアスポラのユダヤ人は案外アラブ世界の中で違和感なく生きていたりするみたいですねぇ。

新国立劇場:『愛の妙薬』2013/02/13 17:34

昨日(2月12日)は二国でドニゼッティの『愛の妙薬』を見てきました。舞台写真はここ。スタッフ&キャストはこちら。このページにはダイジェストのビデオもあります。

どうしても都合があって平日のマチネに行くはめに。一体どんな客がいるんだろうなんて思いながら行ってみたら、ソワレに比べると平均年齢が25歳ぐらい上がった感じ。有閑マダム風のは別として、30〜40代の人はいませんねぇ。そもそも1階、2階の奥はほとんど客が入ってい。なんでこんな時間にやるんだろう。こちらも昼の2時からオペラをみるような体調にはなっていないんで、なかなか芝居に入り込むのに苦労しました。

確か3年振りの再演。カラフルで一歩間違えるとKitschになりかねないような舞台を支えているのが「本」。舞台脇にプロセニアムのように巨大な本が数冊そびえ立っています。背には『トリスタンとイゾルデ』の文字が見えます。芝居が進行するにつれてこの本が左右に動き、時には幕の役割も果たします。これは全員文盲という村の中で、アディーナだけが唯一人本が読めるという舞台設定を象徴すると共に、その唯一の教養人が読んでいるのが『トリスタンとイゾルデ』の惚れ薬のお話というおかしさ、ばかばかしさを強調しているわけです。3年前の初演の際には、さらにその年末に上演される予定の、ワーグナーの作品をそれとなくほのめかすしつらえでもありました。そのほかテーブルや椅子の代わりになる分厚い本が道具として使われ、さらに妙薬を表す“ELISIR”の一つ一つの文字が巨大な装置として、さまざまに移動し、時に兵隊さんが文字の中から現れたりといった漫画風のしつらえも楽しい舞台です(写真2)。

薬売りのドゥルカマーラは飛行機に乗って登場(写真5,7)。衣装だけでなく髪の毛までケバケバしい。バカバカしいけど、誰も憎めない人々を表しているんでしょう。この芝居には悪役が一人も登場しない。ドゥルカマーラは人を騙して金儲けをするけど、でもあの薬ホントは効き目があるんじゃないの、って感じにできている。ネモリーノの恋敵ベルコーレ軍曹でさえ、人物の可笑しさの方が強調されて、恋のさや当てどころか狂言の殿様のような役どころになってしまいます。

ベルカント・オペラとはよく言ったもんで、まあとにかく全編歌づくし。ロッシーニと並んでドニゼッティってモーツァルトの後継者かな。メロディが次から次へと湧いて出て、オーケストラもカラフル。19世紀の人だけど、ロマン派の片鱗すらない。まあもっとも、ロマン派はドイツの専売特許かもしれませんが。

アディーナのニコル・キャンベルはメリスマも鮮やかで、声量もたっぷり。いい歌を歌っていました。。それからネモリーノのアントニーノ・シラグーザは、発声が自然で、言葉がよく聞き取れる歌い方。愛嬌もあって田舎の素朴な青年といった役柄にぴったりはまっていました。前回は『チェネレントラ』のラミーロ(王子)で大いに湧かせてくれましたが、今回も大成功だったんじゃないでしょうか。ドゥルカマーラのレナート・ジローラミは立派な歌い回しでしたが、イマイチ存在感が薄かったかなあ。もうちょっと弾けた演技があってもよかったかも。主役級の中ではベルコーレ軍曹の成田博之はよかったですよ。オペラの中では軍人というのは大抵笑いの対象ですけど、滑稽な所作がなかなか面白かった。

だけど、やっぱり本当の主役は合唱団だった。二国の合唱はホントにすごいですねぇ。あらゆる場面で合唱が大活躍するオペラですが、歌も演技も素晴らしい合唱団でした。オケは軽快な音楽をそつなくこなしていたって感じかな。ワクワクするような躍動感も出ていたし、たとえば「人知れぬ涙」の叙情たっぷりな管楽器の歌い回しもきれいだったし、まあまあよかったんじゃないでしょうか。『タンホイザー』と同時に上演していたんですが、今回はどちらも大成功。

ムデハル&セファルディ2013/02/14 17:36

曇りがちで肌寒い一日でした。この頃、あまり屋上に変化がありませんですねぇ。

クロチルド・スーペール


フレグラント・アプリコット

ラ・フランス






レディ・ヒリンドン

オレンジ・マザーズデイ


いよいよおしまいっていう感じの色合い。

イエロー・シンプリシティ





サンタンデールでのムデハルのライブ。

ヌバ・レコードからパーカッションが心地よい一曲。

サバールのところのレコード。セファルディの曲を特集したアルバムの中の一曲。このアルバムには珍しくオラビデも混じっています。この曲にはサバール、エステバンといったレギュラーメンバーのほかに、スティングとレコードを出したエディン・カラマーゾフやら、ペドロ・メメルスドルフといった一風変わった面子が入っています。