8/8周防亮介@トッパンホール2024/08/09 12:32

昨日はクソ暑い中、トッパンホールで周防亮介のヴァイオリンを聞いてきました。今年の5月の読響でハチャトゥリアンのコンチェルトを弾いて、すごい人が現れたもんだと大変印象に残っていたんですが、昨日もすごかった。曲目はイザイの無伴奏全曲。この人のヴァイオリンでまず驚かされるのはその音量。400人程度の小さなホールではありますが、かつてのオイストラフのような鳴り。あるいは師匠のヴェンゲーロフ譲りの豪快な鳴らし方。だけど繊細さも持ち合わせていて、のべつ幕なしベタベタ大音量で弾きまくるわけでもない。確かにトッパンホールはものすごく響きの良いホールではあるけど、細かなニュアンスやら息遣いまで伝わってくるところが憎いね。そして1番など対位法的な旋律の弾き分け方もなかなか堂に入っている。2番はバッハからの引用と見せかけて、実はグレゴリアンの「怒りの日」のテーマがどの楽章にも影に日向に忍び込んでくるなかなか凝った作り。「バラード」と呼ばれる第3番は比較的短いながらも昔から散々弾かれ尽くして、手垢がついた感がありますが、この人にかかるとそれでもフレッシュな息遣いが聞こえてくる。第4番のフィナーレは圧巻。5番の印象派的な響きの中で左手のピッツィカートが心地よい。第6番は圧倒的な技巧の勝利。難しい曲だと思うんだけど難しさを感じさせずに、サラッと弾いてしまう。いやあまあ、あの、その、凄かったんです。

しかしトッパンホールって不便なところですねぇ。20年ちょっと経つのかな。できたばかりの頃はしばしば出かけたものですが、近頃は全く寄り付かなくなっちゃた。特に暑い夏にはあの高速下の歩きが嫌になって、結局足が遠のいてしまうんです。