コントラバス 大槻健の世界2024@紀尾井ホール2024/03/08 14:05

昨日は反田恭平プロデュースJNO Presents リサイタルシリーズの一環で、掲題の音楽会に出かけました。コントラバスの独奏会という地味なコンサートだからでしょうか、お客さんの入は7割ぐらい。前半はシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ。確かにこれは大層地味だった。反田のピアノもベースとの合口を探っているような雰囲気。アルペジョーネはチェロよりも小型の弦楽器として発明されたはずで、1824年にこのソナタが書かれたときには現役の楽器だったそうだが、1871年に楽譜が出版された頃には人々の記憶の彼方に忘れ去られた楽器だったそうだ。現代では主にチェロ、場合によってはヴィオラ、ごく珍しくはベースで弾く場合もあるそうだが、コントラバスで弾いた場合にはチェロの輝かしい音色は全くなく、超絶技巧がまあ、多少は目立つんだが、音程をとるのに四苦八苦しているベース奏者を眺めていてもかなり退屈だ。始まった途端に寝落ち。

後半はピアノ五重奏曲イ長調「ます」。これは楽しかったですねぇ。面子はピアノが反田恭平、ヴァイオリンが長原幸太、ヴィオラが鈴木康浩、チェロが富岡廉太郎、それにコントラバスが大槻健。読響の弦楽器の首席全員+反田という編成です。日本のオケのメンバーもうまくなったねぇ。コントラバスも流石に「ます」になると生き生きしています。そして反田のピアノが絶妙。弦のアンサンブルの間から、マスがピチピチ跳ねるかのように飛び出してくるピアノの鮮やかなこと。伴奏に回ったときにも、コントロールされた音量と音色で全体のアンサンブルを支える見事なピアノでございました。ドイツ語でムジツィーレンと言いますが、弦の面々も全員楽しそうに音楽していました。

子供の頃擦り切れるほど聞いた、パウル・バドゥラ=スコダとバリリー四重奏団+ウィーンフィルのベース弾きによる「ます」。昔懐かしいウェストミンスター・レーベルです。

アルペジョーネ・ソナタの決定盤、ベンジャミン・ブリテンとロストロポーヴィチの演奏です。

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昨夜来の雪は全く積もりませんでしたが、かなりの雨量だったようです。6時間ぐらいの間に15ミリ降ったそうです。



朝方はまだどんよりと曇って時折雪がちらつく空模様でしたが、午後からは多少晴れ間も見えています。






隣の現場では型枠をバラしています。