能『頼政』@矢来能楽堂 ― 2026/10/11 18:27

今日(10月11日)は久しぶりに矢来能楽堂で能を見てきました。出し物は仕舞が3つ『道明寺』、『井筒』、『船弁慶』。この3つの中では小島英明という人が舞った船弁慶がよかった。声もよく通るし、舞の仕草がピタッピタッとハマっていく。この観世喜之の内弟子だったそうで、相当鍛えられたんでしょう。

メインの曲は『義政』。ちょっと地味目な曲ですが、よくできた芝居です。あらすじ・みどころはこちら。平家物語の中に「宇治川の戦い」あるいは「宇治川の合戦」と呼ばれるものは2回あります。最初は1180年に以仁王が源頼政と謀って、全国の大寺院に決起を促した事件。もう一つは、こちらのほうが歴史的には超有名ですが。木曽義仲と後白河法皇の対立から義仲追討に至る戦い。佐々木高綱と梶原景季の「宇治川の先陣争い」はこちらのお話です。

源頼政はどちらかというと、猿の顔、たぬきの胴体、足は虎、尾はヘビという妖怪、鵺(ぬえ)退治で有名な人物です。系図的には源頼光に近くて、頼光も土蜘退治やら酒呑童子やら、妖怪を退治する武士でした。源(みなもと)姓でありながら、清盛政権の中枢近くにいた頼政。でもさすがに清盛の圧政には耐えかねて、以仁王と語らって平家追討を決意し、最初は近江の三井寺、次に奈良の興福寺あたりかな、そこら辺の暴力装置(僧兵)を利用して、平家を打倒する作戦に出ます。三井寺であまり良い返事がもらえず、奈良に決起を呼びかけに行く最中、以仁王が疲れ果てて5回も落馬したってなことで、とりあえず平等院に御座所を設けて休んでもらおうという算段。しかし平家の追手はすぐに宇治橋のたもとに押し寄せます。頼政側は橋板をはずして抵抗しますが、平家側は馬を密接した集団にして、宇治川の急流を渡り切ります。これが最後ってわけで、頼政は扇形の芝生の上に扇をおいて切腹。辞世の歌は、「埋もれ木の 花咲くこともなかりしに 身のなる果ては あはれなりけり」。要するにあまりいいことはなかったなぁと詠嘆。

登場人物は3人だけ。諸国を巡ってきた旅の僧。宝生流のワキ方だそうですが、舘田善博という人、恰幅もよく、なかなか声がよく通る人でした。シテは観世流の遠藤喜久。後シテになって、頼政の面を付けるとどうも声がくぐもってイマイチ迫力にかける感じ。でもほぼ床几に座りっぱなしの割に、大きなスケールで戦いの場面を描く所作はさすが。私が一番感心したのは間狂言の吉田信海という大蔵流の狂言師。前場と後場のつなぎ役として、まずほとんどの能で狂言師が登場するんですが、この吉田信海という人は声の艶、ハリ、ディクション、どれをとっても超一流。

3人と囃子方、地方だけの芝居でしたが、しみじみジンと来るお芝居でした。


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今日は都心で27.5℃まで上がったようです。能楽堂は程よくエアコンが効いていましたが、外に出るとかなり暑かった。しかも神楽坂では「化け猫フェスタ」だかなんだか、そんなような客寄せのイベントをやっていて、狭い神楽坂のメインストリートが人で溢れかえっていました。その中を猫耳のカチューシャをつけた、おんな、おとこ、猫のキグルミを着た連中なんかが、太鼓を叩いてパレード。いやあ、まいった。


今日は能楽堂に出かける前に、屋上にたっぷり水を撒きました。


楽園。香りのバラです。




ラ・フランス。モダン・ローズ第1号。これも香りのバラです。


オールド・ブラッシュ


ツワブキの花。今日外を歩いていてびっくりしたんですが、よその家の植え込でも、ツワブキの花芽が上がってきているんですよねぇ。えっっっっって感じ。

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