4/4 ヤーコプス指揮 ヘンデル『時と悟りの勝利』@オペラシティ ― 2025/04/05 11:27
昨日(4月4日)はヤーコプスの指揮でヘンデルのオラトリオ『時と悟りの勝利』を聞いてきました。出演者・プロフィールなどはこちらを参照。オケはベルギーのビー・ロック・オーケストラ。ヤーコプスというとコンチェルト・ヴォカーレで一世風靡した元々はモンテヴェルディの専門家(?)だったような気がします。33年前の『ウリッセ』と「マドリガーレの夕べ」が思い出されます。あの当時が古楽復興の一つの頂点だったのではないでしょうか。それから33年経って再び来日したヤーコプスですが、当然歌手も器楽奏者も全くの別物。これは致し方のない「時」のいたずら。しかしヤーコプスの組織する演奏家のレベルは超一流。これは今でも変わらなかった。
オラトリオと言っても合唱はなく、登場人物も4人のみ。「美」、美を誘惑する「快楽」、そして「悟り」と「時」。「時」には羽が生えているんだそうで、「光陰矢の如し」つまりtime fliesというわけ。要するに、日本人ならすぐ思い出すのが小野小町。
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせし間に
まああんなこんなで、(キリスト教風味の)抹香臭い人物設定から寓意を読み取るストーリーなんですが、純粋音楽的にはあまり面白いものではない。でも中にとびっきり美しい旋律や、身も凍るような恐ろしい音楽が飛び出してきて、そこらあたりがいかにもヘンデルっぽいところ。4人のソリストの中では「快楽」を歌ったカテリーナ・カスパーというソプラノが印象深かったかな。後の『リナルド』の「わたしを泣くがままに」の原曲「棘がついたまま」。「棘がついたままのバラを摘むと、(恋は)必ず痛みを伴う」という23番のアリア。それから超絶的なメリスマを披露する29番の「風に流される雨雲のように」。この2曲はすごかったですねぇ。このとっておきのアリアを「欲望」に割り当てたのは、うん、ヘンデルの深い配慮かな。オケでは2本のオーボエとソプラノ・リコーダー、それに野入志津子のリュートもしみじみうまかった。オルガンのお兄さんもノリノリだったですね。それにしてもヤーコプスの指揮が、歌い手に寄り添うように流れを作って、秀逸でございました。
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昨日に続き今日もドピーカン。気温はすでに15.7℃まで上がっています。
本日もドピーカン。
スノー・フレイク
ヴェロニカがまだ頑張っています。
シランがもうすぐ開きそう。
オールド・ブラッシュ
バラの新芽。
芝生がだんだん緑になってきました。
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