Lynx Consort Vol.82021/12/16 11:37

昨日(12月15日)は新大久保のルーテル教会でLynx Consortを聞いてきました。チェンバリストの星野友紀が主催するコンソートだそうで、今回は桑形亜樹子をゲストに迎えて、2台チェンバロのゴージャスな響きを堪能してきました。前半はまずC.P.E.バッハの『2台のクラヴィーアのための4つのデュエット』。初めて聞く曲ですが、1曲1曲はコンパクトでありながら、もう一人のC.P.E.バッハらしさがよく出ていたような気がします。多感様式というのか、感情が高ぶりを表現する曲ではないんですが、ロココの優雅な響きを堪能しました。2曲目は星野のソロで父バッハのトッカータ嬰ヘ短調。トッカータは若書きだったと思いますが、技術的には完成度の高い曲集。この曲は比較的古めの様式に則っている感じで、急速に音階を辿る比較的自由なパッセージと、厳格な対位法的な部分が織りなす、対比と調和の美学と言ったら良いでしょうか。星野の端切れのいい音と、しっとりした歌いまわしが際立っていました。前半の最後はJ.S.バッハの2台のチェンバロのための協奏曲ハ短調。よくオーボエとヴァイオリンの協奏曲に仕立てて演奏されますが、この日は2台のチェンバロで。両者の音がミックスされゴージャスな響きがするんですが、曲のテクスチャといいますか、細部が見えてこない。ここらへんむずかしいですね。

後半はまず桑形編による、ラモーの『優雅なインドの国々』から4曲。いかにもって感じのフランス風序曲に始まり、「アフリカ奴隷のエア」に続いて「ロンド形式のミュゼット」がなかなかいい響きをしていました。後半の2曲目は桑形のソロで、クープランのクラヴサン曲集第1巻第1オルドルから何曲か。アルマンド、ガヴォット、ジーグあたりはとっつきやすいけど、ポルトレという謎めいた範疇になると、どうも私は得意じゃない。最後はバッハの2台チェンバロのための協奏曲ハ長調。こちらのコンチェルトは明らかに、鍵盤楽器のために書かれたもので、華麗なソロが交互に現れます。桑形さんによると、「個人的にはバッハの作品の中でほぼ唯一、弾いていて本当に心から愉しい!曲です」とプログラムに書いておられます。確かにこの協奏曲はソリスティックな要素が満載で、弾いていて愉しいだろうなと思える演奏でございました。

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今日はいい天気。昨日以上に気温も上がるんじゃないでしょうか。


玄関脇、ドウダンツツジの植え込み。




スノーグースがまだ咲いています。去年は冬の間もず〜〜〜〜っと咲き続けていました。


紅葉はやっぱり逆光が基本。