10/20 大野指揮の都響で リヒャルト・シュトラウスの『死と変容』、ツェムリンスキーの『メーテルリンクの詩による6つの歌』、シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』2021/10/21 11:38

昨日(10月20日)は池袋の芸術劇場で都響の定期を聞いてきました。平日の真っ昼間にオケの定期とは、まあ何ということでしょう。思ったとおり客席はガラガラで、舞台の上はぎゅうぎゅう詰め。広く見える芸術劇場のステージですが、やっぱり100人乗っても大丈夫。じゃなかった、100人乗るとかなり密です。指揮者の大野も下手側のドアからステージに出て、梯子で客席まで降りてからもう一度指揮台のそばの梯子でステージに上がるって、まどろっこしいことをやっておりました。

リヒャルト・シュトラウスの交響詩はいずれも19世紀末の10年ほどの間に作曲された、いわば「若書き」の作品ばかりですが、ティルとかドン・ファンとか、珠玉の名曲揃い。その中で『死と変容』はやや地味な一曲でしょうか。しかし作曲者自身の闘病体験を音楽で表現した作品。死の床にある人が、夢と現実のはざまで体験し、回想し、考える様々な心象風景が綴られます。大野指揮の都響は感情の機微を鮮やかに描いていたんじゃないでしょうか。

続いて藤村実穂子が登場してツェムリンスキーの『メーテルリンクの詩による6つの歌』。メーテルリンク(あるいはメーテルランク)は『青い鳥』でノーベル賞を取った詩人ですが、『青い鳥』もそうであったように、象徴主義というのか、あるいは神秘主義というのか、どうも一筋縄ではいかない詩を書いていたようだ。

例えば第1曲 「三人姉妹」

三人姉妹は死にたくて、
金の冠をかぶり、
死を求めに出かけた。

死は森に住んでいると思った。
「森よ、死なせてくれたら、
三つの金の冠をあげる!」

すると森は笑い始め、
1ダースの口づけと共に
未来を教えた。

三人姉妹は、
死は海で見つかると思った。
三年間行脚した。

「海よ、死なせてくれたら、
三つの金の冠をあげる!」

すると海は泣き始め、
三百の口づけと共に
過去を教えた。

三人姉妹は死にたくて、
街に向かった、
その街はある島の真ん中にあった。

「街よ、死なせてくれたら、
三つの金の冠をあげる!」

そして街は門を開き
熱い愛の口づけと共に
現在を教えた。

とまあ、こんな具合の詩が6つ続きます。20世紀初頭の極限まで拡張されたオーケストラの伴奏で歌い上げる象徴詩は、ある意味不気味でありますが、しかしとにかく響きが美しい。藤村はワーグナーではちょっと力みすぎることが多いんですが、この日は絶妙な語り口を聞かせてくれました。

後半は『ツァラトゥストラはかく語りき』。超有名曲ではありますが、何となく今まで全部聞いたことがなかったかな。少なくとも全体的な印象ってのは持ち合わせていなかったんですが、シュトラウスにしてはイマイチな作品かもしれません。まああの出だしはかっこいいけどね。



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昨日はドピーカンでかなり強い風が吹いていましたが、木枯らし1号にはならなかったのかな。今日は日差しが弱くて気温もあまり上がりそうにありません。

パレード


日差しが弱々しい。


シャルル・ド・ゴール






パパメイアン




マリーゴールドが目立っています。


クリムゾン・グローリー




おそらく今年最後の桔梗の花。


ラ・フランス


楽園

ショパンコンクール 結果2021/10/21 15:22

全くノーマークだったブルースなんとかが優勝。
反田君は同率2位。
ガルシア・ガルシアが3位。小林愛実が4位となりました。

1st Prize –ブルース・シャオユー・リュー(カナダ)
2nd Prize ex aequo – アレクサンデル・ガジェヴ(イタリア/スロベニア)
2nd Prize ex aequo – 反田恭平(日本)
3rd Prize – マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン)
4th Prize ex aequo – 小林愛実(日本)
4th Prize ex aequo – ヤクブ・クシュリク(ポーランド)
5th Prize – レオノーラ・アルメッリーニ(イタリア)
6th Prize – J J ・ジュン・リ・ブイ(カナダ)