『トゥーランドット』初日 東京文化会館 7/122019/07/13 15:44

昨日〔7月12日)は上野の文化会館でプッチーニの最後のオペラ『トゥーランドット』を見てきました。上野で3日、二国で4日という変則的な公演ですが、昨日はプルミエの初日でした。スタッフ&キャスト、若干の舞台写真などはこちらからご覧ください。

〔7月14日追記)こちらのページにステージ写真が色々載っています。
(同じく7月14日追記)『ぶらあぼ』がネタばらしやっちまってます。

(一応二国のサイトからスタッフ&キャストをコピーしておきます)

スタッフ

指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:ウルス・シェーネバウム
演出補:スサナ・ゴメス
舞台監督:菅原多敢弘


キャスト

トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:テオドール・イリンカイ
リュー:中村恵理
ティムール:リッカルド・ザネッラート
アルトゥム皇帝:持木 弘
ピン:桝 貴志
パン:与儀 巧
ポン:村上敏明
官吏:豊嶋祐壹

合唱指揮:三澤洋史
合唱
新国立劇場合唱団
藤原歌劇団合唱部
びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱
TOKYO FM少年合唱団
管弦楽
バルセロナ交響楽団
制作
新国⽴劇場/東京⽂化会館



前回もテオリンがトゥーランドットを歌っていましたが、その時の演出がみごとなまでの失敗作で、二度と上演されないままお蔵入り。今回はオリンピックとのタイアップ事業といった趣で、かなりの予算を分捕ってきての新演出。開演前や休憩時間のロビーでは、蜜に群がるアブラムシや、死肉を漁るハイエナのような音楽とは無縁のその筋モンが、ペコペコしながら名刺交換に励んでおりました。始まる前から場違いな雰囲気ムンムンでございましたが、音楽が始まっちまえばこちらのもんよ。連中は「誰も寝てはならぬ」ではなく、「全員寝ておれ」。幕が上がると北京の紫禁城前ではなくて、どう見ても今は無き香港の九龍城前。高い壁がステージの両脇にそそり立ち、天井まで階段が張り巡らされています。天辺には刎ねられた求婚者たちの髑髏が竿の先に晒されています。民衆(合唱団)はこの階段を上ったり降りたりしながら舞台に参加します。中央には首切り台であり、時に求婚の合図の銅鑼となる丸いテーブルのようなものがあって、その周りにベンチが配されここで主に物語が進行します。トゥーランドットは中央の頭上から巨大なリフトに乗って後光と共に姿を現します。

舞台装置は1幕から3幕までずっと同じ。ゼッフィレッリの絢爛豪華な演出がちょっと懐かしくなるほど、モノクロームの世界が続きます。確かにキムとかトランプとか、あるいはその使いっ走りとか、要するに珍味盛り合わせが、いや違った魑魅魍魎が世に跳梁跋扈する殺伐とした時代に相応しい舞台なのかもしれない。有名な三つの問い。第1の問いに対する答えはスペランサ(希望)ですが、この舞台はまさに希望無き世界を象徴しています。そして衝撃的な第3幕大詰め。まだ初日の幕が上がったばかりでネタばらしになっちゃうから結末は敢えて書きませんが、滅び行く権力の末路をこの演出家は描いてしまった。

歌手は氷の心の姫君、そしてカラフのテオドール・イリンカイの二人が絶好調。テオリンは2幕最後の「皇帝万歳」の大合唱の中を突き抜けてくるド迫力の冷たい美声を遺憾なく響かせていました。イリンカイは1幕の「泣くなリュー」はややくぐもっていましたが、次第に調子を上げて第2幕の謎解き、第3幕のあのアリアなどなかなか聞かせてくれました。リューを歌った中村恵理はこの二人に挟まれてかなりのプレッシャーだったと思いますが、第1幕の「お聞きください、王子様」でまず喝采を受け、第3幕の「心に秘めた大きな愛」から「氷のような姫君の心も」を情緒纏綿と歌い上げ、そして自刃して果てるまでの一場をかっさらっていきました。地味ですがディムールもいい声してたね。第2幕のピン・ポン・パンはあまりにもシリアスすぎる演出のせいか、かなり割を食ってしまったかな。コメディア・デラルテの道化役の雰囲気は全くなかった。第2幕は福島原発の除染作業の様子なんだって言う人までいるくらい。何とも重苦しい舞台でした。

いろんな要素があったと思いますが、特筆すべきは二国と藤原合同の合唱。さすがだねぇ。二国の合唱はとにかく外れが無い。しかもこの上演のために飛びっきり汚らしい衣装を纏っていて見応えも十分。これだけドドズズの衣装で迫真の演技をする合唱はボリショイ・オペラの『ボリス・ゴドゥノフ』以来だなぁ。オケはなんでわざわざバルセロナ交響楽団とかいうのを呼んできたのかよくわからないんですが、ちょとラッパが危ないところがあったものの、まあ可も無く不可も無く(そこらへんの日本のオケの方がうまいんじゃないかと思うけど)。でも感動的な音楽をやっていたと思います。ここで敢えて書かなかった幕切れについてですが、カーテンコールに演出陣が登場したとき、ホール内のブラボーとブーの比率は3:2ぐらいだったかなぁ。かなり怒号も飛んでいました。ここらへんどう受け止めるかは聞き手の感覚なんだと思います。

(ちなみに外人の客も多かったせいか、英語の字幕も表示されていて、時々眺めていたんですが、「皇帝万歳」を "Ten thousand years of life to the emperor" とやってたのには、思わず噴き出しちまったよ。)


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昨日は午後まで雨がぱらついて雨量は11ミリ、最高気温21.8℃。今日は3時過ぎてちょっと降り始めていますが、気温は28℃まで上がりました。天気予報では明日からほぼ毎日傘のマークがついています。仕方ないので中3日ですが、今日は芝刈りをしました。



雨が多くて気温があまり上がらないせいで、芝生はどんどん伸びてしまいます。


肥料もこの1ヵ月ぐらいは控えているんですが、それでも気候が良すぎるんですね。暑くなってくるとすぐに成長は止まるはずです。



前回刈ったのは7月9日(火曜)。



明日は雨で月曜がゴミの日なんで、仕方なく中3日で芝刈りです。





中3日とは言え、かなりの刈り取り量。作業が終わるまで40分ぐらいかかりました。

左下の麦わら色に枯れているのが病気の箇所。雨の間にちょっと広がっています。薬で進行は抑えているんですが…


サルスベリは1回目の花が満開を過ぎたので、少しずつ枝先を剪定しています。




クロティルド・スーペール(粉粧楼)


クリムゾン・グローリー


黄色い蕾はドゥフトゴルト。


強烈な朱色の蛍光色、ドゥフトヴォルケ



陰の薄い花、ムーンシャドウ

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