アンサンブル・ディアーロギ @上野文化会館小ホール2019/01/23 17:40

昨日(1月22日)は上野の文化会館小ホールでアンサンブル・ディアーロギを聴いてきました。日本モーツァルト協会の1月例会だそうです。このグループについては先日も紹介しましたが、フォルテピアノと4人の管楽器奏者のグループ。グループを結成したのは最近ですが、全員練達のピリオド楽器演奏家です。

フォルテピアノの演奏会ってあまり積極的に聞きに行く方じゃないんですが、なぜかこの団体だけは初めて録音を聴いたときから気になっていました。


アンサンブル・ディアーロギ ENSEMBLE DIALOGHI

(メンバー)
 クリスティーナ・エスクラペス Cristina Esclapez (フォルテピアノ)
 ジョセプ・ドメネク Josep Domenech(オーボエ)
 ロレンツォ・コッポラ Lorenzo Coppola(クラリネット)
 ピエール=アントワーヌ・トレンブレイ Pierre-Antoine Tremblay(ナチュラルホルン)
 ハビエル・ザフラ Javier Zafra(ファゴット)

(プログラム)
《鮮やかに蘇る18世紀の響き》

▶ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K452
 Quintett in Es für Klavier, Oboe, Klarinette, Horn und Fagott K452
▶ロンド ヘ長調 K494
 RONDO in F K494
▶ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K482より第2楽章(トレンブレイ編)
 Andante aus Konzert in Es K482 von Tremblay 
▶ソナタ ホ短調 K304(クラリネット版)
 Sonate in e K304
▶ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 Op16(ベートーヴェン)
 Quintett für Pianoforte, Oboe, Clarinette, Horn und Fagott Es-Dur Op16(L.van Beethoven)

モーツァルトのピアノ五重奏は滅多に演奏される曲じゃないと思います。シュタインのアクションにバックチェックが入った、いわゆるウィーン式と呼ばれるワルターのピアノは鍵盤が本当に軽くて、ちょっとの指先の加減で音のニュアンスががらっと変化する楽器です。クリスティーナ・エスクラペスというピアニストはその軽やかなタッチで変幻自在なモーツァルトの世界をみごとに描いていました。強弱だけではなく、光と影とか、動と静とか、光のスペクトルのように無段階に変化する音色の綾とか、モーツァルトの音楽の豊かな響きは、こういう楽器があってこそ余すところなく表現できるんだなと、しみじみ実感いたしました。

さらにこの時代の管楽器はもっともっと面白い。時代が下って近代的なオーケストラが音楽の中心になるにつれ、管楽器のバランスが均一化されてきて、20世紀の後半には完全に溶け合う響きを出すようになってしまいました。でも18世紀の楽器は全然違う。オーボエは野太い音。クラリネットは今よりずっとまろやかで柔らかい響き。ファゴットもオーボエ同様太くてユーモラスな音色。そして一番違うのはホルン。バルブのないホルンは音階を吹くだけでも、右手でベルの中を狭くするいわゆるゲシュトップの音色が混じってきます。これが音楽に楽しいスパイスを振りかけてくれる。アンサンブルとしても凸凹だし、音色や音量のバランスも現在の楽器とはまるで違います。そのモーツァルトやベートーヴェンの時代に人々が聴いていた不思議な響きがまさに現在に甦って聞こえてきました。

文化会館の小ホールはなんどか改修されて、首都圏では有数の響きに仕上がっています。特に古楽器のかそけき響きを聞くにはもってこいの場所。ここより気持ちよく聴けるのはトッパンホールかなぁ。あそこでやるのはなかなか贅沢ですが。モーツァルトの第3楽章はまるで芝居を見ているよう。まあ安っぽいドタバタなんですが、アンバランスな管楽器と優雅なピアノのせめぎ合い、アルレッキーノやコロンビーナが跳ね回るコメディア・デラルテの舞台のような面白さ、おかしさ。

この日の演奏で一番興味深かったのが、後半の最初に演奏されたソナタホ短調。ヴァイオリンソナタをクラリネット用にアレンジしたものです。ロレンツォ・コッポラはアンサンブル・ゼフィロが13管楽器のセレナーデをやった時のメンバーだったし、クイケン兄弟とモーツァルトのクインテットを演奏したりしていますが、この日はヘープリッチが復元したスタイルのバセットクラリネットで、この有名な短調の曲を演奏。フォルテピアノの音色と相まって、モーツァルトを突き抜けてロマン派への道筋まで示しているかのような名演でした。

最後はもう一つの五重奏。有名な七重奏と並ぶベートーヴェン若書きの一曲を溌剌と聴かせてくれました。



アンサンブル・ディアーロギでモーツァルトの五重奏第3楽章。ロケーションは世界遺産になっているバルセロナのサン・パウ病院管理棟のホール。ガウディじゃなくてモンタネールの建築です。


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昨日の最低/最高気温、1.6℃/10.3℃。今日は1.7℃/11.3℃。いずれにしても平年よりはちょっと暖かい日より。昨日はホールに入ると暖房がやけに利いていて、セーターを脱いでも汗が出てくるほど。かなり風邪がはやってるみたい。演奏中に出物腫れ物あたり嫌わずゴホンゴホンやっている人が少なからずおりました。モーツァルト協会というのがかなりご高齢な皆さんの会なのかもしれませんが…

残り少なくなりました、アンナプルナ。

ちょこっと咲き始めました、ブルーデイジー。

クリムゾン・グローリーの蕾

このところずっとドピーカン

今日は湿度が若干高めで40%前後。ちょっと空が霞んでいます。



レディ・ヒリンドン


まだまだ蕾もふくらんできています。

カワラナデシコ。冬場もポツリポツリ咲き続けます。

植えたばかりの園芸種のナデシコ。

サハラ

イエロー・シンプリシティ

残りの花は少なくなってきました。


最近気づいたもの
この写真の真ん中に写っている広告塔。

コーヒーカップのようにも見えたんですが、拡大するとシルクハットとステッキかなぁ? 近くまで行ってみたらラブホテルでした。狭い路地に面した建物なので、下からはこの広告は見えないんですが、一体誰に向かって訴求しているのか???