新国立劇場 ニューイヤー・バレエ2019/01/12 21:58

今日(1月12日)は二国のニューイヤー・バレエを見てきました。プログラムやキャストなどはここらへんをご覧ください。

いやあ、よかったですねぇ。『ペトルーシュカ』のキャストは、

ペトルーシュカ奥村康祐

バレリーナ池田理沙子

ムーア人中家正博

ペトルーシュカの奥村ってのがなかなか芸達者。コメディア・デラルテのアルレッキーノの役どころ。だけど頭脳で勝利を収めるワケじゃ無し。悲哀感漂う演技が光っていました。バレリーナの池田もパキパキとした踊りで人形のおかしさを表現。ホフマンのオランピアに通じる面白さかな。まああっちは普通のソプラノ歌手が演じるわけですが… その他、カーニヴァルの賑わいを演じた市井の人々、特にコサックダンスは見ものでした。マーティン・イェーツ指揮の東フィルもこれだけは極めつけの演奏だったと思います。作曲者ストラヴィンスキーと振り付け師フォーキンの名コンビが作り上げた珠玉の逸品を楽しみました。登場するキャラクターの一挙手一投足にまで細かに音楽が寄り添っているのがよくわかりました。

『レ・シルフィード』はバレエ・アブストラクトの嚆矢なんでしょうが、いかにロシア・バレエ団の名作とは言え、かなり古くさい。『火の鳥』は中村恩恵という人が新しくストーリーを作って振り付けた、ロシア・バレエの名作とは縁もゆかりもない代物。何とか目を開けていようとしていたんですが、起きているのはかなり辛いアルバイトでございました。音楽と振り付けがここまで乖離しているのは見るも無惨。あの振り付けと音楽の幸福なフュージョンをぶち壊す必要がどこにあったんでしょう。よほど自信がないのか、ストーリーやアブストラクトはホームページにも載せてありませんでした。まあ再演されることは絶対にない、一回限りの苦いお薬ってことでしょう。

前にもこの手の酷い振り付けの『椿姫』なんてのを見ちまったことがあります。何と死の床にあるヴィオレッタの前で、ジョルジョ・ジェルモンが1曲踊っちゃったりして、あの時は不謹慎ながら思わず噴き出してしまったよ。

ボリショイ・バレエの映画仕立ての映像。

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今日は寒かったですねぇ。最低気温が2.7℃、最高気温が5.6℃。みぞれが降ったのかな? 劇場の中にいたんでよくわかりません。

アンナプルナ


イエロー・シンプリシティ

ストロベリー・アイス

ハツユキカズラ


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