3/22 周防亮介 バッハ無伴奏全曲@浜離宮朝日ホール2025/03/22 18:41

今日は浜離宮の朝日ホールで周防亮介を聞いてきました。曲目はバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲。練習が足りていなかったのか、無伴奏ソナタの弾き始めのアダージョは、一体どうなってるのって言いたいくらいテンポが遅くて、こわごわと弾いている感じ。対位法の厚みがまるでなくて、平べったいメロディーがやけにゆっくり流れていく。第2楽章のフーガでは多少対位法のテクスチャが弾き分けられているかなって瞬間もあったけど、持続力はない。この人ちょっと買いかぶり過ぎていたのかな。第4楽章のような疾走感が全面に出てくる曲では俄然張り切ってはいました。パルティータの第1番。いやあこれは長かった。永遠に続くかとも思えるような舞曲とドゥーブル。アルマンドもかなり遅い上にドゥーブルまでついてくると、もうほとんど半睡半覚醒状態に陥ってしまいます。第3番のソナタもゆったりとした長大な曲。これもまたやけにゆっくり弾き始めるもんだから退屈この上ない。パルティータの3番は有名な前奏曲からいきなりスピート全開で飛び出したはいいが、なんともキキーして落ち着きのないヴァイオリンの音色。流石にガヴォットは手慣れたテンポで絶妙な表情をつけてはいましたが、いかんせん借りてきた猫のような居心地の悪さ。ジーグもものすごいテンポで弾き始めましたが、だからといってバッハの感興に浸れるわけでもなく、ただ指がよく回っているなって感想。どうも音楽を突き詰めて理解する能力にはちょっと欠けているのかなという気のする周防君でした。ソナタの2番とパルティータの2番は聞き続けるのがしんどくなって、途中で退散。


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オードリー・ヘップバーンがナターシャを演じた『戦争と平和』。