トン・コープマン オルガン・リサイタル2018/07/17 19:38

昨日(7月16日)は所沢ミューズでコープマンのオルガンを聞いてきました。ミューズの大オルガンは迫力は十分ですが、決して音が飽和することなく、ホールのキャパシティとよく合っていると思います。前半はカスパール・ケルルのバッタリア、カバニリェスのイタリア風コレンテと、ラテン風の小品を2つ。バッタリアはTDSの和音の重厚な響きの中で、ラッパや太鼓のリズムが刻まれる勇壮な曲。コレンテはフランスの風味が付く前の素朴な3拍子の舞曲。コープマンはこういうかわいらしい曲を生き生きと聞かせるのがうまいんです。次にブクステフーデを3曲。トッカータ風のニ長調の前奏曲。続いてコラール・パルティータ「わが愛する神に」。コラールの美しいメロディーが魅力的な舞曲のリズムに乗って変奏されるんですが、ストップの選び方が楽しいですねぇ。変奏されるたびに新たな世界が眼前に広がる感じがします。最後にかわいらしいフーガハ長調。

続いてF.クープランの『修道院のためのミサ曲』からリード管が勇壮に鳴り響く「奉納唱」と瞑想的な「聖体奉挙」。続いてC.P.E.バッハのオルガンソナタ。ここまで来るとバロックから次の世代へのバトン・タッチの時代。小型のオルガンのために書かれたかわいらしい音楽です。前半の最後にバッハの「小フーガ」ト短調。いつものようにきびきびと歯切れ良く、しかも迫力満点の演奏。

後半はバッハの『クラヴィーア練習曲集第3巻』抜粋と『オルガン小曲集』から1曲。「ドイツ・オルガン・ミサ」のキリエから「父なる神」、「キリスト」、「精霊」の三位一体を象徴する部分が演奏され、それを挟むように壮大な変ホ長調の前奏曲とフーガが演奏されました。この前奏曲はいいねぇ。まさにオルガン音楽の極致と言ってもいいでしょう。重厚な和音に続いてフランス風序曲のような(あるいは阿波踊りのような)付点音符のメロディー現れ、さらに即興的な走句が目まぐるしく動き回ります。フーガは堂々とした3重フーガ。最初のテーマがペダルで鳴り響いている中、新たなテーマが入ってくるあたりは痺れます。

コープマンを初めて聞いてからもう30年以上になるでしょうか。最初はまだ髪の毛もヒゲも多少黒かったように覚えていますが、今はどちらも真っ白。もう73歳だとか。でも音楽は全く変わらないですね。常に推進力を失わない、生き生きとした音楽。情緒たっぷりな歌い回し。強靱な技巧に裏打ちされた自然な感情表現。クソ暑かったけど、楽しい音楽会でした。

昨日は西武球場でジャニタレの音楽会をやってたらしいけど、ジャニーズが来ると西武線は臨時列車を出すんですね。




コープマンの演奏で、バッハのト短調の小フーガBWV 578。音と映像が若干ずれていますが、ご愛敬。




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昨日は最低気温28℃、最高気温37.6℃。今日は最低気温28℃、最高気温37.9℃。いやあショパンの平熱が続きますねぇ。昨日航空公園の旧滑走路のあたりを歩いていたら、なんだかめまいがしてきました。

久々に来客。前来たときより一段と大きくなったみたいです。




真夏の花壇

チャイナ・ドール





ナデシコの返り咲きが満開になってきました。






昼間は暑くて何もできないので、夕方になってからたっぷり水を撒きます。