西野朗とかアンドレス・エスコバルとか2018/06/20 12:42

昨夜のコロンビア戦、なんか盆と正月が一緒に来たようなラッキーな試合でした。前半3分に香川のシュートを手で止めたカルロス・サンチェス。一瞬エスコバルの再来かと…1994年パサデナのローズボウル。この大会優勝候補筆頭だったコロンビア、初戦でスーパースター、ハジがいたルーマニアにボロ負けして後がない状況。前半思わぬ形でアメリカに先制点が入ります。アメリカ左サイドからのクロスをセンターバックのエスコバルが右足を目一杯伸ばしてクリアーしようとしましたが、ボールは無情にもGKの逆を突いてゴールイン。


それよりちょっと前の頃のコロンビア代表チームがこれ。

ほとんど動かずにゲームを支配するんで「地蔵」と呼ばれたバルデラマを始め、リンコン、アスプリージャ、日本にも多くのファンがいたGKのイギータなど錚錚たる顔ぶれです。うん、顔ぶれというのか、ほとんど指名手配写真のような面々。「試合の間だけ仮釈放だ」と言われてピッチに登場してきたような面構え。その中で比較的「やさおとこ」に見えるのが、後列の右から3番目エスコバルです。「エスコバルの悲劇」が起きたのは7月2日でした。

話変わってこれは近頃の若いもん。

こちらはがらっと変わってやさおとこばっかり。ニヤニヤしている奴までいるじゃないか。これじゃ勝負には勝てないな。コロンビアと言えばメデジンカルテル。面構えがてんでなってないじゃないか。

またまた話変わって日本代表監督の西野朗。この人、高校時代からの稀代のモテ男。光源氏とは言わないが、浦和の在原業平ってところかな。噂によると通学の最寄り駅には女学生が門前市をなしていたとか。そんな「やさおとこ」が、高校卒業後一番輝いたのがアトランタオリンピック。あの時の日本代表はアトランタどころかジョージア州にも入らず、ずっとフロリダで戦っていました。マイアミの奇跡の時西野はたぶん40歳ぐらいだったはず。城彰二、川口能活、キャプテンの前園、お山の大将中田などがいました。相手のブラジルにはジーダ、アウダイール(OA)、ロベルト・カルロス、ベベト(OA)、ジュニーニョ、リバウド、ロナウジーニョ(後の怪物ロナウド)などがいて、A代表よりも強いと言われたチーム。ゴール前でアウダイールとジーダがぶつかってこぼれた球を伊東輝悦が詰めて決勝点。これは本物の「奇跡」でした。長い時間をかけてスカウト・分析を行い、徹底した戦術練習をやった上で訪れた奇跡だったと思います。

そして63歳になった西野。またまたやってくれましたねぇ。マイアミ・オリンピックの時にはまだ「日本のスタイル」ってやつはなかった。相手に合わせて戦術を組み立てる弱者のサッカーをやっていたんですが、その後日本のサッカーは大きな転換点を迎えます。それをもたらしたのがイビチャ・オシムという爺さん。徹底してボールを回し、相手を崩して点を取るサッカーを理論的に日本に伝えた、いわばサッカーの伝道者。このスタイルはJリーグの各チームにも広く浸透しました。ところが志半ばで病に倒れ、後を継いだ岡田武史は徹底してオシム色を払拭しました。「密集から展開」とか、ラグビーのような言い回しを使って、マイボールを蹴り出すだけのサッカーを提唱。ひたすら守り続けてトーナメントに進出しましたが、パラグアイ相手にまるで攻める気を見せずにPK戦であえなく敗退。見苦しい試合でした。

実は岡田の後に、協会が代表監督に招聘しようとしたのが、現在のコロンビア代表監督ペケルマン。2010年に日本協会が交渉したんですが、結局招聘できず。この人は現在のアルゼンチンのスターたち、メッシ、アグエロ、ディマリアなどをユース時代に育て上げた人物で、根性系じゃない戦術に長けた監督です。ペケルマン対西野。昨日の試合はこういった采配の面白さがよく出ていました。コロンビアは世界的なスーパースターが何人かいますが、個人技と縦の速さで突破するチーム。それに対して西野はオシムが持ち込んだティキ・タカ(パスを早く回す戦術)を徹底しました。先に解任したハリルホジッチが言う「縦に速いサッカー」とは真逆の戦術です。これがみごとにはまりましたねぇ。特に勝ち越して試合を終わらせなければならない後半30分以降の球回しって、ちょっとブラジルみたいだった。観客の大部分がコロンビア人だったんで、猛烈な口笛とブーイングが響き渡っていましたが、本来なら「オーレ」の掛け声がかかるようなみごとなパスワーク。

どうしても点が欲しいペケルマンは故障が癒えていないハメス・ロドリゲスを投入しましたが、見るからに体が重そうで、まるで機能せず。一方西野が投入した本田はコーナーを一本蹴っただけで後はちょっとみじめなパフォーマンス。ここは両監督痛み分けかな。でも最後の一枚、CFのザキオカさんを入れたのはまさに勝負手。これで「守り切れ!」という指令がチーム全員に行き渡った感じが見て取れました。

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本日は雨。この前よりも雨量は多くなりそうだ。

写真のストックから

アンジェラ

マダム・アルフレッド・カリエール

クリムゾン・グローリー


ドゥフトゴルト

ドゥフトヴォルケ





ユリの季節はおしまい。

ヒューケラがまた咲き出しました。

ハツユキカズラの新芽

インカ

ザ・マッカートニー・ローズ

パパメイアン




ストケシア

イエロー・シンプリシティ




サン=サーンスの『サムソンとデリラ』第3幕から、ペリシテ人の合唱とバッカナール。レ・シエクルの演奏です。