モーリス・ブルグ(oboe)を迎えて2018/05/26 17:10

昨日(5月25日)は芸大の奏楽堂で 「モーリス・ブルグを迎えて」〜フランスのエスプリ-------生誕350年のクープランと生誕200年のグノーを中心に〜 という演奏会を聞いてきました。

上野は久しぶりのような気がします。最近あまり来ることがありませんねぇ。ちょっと早めに出かけ、精養軒で生ハムをつまみに生ビールを2杯ほどきこしめし、音楽を聴くためのコンディションを整えます。上野の山の一番奥まったあたりにある奏楽堂はバロック音楽をやるにはちょっとねぇ、といったホールなんですが、モーリス・ブルグが出てくるっていうんで出かけてきました。

演奏前にチェンバロの桑形亜樹子とプレトークがありました。その中でバロック音楽をモダンの楽器で演奏する意味だか意義だかって話が出て、まあやっぱりなって感じでソコロフの演奏会の話題が出てきました。ブルグ先生(芸大で教えているらしい)はソコロフの演奏を、それはそれは素晴らしかったと手放しで持ち上げていたんですが、どうなのかなぁ。ネット上のあちこちに録音が散らかっているし、モンサンジュン収録のDVD(シャンゼリゼ劇場ライブ)でも有名ですが、あの人の弾くラモーはすごい。フローベルガーは悶絶もの。ひょっとすると感情の起伏が大きいフローベルガーは、チェンバロよりピアノで弾くほうが相応しいんじゃないかと思えるほどだ。ずいぶん前に上野の小ホールでやったリサイタルでは、バードを小一時間弾き続けたことがあるけど、あれはちょっと違った。かわいらしいヴァージナルの音楽が、まるで大伽藍を満たすオルガンの響きのように聞こえてきて、これはやっぱりピアノで弾くのは違うなぁなんて思ったものです。

ちょっと前置きが長くなりすぎたので、本題は短めに。前半は今年生誕350年のクープラン。「新コンセール集第7番」は、モーリス・ブルグとガンバの櫻井茂、クラヴサンの桑形亜樹子の演奏。う〜ん、ご本人はクープランが好きだと言っていましたが、そうねぇ、ことさら取り上げるほどの演奏だとは思えなかったなぁ。続いて桒形のソロでクラヴサン曲集第3巻の16オルドル。細やかな曲想を紡いでいましたが、如何せんホールが… 3曲目は「諸国の人々」の第1オルドル-----フランス人。ブルグ、櫻井、桒形に加えて、ヴァイオリンの二村裕美(芸大助手)とファゴットの水谷上総(N響の酒席)が参加して賑やかにやっていました。

後半はまず芸大関係者の合奏で、ヴァンサン・ダンディの「シャンソンとダンス」が演奏された後、メインイベント。グノーの「小交響曲」。木管4重奏をダブルにしてフルートを一本加えた編成。よく似た編成のモーツァルトの「13管楽器のセレナード」はモダンでも古楽器でも聞く機会が比較的ありますが、この曲は有名な割に実演に接するのは初めて。これになるとモーリス・ブルグのオーボエもとたんにニュアンスが豊かになります。アーティキュレーション、デュナーミク等々音楽の表情が生き生きと聞こえてきます。でも全体の指揮も兼ねている様子で、心の奥底から楽しんでいる様子ではなく、どことなく抑制的で弾けない。ここらへん演奏家のキャラクターなんでしょうが、たとえばハレーSQとやったクラリネットのストルツマンのように、ハレーの面々を指導しつつも、音楽ってこんなに面白いんだよ、すごいんだよ、もっともっと弾いてイインダヨって、盛り上げていくタイプではないらしい。なんだか音楽の愉悦感が足りないんですねぇ。

モーリス・ブルグというとピアノのパスカル・ロジェやクラリネットのミシェル・ポルタルなんかとやった、プーランクやフランス近代音楽のシリーズがあまりにも印象的で、それで名前を覚えているような所があったんですが、今回の曲目はなんかイマイチの感じがしました。

ネット上ではブルグの演奏は見つからなかったけど、ジャン・フランセの「恋人たちの時間」。
太い音色で、肩の力がズルッと抜けて、まさにフランスのエスプリって演奏だったのを覚えています。




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今日は一日中どんよりとした曇り空。日が出なかったせいか、最高気温も気温25℃程度でした。夕方に屋上に上がってみたら、芝生がちょっと肥料焼けを起こしているみたい。水をたっぷり撒いてきました。

アマリリス


ブルー・デイジーはそろそろおしまい。去年の秋頃からずっと咲き続けていました。

ドゥフトゴルト。一番花は咲かずじまい。2番花の時期になってやっと小さな花がつきました。具合が悪いのかなぁ。どぎつい朱色ですが、香りは資生堂の石けんの匂いです。

芳純はとにかくよく咲きます。これも資生堂の香水に使われたバラ。


何となく薄暗い一日でした。



つるばら、マダム・アルフレッド・カリエール

こちらはスペクトラ


マツムシソウ。茎が細くてひょろっと伸びるんで、よく倒れます。抱き起こして支柱にくくりつけると、茎がぐぐっと曲がって天を目指します。

明らかに色合いが異なるマツムシソウ


カワラナデシコは満開





ストケシア。多分菊科の多年草。どんどん株が大きくなっていきます。

紫と白のトリテレイア



イエロー・シンプリシティ