新国立劇場 『ばらの騎士』 ― 2017/12/06 22:41
ジョナサン・ミラー演出の美しい舞台は2年ぶり4回目の上演です。確か2011年は震災直後で指揮者始め主要キャストがキャンセルして、ほぼ日本人だけの公演でかなりの成果を見せてくれました。今回の上演では前回2015年にオクタヴィアンを歌ったステファニー・アタナソフ、オックスのユルゲン・リンが同じ役で登場。元帥夫人には二国ですっかりお馴染みのリカルダ・メルベート、ゾフィーはこの数年一気にスターダムにのし上がった感のあるゴルダ・シュルツが二国初登場。
メルベートはワーグナー歌手のイメージが強いですが、元帥夫人の憂いを帯びた叙情も見事に表現していたんじゃないでしょうか。このオペラのもう1つのテーマである「老い」、これは顔かたちやメークで表現できるものじゃないわけで、もちろん歌や仕草でさりげなく表さなければいけないものですが、その憂いの表情が声にも十分に反映して見事なマルシャリンでした。大詰めのトリオで両脇にオクタヴィアンとゾフィーを従えてさりげなくあきらめの境地を歌う表情、なかなか堂に入っていました。
このオペラ、モーツァルトの『フィガロの結婚』と並んで、宝塚少女歌劇の雰囲気が芬々と漂ってきます。まず男の主人公オクタヴィアンはメゾ・ソプラノが男装して歌う。そして劇中で(心ならずも)女装せざるを得なくなる。このあたりの倒錯性ってのが見ていて面白いところで、役者がいいとゲラゲラと笑いを取れる部分なんですが、ステファニー・アタナソフって人はなかなか表情や仕草が見事。もともとプラチナブロンドの髪に黒い眉毛っていう、少女歌劇の役者がいくら塗りたくっても追いつかない容姿をもっているんですが、それに加えてきりっとした表情、でれっとした仕草、どんな場面でもすばらしい芝居を見せてくれます。
もう一人の若き主人公ゴルダ・シュルツはすっきりとした歌い口ながら、他人に流されない芯の強い娘を演じていました。第3幕で元帥夫人が去った後のオクタヴィアンとのデュエット、天国的に美しかった。これからが楽しみなソプラノだと思います。
東フィルもいつもに増して艶のある音楽を奏でていました。ホルンを始め金管は絶好調。木管の音色の美しさも特筆されるべき。特に第1幕、朝食の場面で流れるモーツァルトそのものって感じのメヌエット風ワルツ、いやあホントにウィーンのディヴェルティメントって感じでした。その後もどこを切り取っても流れ出すワルツの美しさ。弦の艶やかな響きがすばらしかった。指揮のシルマー始め、ピットの面々はいい仕事をしていました。
オックス男爵のユルゲン・リンはこの役ですでに定評のある人。今回も存分に聞かせて、そして見せてくれました。もう一つ地味な役だけどファーニナルのクレメンス・ウンターライナーって人、多分初めて聞いたんだと思いますが、いい声ですねぇ。立ち姿も美しい。オックスよりもファーニナルの方がよほど優雅で貴族らしい、そんな役どころにぴったりでした。もちろんいつも通り二国の合唱団もすばらしかったよ。
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最低気温4℃、最高気温11.2℃。ちょっと寒い感じがしますが、電車に乗ったり建物に入ると暖房がガンガン効いているんで、あまり厚着をし過ぎると汗が噴き出してくる、そんな厄介な陽気です。
今日もドピーカン
アンナプルナ
アンジェラ
赤いドリフト・ローズ。
ブルー・ムーン
ハゼノキ
レディ・ヒリンドン
インカ
モミジはそろそろ盛りを過ぎたかな。
オールド・ブラッシュ
オレンジ・マザーズデイ
アリスター・ステラ・グレイ
今日もいい天気 ― 2017/12/07 16:53
今日もいい天気って、なんかサザエさんみたいですが、いやこのところホントにいい天気が続いています。今日は朝方ちょっと冷え込んで、最低気温は2.4℃、最高気温は12℃でした。
ドピーカン
アンジェラ
アンナプルナ
フレグラント・アプリコット
ラ・フランス
ハツユキカズラ
ザ・マッカートニー・ローズ
散り始め
風が吹けばすぐ散っちゃうけど、あと2〜3日ですね。
ニコル
ナデシコ
カワラナデシコ
オレンジ・マザーズデイ
黄色いのはイエロー・シンプリシティ
サハラ。葉っぱを落としたので、花が目立ちます。
1960年のザルツブルクは祝祭劇場のこけら落としに『ばらの騎士』を上演しました。もちろん指揮はカラヤン。映像が残っているのはシュヴァルツコップフのマルシャリン。6公演あったうち、シュヴァルツコップフが歌ったのは1日だけで、ほかはリーザ・デラ・カーザが歌いました。この人美貌のソプラノで、アラベッラ歌いとしてシュトラウスにも愛された人だたそうだ。『ばらの騎士』は、オクタヴィアン、ゾフィー、マルシャリンと全部レパートリーにしていたらしい。アンネリーゼ・ローテンベルガーのゾフィー、リーザ・デラ・カーザのオクタヴィアンで、バラの贈呈シーン。
寒い! ― 2017/12/08 16:25
最低気温4.3℃、最高気温8.5℃。朝からどんよりと曇って、降りそうだけど降らない。でもこれから降り出すんだそうだ。今日の写真はストックから。
アンナプルナ
西側の花壇
フレグラント・アプリコット
ハツユキカズラの紅葉
インカ
ザ・マッカートニー・ローズ
マツムシソウ
ナデシコ
オレンジ・マザーズデイ
サハラ
『ばらの騎士』第3幕大詰め。ひとしきり続いたドタバタが収まり、マルシャリン、オクタヴィアン、ゾフィー、三者三様の心情を歌う美しいトリオが終わって元帥夫人が退場。残されたオクタヴィアンとゾフィーの二重唱。「これは夢、現実にはあり得ない・・・」
昨日と同じアンネリーゼ・ローテンベルガーのゾフィー、リーザ・デラ・カーザのオクタヴィアンです。
落葉盛んなり ― 2017/12/09 11:47
まだ午前中ですが・・・夕べちょっと雨が降りました。雨量は4.5ミリ。このところ乾燥した日が続いていましたから、降らないよりはまし。でも明日あたりは屋上に水を撒きたいところです。最低気温3.1℃、現在の気温8.7℃。ほぼ昨日と同じような寒さです。
1週間前のモミジ
3日前のモミジ
今日のモミジ
今日はちょっと風が吹いていることもあって、ハラハラと散っています。
遠目にもちょっと寂しくなってきました。
バラの葉っぱも散っています。
ドピーカン
ドリフト・ローズ
フレグラント・アプリコット
ハツユキカズラの紅葉
インカ
オレンジ・マザーズデイ
つるバラの葉っぱをずいぶんむしりました。
パーゴラの左側が少し残っています。
サハラ
それでは1960年のザルツブルクの『ばらの騎士』からラストのトリオ。シュヴァルツコップフのマルシャリン、セナ・ユリナッチのオクタヴィアン、アンネリーゼ・ローテンベルガーのゾフィーです。
ゲルギエフ指揮 マリインスキー @所沢ミューズ ― 2017/12/10 12:19
昨日(12月9日)は所沢まで出かけてマリインスキー劇場のオケを聞いてきました。暖かい日差しが降り注ぐ土曜の午後とあって、航空公園はかなりの人出。今年はちょっと寒さが早かったせいか、公園のケヤキ、イチョウ、モミジなどはもうすっかり落ちていました。
まず1曲目はデュティユーの「メタボール」。文字通りメタボリックなんでしょうね。オケの様々な楽器の変遷、代謝とでも言ったらいいのかな。バロック風に言えばトッカータ。要するに「今日も楽器がちゃんと鳴ってます」ってのを確かめるような音楽。面白いとかナントカって言うより、オケの機能を測るような感じかな。マリインスキー劇場のオケはホントに久しぶりに聞いたんですが、うん、以前に比べてずいぶん洗練されてきたような気がしました。2曲目は庄司紗矢香のソロでチャイコフスキーのコンチェルト。これも面白いとか何とか言うものじゃなくて、限りなく安定した演奏。リハーサル通りにやってますって感じで、究極のルーティーン。オケも月並みにやってました。
前半はやや食い足りない音楽でしたが、後半は打って変わってすばらしい音楽を披露してくれました。まず『パルジファル』第1幕への前奏曲。劇場のオケですから手慣れたもんなんでしょうが、ブラスの美しさは特筆もの。木管楽器のバランス、弦の洗練された響き、まさにワーグナーはこうやるんだよって手本のように響いていました。10年ぐらい前にやった『指環』のチクルスではやや荒くて粗雑な響きもしていましたが、この間にオケ全体がぐっと洗練されたような気がしました。この日のメインディッシュは『展覧会の絵』。自家薬籠中の一品なんでしょう。ゲルギエフは暗譜で振っていました。トランペットが抜群の切れ味を聞かせてくれました。テューバのソロも良かったねぇ。ひよこの踊りあたりから木管のアンサンブルも見事。そして大門のラスト、このすばらしいホールの響きを確認するかのようにタメにためて雄大なフィナーレを築き上げました。クリスマス・シーズンを意図したのか、アンコールは「花のワルツ」。もし本物のバレエだったらものすごく踊りにくかったでしょうが、いやあ盛り上がりました。
マリインスキー・バレエで「花のワルツ」。2012年の収録らしい。残念ながらゲルギエフの指揮じゃなさそうですが・・・
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今日は最低気温2.6℃。昼現在10℃ぐらいです。
今日もドピーカン
モミジがかなり寂しくなってきました。
1日でかなり散りました。
正面のコニファーが少しくすんだ冬の色になってきました。
アンジェラ
アンナプルナ
ドリフト・ローズ
フレグラント・アプリコット
ラ・フランス
ザ・マッカートニー・ローズ
最後に残ったハゼノキの葉っぱ
マツムシソウ
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