寒い日が続きます2017/12/29 16:38

今日は10.8℃まで上がりました。それでもやっぱり寒い。

アリスター・ステラ・グレイ



ミニバラがずっと咲いています。

今日も雲一つない快晴。


厳しい寒さが続いているので、芝生が少し黄色っぽくなってきています。

ドリフト・ローズ


ブルー・デイジーはどんどん花が増えてきました。


紅茶の香りのレディ・ヒリンドン


マツムシソウ

オレンジ・マザーズデイ




今日は生首は無し。聖書に出てくるある女性のお話。その名はスザンナ。「あ、あの人ね」という方も多いでしょう。そう旧約聖書の中のPeeping Tomのお話。しかもこれは推理小説仕立てでもあり、法廷ドラマにもなっています。

美しい人妻スザンナが、旦那が出かけているときに風呂に入っていました。それをユダヤの長老二人がのぞき見て、「我々と寝ないなら、お前が若い男と密会していたと訴えてやる」と脅迫しました。もちろんスザンナは拒否しましたが、姦通罪で訴えられ、処刑寸前になってしまいます。そこに現れたのがダニエルという青年。彼が反対尋問を開始します。告発者それぞれにスザンナが密会していた場所に生えていた木の種類を尋ねると、二人の言い分が全く異なっていました。長老達の証言が虚偽であることが明らかとなり、スザンナは無罪放免、告発者達は処刑されて、一件落着。

このお話も実は、プロテスタントの教会では正式に聖書とは認められていない旧約聖書の外典。『ダニエル書補遺』とか『ダニエル書への追加』と呼ばれる部分のお話です。追加部分には「ベルと竜」なんていう面白い話もあって、その中の「ベル」の部分はスザンナの入浴同様ミステリー仕立てになっています。

まずはイタリアバロックの女流画家アルテミジア・ジャンティレスキの一枚。
スザンナと長老たち。

ジャンティレスキはカラヴァッジョ派の画家とも言われていて、暗い画面に強烈な光を投げつける画風はカラヴァジェスキの特徴とされています。実は彼女は昨日のお題だったユディトも描いています。カラヴァッジョの作品と雰囲気が似ていますねぇ。彼女自身実生活でレイプの被害に遭って訴え出たりしているんですが、男の首を切り落とすユディトに自分の心情を重ね合わせたのかもしれません。

ジャンティレスキよりちょっと後の人、グイド・レーニのスザンナ。この人もカラヴァッジョ風の光と闇のコントラストを強調しています。

ほぼ同時代のグエルチーノ。

ちょっと時代を遡って、ルネサンス期のティントレット。かなり豊満な肉体美です。

17世紀中葉から18世紀の初頭にかけて活躍したフランスの画家ジャン=バティスト・サンテールのスザンナ。Peeping Tomは何処? 裸のスザンナをドンと中央に描いて、のぞき見る長老は右の闇の中に埋もれています。これはもう美人画ですね。しかもこの女性やけにプロポーションがいい。ルーブルの至宝と呼ばれるアングルの「グランド・オダリスク」を彷彿とさせます。

グランド・オダリスク

光の魔術師レンブラントもスザンナを描いています。マウリッツハイス美術館。

レンブラントは少なくとももう一つスザンナを描いています。ベルリンのスザンナ。スザンナのポースはハーグの絵とほとんど同じですが、こちらは長老たちがよりはっきりと描かれています。



さてさて音楽ですが、ヘンデルのオラトリオ『スザンナ』。アンブロネイ音楽祭の映像のようです。クリスティ指揮のレ・ザール・フロリサン。チェンチッチがスザンナの影が薄い旦那ヨアキムを歌っています。

最後の合唱。