2017/11/14 20:17

今日は雨が降ったり止んだり。そんなに強い降りじゃなくて、夕べから通算で8ミリ程度。でもこのところ週に1〜2回は雨が降ってくれてなかなかいい塩梅です。

シャルル・ド・ゴール

アンナプルナ

あゆみ



どんよりとした空模様

今日はちょっと肌寒い感じがしました。

インカ

カワラナデシコ




数日前に植えた園芸種のナデシコ


順調に花が開いています。

オレンジ・マザーズデイ

楽園




これも先日植えたビオラ


ホワイト・クリスマス

イエロー・シンプリシティ





今日はアラビアンナイト(千夜一夜)の物語の大枠を形作る『シェヘラザード』のバレエ版。アラビアンナイトの始まりはペルシャのシャフリヤール王の時代、王は妃が奴隷相手に不貞を働いていると知り、妻と奴隷達の首を刎ねた。女性不信になった王は処女を毎日一人ずつ閨房に招いて一夜を共にし、翌朝女の首を刎ねた。王の側近達は困り果てたが、王のご乱行を止めるため一夜妻として大臣の娘シェヘラザードが名乗り出た。彼女は毎晩お伽に興味深い話を語り続けた。「続きはまた明日」が決まり文句で、王は続きを聞きたいがために、女を殺すことができなかった。

まあそんなこんなで、千と一つの物語を語ったと言われているんですが、18世紀に最初にヨーロッパに紹介されたときには200あまりだったそうですねえ。その後、全部で千にしようとして、ペルシャ以外のアラブや中国の物語、たとえばアリババ、アラジン、シンドバッドなんかがヨーロッパ人によって追加されていったんだとか。

物語の大枠があって、その中で個別の話が語られるっていうのはチョーサーの『カンタベリ物語』とか、あるいはボッカッチョの『デカメロン』あたりから始まっているのかな。

リムスキー=コルサコフの『シェヘラザード』は4楽章からできていて、シンドバッドとか苦行僧の物語りとか、何となく個別の物語を指しているようにも思われるんですが、具体性はあまりなさそう。ただ要所要所に顔を出すヴァイオリンのソロによるシェヘラザードのテーマは印象的です。ちょうと今頃の季節、上田敏が名訳を残したヴェルレーヌの詩が思い起こされます。

秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。


このポエム、第2次大戦の「ノルマンディー上陸作戦」の直前にフランスのレジスタンスに工作を指示する暗号としてBBCが発信したことでも有名。ドイツもそれを傍受していて上陸作戦を表す暗号であると解読していたそうで、西部戦線の各師団に警報が伝えられたそうですが、なぜかノルマンジーの第7軍には伝わらなかったんだとか。

さてさてバレエですが、これは千夜一夜の「そもそも」を描いた作品で、リムスキー=コルサコフが残した副題とも全く関係ない、シャハリヤール王の奥方ベゾイダの不倫物語です。王が狩りに出かけているすきに、後宮の女達は監視役の宦官を手なづけて、男性奴隷の部屋の鍵を奪います。次々と姿を現すマッチョな男達。女達はつかの間の性の宴に興じます。ベゾイダの相手はその名も「金の奴隷」。快楽に溺れている最中、王が突然帰ってきて、女と奴隷も皆殺しにします。騒ぎの中ベゾイダは兵士から奪った小刀で自害します。

ザハロワがベゾイダ、肉体派のルジマトフが金の奴隷です。ザハロワはボリショイ・バレエに移る前、マリインスキー・バレエにいたんだそうで、そのパリ公演の様子らしい。シャンゼリゼ劇場か、シャトレー座でしょうか。