都響定期 イブラギモヴァのソロでバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番2017/10/25 11:06

昨日(10月24日)は久しぶりにサントリーで都響を聞いてきました。もちろんお目当てはアリーナ・イブラギモヴァの弾くバルトークの2番。席がちょっと酷すぎてまともな音は聞けなかったんですが、それでもこの人はうまいねぇ、それだけは確か。幸せな40分を味わいました。

古今のヴァイオリン・コンチェルトの中でも1,2を争う名曲だと思います。超絶技巧がちりばめられ、オケもシニカルな響きから繊細な叙情まで、表現の振れ幅が広い作品だと思うんですが、オケについてはほとんどモノラルでしか聞こえない席だったんで、まあきれいだったなって印象しか語れません。イブラギモヴァのソロに関して言えば、完璧な技巧で切れ味鋭いアタックが印象的です。でもたとえばオーギュスタン・デュメイが弾いた場合のように、どこを切り出しても血が滴るような生々しさとはちょっと違う。鋭い中にもより人間的な暖かみ、あるはまろやかさが香ってくる音楽と言ったらいいんでしょうか。4分音の音程差で揺らめくような部分だとか、あるいは第2楽章の静謐な響きだとか、そんなところがとても美しかった。

後半はフランクのシンフォニーをやったはずですが、さすがにこれはパス。


ところで余談ですがアリーナのお父っつぁんイブラギモフ氏は、ロンドン・シンフォニーのベースマン。この人も超絶技巧の持ち主です。親子共演のビデオ。